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赤字財政と悪性インフレ:0EopofEgjcさんへ
http://www.asyura2.com/14/senkyo166/msg/907.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 6 月 18 日 01:04:18: Mo7ApAlflbQ6s
 


「「21世紀の資本論」旋風、日本も?」
http://www.asyura2.com/14/senkyo166/msg/868.html

のコメント欄へのレスポンスです。

===================================================================================
02. の0EopofEgjcさん、コメントありがとうございます。

【引用】
「一つ質問。

>世界的にディスインフレが問題視されている経済状況だが、悪性インフレを招かないレベルの赤字財政は無問題である。
(赤字財政は、借金が問題なのではなく、インフレにつながる可能性があることが問題なのである)


これはまぁ分らないでもないけど、「悪性インフレを招かないレベルの赤字財政」と「悪性インフレを招きかねないレベルの赤字財政」の見分け方、或いは目安についてはどう考えてるの?」


【回答】
まず、インフレは、ここ15年以上のデフレ不況で経験したように、赤字財政そのものが原因というわけではありません。
09年以降の3年間は、GDPの10%を超える50兆円レベルの赤字財政支出でもインフレになりませんでした。
一方、12年秋以降の20%を超える急激な円安は、輸入物価の上昇を通じてインフレをもたらしました。(公共投資の増加もインフレに寄与)


物価は、供給量(モノ)と需要(カネ)の関係で決まりますが、需要(カネ)そのものが供給(カネ)に強い影響を受けています。

総需要は、供給活動に従事することで得られた賃金や報酬の総和と考えることができます。
(税金や社会保険料は財政支出や年金支給として使われるので、個人ベースではなくマクロ経済的には可処分所得として考える必要はない。但し、貯蓄や投機は考慮を要)

ざっくり言えば、98年以降の日本経済は、モノの供給力は低下しなかったのに、供給に投じられるカネが減少した(15年も続いた賃金水準切り下げが象徴)ことでデフレ(物価下落傾向の持続)が続いたわけです。

インフレはデフレの逆ですから、モノの供給力が増大しないまま総需要が増大すれば、物価上昇につながります。

今年の春は賃金アップが話題になりましたが、モノの供給力が増大しないまま賃金がアップすると、名目のGDPが増大しただけで実質は変わらないということになります。
賃金アップを実質の経済成長にまでつなげるためには生産性を高める設備投資が不可欠です。

輸出を増大させるためにも不可欠ですが、年金生活者が増大する超長寿命化社会を安定的に営んでいくためにも、供給力の増加は必要不可欠です。


質問の本旨に移りますが、ある%を超えたインフレ率なら悪性というようには考えていません。

勤労者の感覚で言えば、名目可処分所得の増加率と消費者物価指数の上昇率を比較し、所得のほうが下回っていれば悪性です。
(現在でもそうですが、年金財政が逼迫するなかで今後ますます年金生活者が増加することを考えると、インフレ率のちょっとした上昇が実質購買力の低下につながる家計が増大すると思われます)

マクロ経済的に悪性インフレかどうかは、GDPの実質成長率を見て、マイナスであれば悪性、プラスであれば非悪性と判断すればいいでしょう。

実質成長率=名目成長率−GDPデフレータ

※ GDPデフレータは、消費者物価指数と違い、輸入物価の上昇が国内物価に完全に転嫁できない場合、低下の方向に働きます。
 家計よりも、供給活動主体ないし付加価値生産の観点で物価変動を見ていると言えます。
 輸入物価の上昇分を国内物価に転嫁できないということは、コストの増大を販売価格に転嫁できないことと同じです。
 米国やユーロ圏などとインフレ率を比較して、日本のほうが高いと円安要因になるため、輸入物価の上昇につながる可能性が高くなります。

不況のなかで物価が上昇を続けるいわゆるスタグフレーションを悪性インフレと考えています。

なお、悪性インフレを一定期間は抑え込むことはできますが、それは、現在のギリシャやスペインなどのように、実質生活レベルの切り下げという代償を伴うものです。
実質生活レベルの切り下げは、悪性インフレと現象形態が違うだけと考えることが出来ます。

 

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コメント
 
01. 2014年6月18日 02:27:45 : 0EopofEgjc
>あっしらさん

ご返答ありがとうございます。

オレの考えは(さほどあっしらさんと変わらないかもしれません)、為替介入の仕方にインフレに転じた原因があると思います。
今思い起こせば、安住元財務相の取った覆面介入などは投機筋から見透かされ、公表して介入しようが秘密裏に介入しようが介入額自体は推測している範囲を超えることはないという確信の元、円買いを続けていたんだと思います。
だから介入直後は一旦円が下がりますが、覆面介入分をプラスしたところで投機筋の資金で値を戻せるという自信があったんだと思います。

で、自民党政権に代わると同時に日銀総裁も代わり、強硬な円安路線を打ち出し、通常とは逆のインタゲ戦略で強硬に円安誘導をし始めた。
どこまで本気か分からないので投機筋も一応様子見・警戒し、許容できる範囲内で円安になることを承諾したって感じでしょうか?

しかし如何せん、所詮為替レートでの円安なので、本来の円安(≒インフレ)とはちょっと違う。
普通(ってか自然発生的な好況によるインフレならば)は、
1.賃金上昇 ⇒ 2.需要増加 ⇒ 3. 物価上昇(円安) ⇒ 1.・・・・
となるはずが、
いきなり人為的に「3.物価上昇(円安)」から始まったために、「1.賃金上昇」も人為的に起こすほかなくなりました。
さらに「2.需要増加」につながるかも疑問です。
なぜなら、今の我々を見ると明らかに「ホントに上手く行くの?」って思ってるじゃないっすかw
通常の好景気ならみ〜んな「イケイケドンドン」のはずですよw
これって明らかに企業が不況になってから今まで渋ちんで「電気消せ」「オマエは首だ」「社屋をもっと安いところに移転すんぞ?」って言いながら、実はちゃっかり内部留保だけは貯め込んでたせいで、社員は「会社が儲かってもオレタチにその利益を還元するかは分からんぞ?」って疑心暗鬼に囚われてるんじゃないっすかねぇ?
折角それまでは会社を信頼してたのにねぇ・・・
だから絶対「1.賃金上昇」まで持っていかなきゃダメっす。

と、オラッチは思いますです。


02. 2014年6月19日 05:11:23 : 0EopofEgjc
「円買い」じゃなくて「円売り」っすw

03. 2014年6月19日 14:30:31 : nJF6kGWndY

>マクロ経済的に悪性インフレかどうかは、GDPの実質成長率を見て、マイナスであれば悪性、プラスであれば非悪性

実質GDP〜消費〜生活水準という前提が、ほぼ成立する社会保障が機能している先進国であれば正しいが

途上国の場合は、残念ながら、そうでない場合もあるね


>「悪性インフレを招かないレベルの赤字財政」と「悪性インフレを招きかねないレベルの赤字財政」の見分け方

財政支出の内訳で判断するしかないだろう

長期的に付加価値の高い生産力(つまり生活水準)を高める効果的なインフラ投資のための赤字は良い財政赤字と言える

しかし、単なるバラマキ公共投資や貧困層への一時金は、最終的には富裕層の貯蓄を増やすだけで、悪いインフレを招く元となる



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