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安倍晋三政権を保守派は支持し、革新・進歩派は批判する――そんな基本構図に収まりにくい発言が、論壇で目につく。保守の立場から政権や今の政治状況を憂える声が出ているのだ。
保守派の代表誌「文芸春秋」は6月号で「安倍総理の『保守』を問う」を特集した。100人の論者から意見を集め、80ページにわたって掲載した。回答者は保守派の藤原正彦氏や曽野綾子氏から革新・進歩派の池澤夏樹氏、山口二郎氏らまで幅広い。8人の保守論客へのインタビュー特集も同時に載せた。
企画の動機を、編集後記は次のように説明する。首相の仕事ぶりは頼もしいが、「漠然たる不安」の声もあり、その保守政治が「日本に何をもたらすのか、具体的なイメージが浮かばないこともある」と。
100人のうち政権を積極的に評価したのは、改憲と自衛隊の国軍化を訴える佐藤正久参院議員(自民党)ら数人にとどまった。大半の回答者は政権への直接的評価をしていない。
政権批判の多くは非保守の論者によるものだった。保守とは伝統を重視するものであり、「戦後レジームからの脱却」という巨大な社会変革を目指す安倍政治はむしろ「革新」だ――とする論法が一つの典型だ。
ただし批判は保守寄りの論者からも挙がっていた。
たとえば舛添要一東京都知事は、「良き伝統を守る」のが保守だとする立場から、「和を以(もっ)て貴しとなす」という伝統的な「合意形成」の哲学が今の政治には欠けているとした。天皇を「元首」と規定する自民党の憲法草案も批判。むしろ「象徴」のほうが「伝統に叶(かな)う」と訴えた。
「現実的保守」を自任する前原誠司衆院議員(民主党)は、安倍氏を「観念的保守」とした。歴史という「極めて観念的」な問題で日韓・日中・日米関係を悪化させたと批判する。
親米保守派と呼ばれることもある外交評論家の岡崎久彦氏は、「慰安婦問題はもう争わないほうがいい」と呼びかけた。
雑誌「外交」25号では、首相の私的諮問機関で座長代理を務めた北岡伸一氏(政治学者)が、「良質な保守の後退」に警鐘を鳴らした。危ないと感じ始めたのは「NHKの人事が話題になった頃」だという。歴史認識をめぐって「私は基本的に安倍首相が靖国参拝をするのは反対です」「(首相が)『日本は侵略した』と言ってくれればいいんです」とも述べた。
進歩派の雑誌「世界」も最近、保守派による政権批判を相次いで掲載した。5月号では自民党の村上誠一郎衆院議員が首相を批判した。憲法解釈を変えることで集団的自衛権の行使を容認しようとする政権の姿勢は「立憲主義」の基本を揺るがせるものだ、と。
6月号でも同党総務会長の野田聖子衆院議員が、「解釈変更」に頼る現政権を批判。「(私がいま語った批判は)私個人の意見というよりは、なかなか表に出てこない、党内の声」だと述べた。進歩派の雑誌を通じて自民党幹部が“声にならない党内の声”を社会に訴えた瞬間だった。(編集委員・塩倉裕)
http://digital.asahi.com/articles/ASG632JJ4G63UCLV002.html?iref=comtop_list_pol_f01
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