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『週刊金曜日』を批判する天木直人氏への反論
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140618-00010000-kinyobi-pol
週刊金曜日 6月18日(水)17時28分配信
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集団的自衛権行使容認で血迷った週刊金曜日
http://www.asyura2.com/14/senkyo167/msg/124.html
外交評論家、天木直人氏の「集団的自衛権行使容認で血迷った週刊金曜日」と題する記事が2014年6月18日9時5分、ヤフーニュースに掲載された。小誌記事の部分引用で誤った印象を読者に与える内容である。天木氏こそ“血迷って”いるのではないか。
小誌は一貫して集団的自衛権に反対しており、天木氏が批判する6月13日号の特集タイトルは「集団的自衛権の詭弁」。天木氏が問題視する岡田克也氏の取材記事もこの特集に含まれ、当該記事にはこの見出し「集団的自衛権の詭弁」も刷り込まれている。
天木氏は記事でこう書く。少し長いが正確に引用する。
〈憲法9条を守ることを最大の売りにしてきたはずの週刊金曜日が、この一番重要な局面で血迷った。
発売中の6月13日号に、宮崎信行という元日経新聞政治部記者の岡田克也民主党元外相へのインタビュー記事が掲載されている。
そこで岡田克也は堂々と次のように語っている。
「私の基本的考え方は、集団的自衛権として整理されている事例をすべて頭から排除するものでは必ずしもないんです」と。
「個別的自衛権、警察権で対応できなければ、憲法改正も含めて認めるというのが私のスタンスです」と。
こう、岡田氏に言わせるだけ言わせておいて、宮崎氏は次のようにそのインタビュー記事をしめくくっている。
「野党一の安全保障の論客として、総選挙に向けて、集団的自衛権の国会審議では中心に居続けそうだ」と。〉
(注)この小誌引用には2カ所ほど細かなミスがあるが、ここではおいておく。
岡田氏は確かに取材に対して〈具体的な事例で検証していく中で、個別的自衛権、警察権で対応できなければ、憲法改正も含めて認めるというのが私のスタンスです。〉と述べている。
しかし、この文言に続けて岡田氏はこう述べる。〈ただ、現時点で具体的なものは思い浮かばないです。おそらくあるとしても非常に限定されたものだと思いますが、議論をやってみないと分からないです。〉と続けている。岡田氏の主張の眼目が、議論をしてもよいが必要な事例は思いつかない、という点にあるのは明らかだ。
議論をすることで、安倍晋三首相が唱える集団的自衛権のおかしさが浮き彫りにもなろう。記事はこのあとこう続く。
〈「憲法解釈の見直し」については、自民党内で、今国会の会期中に閣議決定すべきだとの日程感が出ている、これについて、岡田氏は「法解釈の変更の閣議決定を今の会期中にするというのは論外です」とピシャリ。「国会で濃密な議論をやって、国民がこの問題の本質を理解すると。半分以上の国民がやむを得ない、というところまで持っていってから閣議決定すべきです。国民を置き去りにして一内閣が決めることはあってはならない」と国会審議を求めた。〉
残念ながらいまの国会情勢では憲法9条を守るのに、共産党・社民党など護憲政党だけでは困難なことは論をまたない。その場合、民主党で影響力をもつ最高顧問の一人がどのような考え方を持っているのかについて情報を読者に提供するのも小誌の役割だと、私は考えている。
小誌に登場する人物がすべて小誌と同一な思想信条をもっていないといけないわけではないし、小誌に登場した人物の主張に小誌がすべて賛同しているわけでもない。そんなことは当たり前ではないか。
そもそもこの記事の眼目は、集団的自衛権の行使容認に安倍首相が猛進している背景に米国の圧力があるとの見方に対し、岡田氏が外相時代の経験を語った部分である。
〈米国から集団的自衛権を行使してほしいと外相時代に言われたことはあるかとの筆者の問いには「外相時代に米国から言われたことは一度もありません。日本がやると言えば、米国はどうぞ、どうぞと言うでしょうが」と語り、米側の要求ではないとの認識を示した。〉
記事のタイトルもリードも、この部分を強調している。岡田氏が言うとおり、米側の圧力でなければ安倍首相の異様さがさらに浮き彫りになるではないか。
天木氏は記事でこう批判する。
〈笑わせるではないか。
大変な持ち上げようである。
こんな自民党の改憲論者と同じような事を言うやつを、このタイミングで登場させる週刊金曜日は血迷ったか。
いまこそ憲法9条を守らねばならないと願う者たちへの、驚くべき背信である〉
天木氏は悪意に基づいて小誌を批判しているのか。それとも、当たり前の読解力すら失ってしまったのか。天木氏は小誌になんども登場いただいているだけに、前者であろうが後者であろうが、極めて残念である。
(伊田浩之・『週刊金曜日』副編集長)
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