拙速な解釈改憲が開く第３次大戦の戦端
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/150964
2014年6月14日　日刊ゲンダイ

　ヒト、モノ、カネが自由に往来するグローバル時代は、共存共栄の形を深化させると思われた。だれかが勝手な振る舞いをすれば、みんなが迷惑する。他者を理解し尊重しなければ共倒れ。そんな時代になると思われた。

　だが、グローバル化の中から生まれたのは、新しい冷戦だ。資本主義と共産主義が対立した昔と違う。ロシアや中国はエネルギーや資源を求めて領土、領海の拡張を目指し、隣国と衝突を繰り返している。遅れてきた帝国主義が幅を利かせているのだ。

　そんなときに安倍首相は、「日本を取り巻く安保情勢が変わった」と、大急ぎで憲法解釈の変更に踏み出した。世界の流れに便乗し、国民の気持ちを軍国化容認に向かわせる腹積もりだ。１１日の党首討論でも、「政府として立場を決定し閣議決定する」と強調。２２日までの今国会中に閣議決定する姿勢を見せていた。

　だが、アジア情勢の緊迫化には、安倍首相も深く関わっている。靖国神社を参拝する一方で、国際会議などの場で中国を攻撃。直接の対話はせず、敵対関係をあおるだけ。そんな中で、集団的自衛権の行使容認に踏み切れば、対立は先鋭化する。自衛隊機と中国機の異常接近が繰り返し伝えられているが、一歩間違えば戦端が開かれることになりそうだ。

　なぜ、安倍首相は、解釈改憲を急ぐのか。それで不安定なアジア情勢が落ち着くというのならまだしも、事態が悪化するのは確実である。拙速に決める必要性はない。公明党が求めているように、じっくりと時間をかけるべきだろう。

　しかも、安倍首相には私的な動機があると聞く。祖父の岸信介氏がやれなかった自主憲法制定を成し遂げたいという思いだ。集団的自衛権の行使容認を足がかりにして、憲法改正の機運を高め、いずれは自主憲法の制定にこぎつけたい。そんな野望である。

　もしこれが事実なら、われわれ国民は、極めて私的なリベンジに付き合わされるわけだ。はたして国家の命運が個人の意趣返しで決められていいのか。それによって中国との戦端が開かれ、第３次大戦が始まり、世界中で多くの犠牲者が出れば、安倍首相は世界を混乱させた人物として歴史に名を残すことになる。

　安倍首相に、その覚悟はあるのだろうか。

【高橋乗宣】

コメント
01. 2014年6月14日 07:30:54 : 4FZ76I7Ivk 戦争に負けた時。 安倍下痢三は公職追放確実だな。
02. 2014年6月14日 13:15:01 : z0HIlYN0tM 「ロシア、中国はエネルギーや資源を求めて領土、領海の拡張を目指し、隣国と衝突を繰り返している」とか アメリカはどうなのかね。北アフリカを爆撃したＥＵはどうなのかね。そのけつについているだけの日本はどうなのか。 ことはそう単純ではない。ただしアメリカやＥＵが自分たちをよく見せる宣伝能力に長けていることは確か。
03. 2014年6月14日 15:51:22 : QBrYpzDGwo 　　昔、一国を率いる元首というのは病人が多い、というような書物があったが、会社の経営者だの、部下を抱える管理職とは違い、一億の民の代表ともなると正気ではやっていられないのかも知れない。沢山の死体を見た兵士や、重病の患者を相手にする医師と同様、次第に感情も失い、ルーティンワークをこなすだけになってくるのだろう。秒刻みで来客の相手をしている内に思考能力も奪われるだろう。 　　だから、勢い行政官などの裏方に頼り、彼らの手の中で動くようになってしまう。実に孤独で危険な職業である。欧州が大統領と首相の二人三脚であるのも当然だろう。 　　しかしながら、議院内閣制であれば、多数の議員を擁する政党の党首が首相になるだけであり、特に気負うことも無い筈だ。国民は首相としての安倍を選んだ訳ではないのだから、「俺が、俺が」と自身を強調するのはむしろ滑稽である。 　　ましてや、この投稿のように私的なリベンジの要素があって軍備強化を目指し、「今度こそ」ということであれば、国民にとって全く迷惑な話である。 　　しかも、先の戦争では欧米列強を相手に宣戦布告し負けたのに、リベンジの相手を米国とはせずに逆に尻尾を振り、あまり弱い国でも卑怯に見えるからか、一応均衡していそうな相手として隣国を仮想敵国にしている様子がある。 　　何と言っても、隣国と言うのは侵入して行った国であり、むしろ被害者であるのに、「今度は勝つぞ」の相手として選ぶとは、リベンジ先を間違っていないか。米国は勝者として気を良くして市場も開放してくれたが、そもそもは日本への加害者であろう。反対に隣国は日本が侵入した国家であり、その恨みもあって気を許してはいないのを逆恨みし、可愛く無い国だ、として今度こそやっつけてやる、という雰囲気だ。 　　　小学生が友人と喧嘩をしていたら中学生が来てお前が悪いと殴られたが、後で飴をくれたから好きになった。でも憤懣収まらないので、中学生が味方についてくれたから今度こそお前をやっつけてやるぞ、と再び友人に目を向けたということか。殴り付けた中学生への怒りを最初の喧嘩相手にぶつけるとすれば愚の骨頂だ。 　　　とにもかくにも、一国の首相というのは職業柄、狂っていても気が付かなくなる可能性があるから、常に複数の優れた精神分析医にかかる必要がある。
04. 2014年6月14日 16:57:12 : Fx0MAc3H3s 01さん 公職追放だけですか？ 戦犯として死刑だろ！ 死ぬまで牢獄だと良からぬ輩が利用してはいけない 爺さんが逃げ出したようには逃がしてはいけない

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