http://www.asyura2.com/14/senkyo166/msg/715.html
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とっくの昔から「集団的自衛権を行使」している日本で、「集団的自衛権の行使が合憲か違憲か」という論議が真顔で展開されているのだから、シュールというべきかマンガというべきか、とにかく異様な状況といえる。
(日米安全保障条約は集団的自衛権の行使以外のなにものでもない。詳しい説明は後日)
それはともかく、安倍首相の真意が見えない。手痛い目にあわされていることもあり、従米だがずぶずぶの親米ではない安倍首相が、血を流してでも米国の世界戦略遂行に協力しろと言われて、どういう落とし所を見出すのかよくわからない。
安倍首相サイドが、本音を大きく逸脱した“過激な主張”を行うことで本音に近いレベルの決着を得るという手法を好んで使うことも真意が見えにくい要因である。
いずれにしろ、公明党・高村自民党副総裁との合作で(公明党をうまく使いながら)、米国支配層がともかく承知してくれる落とし所を見つけることになるのだろう。
維新の会や石原派といった集団的自衛権バンザイの政治グループ合作だとイケイケになるから、米国支配層に対し、“日本はここまででぎりぎり”といった言い訳ができなくなる。
“平和主義”や“福祉尊重”にこだわることで存在意義を維持している公明党との連立は、選挙対策としてだけでなく、政策のバランスをとるためにも役に立つわけだ。
野党やメディアは軽視しているが、安倍首相は、3月15日の参議院予算委員会で、「国家安全保障基本法には、事実上、集団的自衛権の行使を示唆することが書き込まれているが、現在は行使できないという解釈なので、解釈を変えることなく基本法を出すことはできない」と説明している。
内容的には国家安全保障基本法を上程するためには憲法解釈の変更が必要という話だが、何より重要なのは、内閣(政府)において憲法を解釈する最高責任者と自認している安倍首相が、「(集団的自衛権について)現在は行使できないという解釈」と明言したことである。
「現在は行使できないという解釈」という文言が、「過去は行使できないという解釈」というものであったなら、政府における憲法解釈の最高責任者である内閣総理大臣として、これまでとは異なる解釈をしていることを示唆していることになるが、「現在は行使できないという解釈」なのだから、安倍首相自身もそのように解釈していることになる。
3月15日から3ヶ月ほどで「行使できる」と解釈を変更しようと思ったら、私的懇談会である安保法制懇のレポートを超える詳細な論理が必要になる。法的に権限があるわけではない“有識者”懇談会の結論を根拠にすることはできないはずだ。
転載するNHKの世論調査も、憲法解釈を変更するかたちでの集団的自衛権行使容認に“協力”するものとはなっていない。
そのうえ、安倍内閣の支持率低下傾向を明言し、その理由が集団的自衛権行使の論議にあるとしている。
※ 参照投稿
「安倍首相の憲法解釈見直し判断「私が最高責任者」論を擁護:ほとんど誰もくみ取らない安倍首相の真意は“脱官僚”」
http://www.asyura2.com/14/senkyo161/msg/485.html
「安全保障基本法案「提出決めていない」 :先吠えで貢献した番犬=小松長官:「河野談話」に続きリベラル政策に“戻る”安倍首相」
http://www.asyura2.com/14/senkyo162/msg/785.html
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くらし☆解説 「集団的自衛権・拉致問題と国民の視線」
2014年06月10日 (火)
島田 敏男 解説委員
(岩渕)
岩渕梢です。きょうの「くらし☆解説」の担当は、島田敏男解説委員です。
テーマは「集団的自衛権・拉致問題と国民の視線」ということで、この1か月の政治の議論や、日本と北朝鮮との間の大きな動きについてですね?
(島田)
◇はい。集団的自衛権というのは「密接な関係にある他国に対する攻撃を、自分たちへの攻撃とみなし、実力をもって阻止する権利」です。
◇歴代の内閣は「それを行使することは憲法上許されない」としてきているんですが、それをできるように変えようというのが、安倍総理大臣が熱心に進める議論です。
◇きのうまとまったNHK世論調査をもとに、こうした議論などを、国民の皆さんがどう受け止めているのか見て行きたいと思います。
Q1)まず毎月見ている安倍内閣の支持率は、どうだったんですか?
◇こちらです。安倍内閣を支持すると答えた人は、先月より4ポイント下がって52%、支持しないは3ポイント上がって32%でした。
◇4ポイントダウンは統計的には誤差の範囲内ですが、下向き傾向には違いありません。
Q2)下向き傾向の理由は何でしょう?
◇以前からお伝えしているように安倍内閣の支持率は積極的な経済政策に対する期待が支えになっていて、今月も「経済政策を評価する」が先月より2ポイント上がっています。
◇それなのに内閣支持率が下がっているのは、他の要因が影響しているということです。
Q3)この1か月、集団的自衛権の行使を巡る議論が連日報道されていましたよね?
◇はい。そのあたりなんです。先月15日に安倍総理の設けた私的な有識者懇談会が報告書を提出し、それを受けて、政府・与党の検討を進める考えを総理が表明しました。
◇しかし、自民党と公明党の間で協議が始まると、否定的な評価も出ているんです。
Q4)集団的自衛権を巡る議論に対し、国民の受け止めに変化があったんですか?
◇ありました。今月の調査結果では、集団的自衛権を行使できるようにすべきだ26%、これに対し行使できるようにすべきでない26%で並んでいます。
◇3か月連続で同じ質問をしたんですが、先月は直前に行われた日米首脳会談で、オバマ大統領が「安倍総理の検討を歓迎する」と表明したこともあって、行使容認が増えました。
◇しかし、先月から今月にかけては、行使できるようにすべきだがやや減って、行使できるようにすべきでないがやや増えているんです。
Q5)これをどう見たらいいんでしょうか?
◇与党内の協議で自民党側が示しているのが、集団的自衛権行使の限定容認という考え方です。
◇集団的自衛権について「国の平和と安全を維持し、存立を全うするための必要最小限度の行使は憲法上許される」という主張です。
◇これが納得できる、いや納得できない、どちらともいえないが、大きく割れていまして、詳しく見ると与党の支持者でも、納得できるとどちらともいえないが共に4割なんです。
Q6)この問題に慎重な公明党の支持者の態度が影響しているんですか?
◇それだけではありません。確かに公明党の支持者では、納得できない、どちらともいえないが多いんですが、数の上で大多数を占める自民党支持者でも、どちらともいえないが4割近くに上っています。
◇安倍総理にとっては、足元の自民党支持者の中で「納得できる」と答える人が限られている点は、要注意だと思います。何が限定的なのかが判然としないということです。
Q7)この問題では、憲法改正か、憲法解釈の変更かという議論もありましたね?
◇安倍総理は憲法改正の手続きを待たずに、これまでの政府の憲法解釈を変更することで、集団的自衛権を行使できるようにするという考えです。
◇今月の調査では、安倍総理の考え方に賛成が22%に対し、反対が33%に上りました。
◇4月、5月の調査と比べて見ますと、政府の憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を可能にすることに賛成する世論が拡がっているとは言い難い結果です。
Q8)どちらともいえないという人も多く、なかなか難しい問題ですね?
◇政府・自民党は今月22日の今の国会の会期末までに、公明党の合意を得て憲法解釈の変更を閣議決定したい考えです。
◇これに対し公明党は、集団的自衛権の行使に踏み込まなくても、日本の防衛に直結する個別的自衛権の行使で対応できる場合もたくさんあるはずだとして慎重な姿勢です。
◇この問題で政府・与党内に亀裂が走るようなことがあると、政治の安定を願う国民の声に背を向けることにもなります。拙速は禁物だと思います。
Q9)この1か月を振り返ると、拉致問題を巡っても大きな動きがありましたよね?
◇日朝の政府間協議で、北朝鮮側が拉致被害者を含む日本人行方不明者の全面的な調査を行うと約束し、日本側は調査が開始された時点で独自に行っている制裁の一部を解除することで合意しました。
◇この合意を評価するは59%、評価しないは35%でして、一定の評価といえます。
Q10)これで問題の解決に向かえばいいのですが、どうなんでしょう?
◇楽観はできません。今回の日朝合意で拉致問題の解決が期待できると答えた人は37%、58%の人は期待できないと答えています。
◇北朝鮮は2008年にも、再調査に応じると回答しながら、その後一方的に調査開始を取りやめたことがありますので、合意を評価しない、そもそも期待はできないという人が相当数います。
◇このため、今回の日朝合意が安倍内閣の支持率アップに直結はしていないわけで、北朝鮮の出方を見極めながら、慎重に対応することが政府の大きな責務です。
Q11)それでも、拉致問題を巡って、再び動きが出たことは意味が大きいですね?
◇私もそう思います。ただ、拉致問題の調査が進んで、一定の情報が得られ、帰国が実現する人が現れたりしても、何をもって解決とするかは難しい問題です。
◇安倍内閣は日朝協議を動かすことに成功しましたが、ここから先が試練です。
Q12)最後になりますが、各政党の支持率はどうだったんですか?
◇自民党が36.9%で一強は変わらず、これに各党が続いています。ただ、先月と比べると自民党にもやや陰りが見え、その分、無党派層が全体に占める割合が増しています。
Q13)野党の存在感が薄いんですが、どうなんでしょう?
◇野党の中では、小刻みな離合集散が目立っていますが、大きな求心力が生まれる気配はありません。集団的自衛権の問題でも、野党の中で考え方がまちまちです。
◇国の基本に関わる問題ですから各党が自らの考え方をしっかりまとめ、その上で政府・与党の動きにどう向き合うのか、その姿を明確に見せてもらいたいですね。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/190003.html
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