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2014年06月14日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「アベノミクス第3の矢=成長戦略」は、どれもこれも絵に描いた餅」のようだ。アイデアはいいが、日本経済、産業を牽引する「機関車」にするには、力不足で国家総動員するほどの魅力はない。安倍晋三首相の諮問機関である規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は6月13日、提出した答申も同様である。
このなかの農業では、農業協同組合、農業委員会、農業生産法人の改革、保険診療と自由診療を併用する「混合診療」の大幅な拡大、多様な働き方を可能とするため労働時間規制の見直しなど約230項目が盛り込まれており、安倍晋三首相は「岩盤規制に踏み込んだ力強い答申を頂いた。われわれ政治家の実行力でしっかり結果を出したい」と述べ、新成長戦略に反映させるという。
また、法令や省令の改正など具体的な日程や手順を盛り込んだ実施計画は6月27日に閣議決定する方針を決めている。だが、残念ながら多くの国民や政財官学界を刺激して、食欲をわかし、大いに奮起させるような「大きな目玉」は一つも見当たらない。
◆一体どうしてなのか。これを確かめるため、答申内容をやや詳しく点検しておこう。
政府の規制改革会議の答申要旨は次の通り。
【農業】農地中間管理機構の創設=農地を集積・集約して大規模な生産性の高い農業を実現し、新規参入を促進▽農業委員会の見直し=農業委員を現行の半分程度の規模に縮小。選挙制度を廃止し、市町村長の選任に一元化。遊休農地対策を含めた農地利用の最適化の積極的展開▽農協見直し=中央会制度から新たな制度へ移行し、その在り方を抜本的見直し。全国農業協同組合連合会(JA全農)と経済農業協同組合連合会(経済連)の株式会社化を検討。
【健康・医療】患者申出療養制度を創設=混合診療の実施承認まで平均6カ月程度かかる審査期間を、前例がある場合は原則2週間、ないものでも6週間に短縮▽混合診療の対応医療機関を充実。
【雇用】労働時間規制の見直し=高度専門職などで労働時間の新たな適用除外制度を創設▽休日・休暇の強制取得▽ジョブ型正社員の雇用ルール整備=勤務地や職務、就業時間が限定された正社員の雇用ルールを徹底。
【創業・IT】動産・債権を担保にした資金調達を推進▽ダンスに関わる風営法規制を見直し=接待を伴わないダンス営業などを風俗営業の規制対象から除外。
【貿易・投資等】外国企業等を設立する際の規制見直し=日本に住所がない外国企業や外国人でも、法人登記や設立登記を可能に▽コンテナ輸送における通行許可基準を統一=逆差別状態となっている輸出入貨物の輸送の最大積載量に合わせて、国内貨物も積載量を拡大。
◆これらのうち、農業改革を見てみると、農業団体の意見を一切聞かないで、「上から目線」で好き勝手なことを答申している。しかも、委員のほとんどが、「土を触ったことのない。農業と無関係な委員」ばかりである。農家や農業団体は、自民党の強い支持基盤であり、「机上の空論を振り回されたくない」と強く反発しているので、「一致団結」して改革に取り組む態勢にはない。失敗は目に見えている。
健康・医療では、混合医療の導入に対して、日本医師会、歯科医師会、日本薬剤師会など医療関係団体から強い反発と抵抗を覚悟しなくてはならない。これらの団体も自民党の強力な支持基盤であり、民主党政権下で、票の奪い合いが繰り広げられた。うっかりすると、自民党離れを加速させる。このため、混合診療が成長戦略に盛り込まれて実現すれば、日本経済を活性化させる効果が大となると考えるのは軽率である。
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