戦後80年目の節目には、民衆蜂起によって指導者層は分裂し、自壊することを避けるのは難しい。どんな政治体制も経済体制も、個人と企業と国家レベルごとの利己的な行動と思考が不一致になり、矛盾が拡大分裂する。そのため、40年ごとに改革し、80年ごとに大革新が必要となる。80年以上継続した体制は、改革と革新を繰り返し継続してきた。

戦後の政治革新は福祉厚生制度の採用だった。三百年以上の長期政権も、40年ごとに改革され80年ごとに革新されたが、最後は停滞し自己崩壊する。第一次世界信用恐慌は1929年にスタートした，1934年にあらゆる経済指数（生産・販売・雇用・投資・貿易）が三分の一以下に激減する世界的金融大恐慌の影響から逃れられなかった。そのユートピアから80年目の2016年前後に銀行・証券・為替の一時閉鎖を向えることになる。

資本主義国家でも社会主義国家でも、国家と企業と個人は、それぞれ利己的な自衛思考と行動をするために、短所や矛盾の発生は避けられない。

近代国家ではストライキ権と選挙権と福祉制度を採用し、40年ごとに改革して、資本主義制度の存続に成功してきた。だが、ライバルの社会主義国家が自壊すると改革を停滞させてる。

一党独裁下の国家・企業・個人が、利己的に防衛思考し行動する法則の作用から逃れることはできない。資本主義国家でも、官僚支配するビジネスに参加するにはコネと賄賂が絶対必要である。社会主義政治体制は官僚支配なので、どんな開放政策にも認可権がつきまとう。そのため、自由経済システムそのものも腐敗堕落が避けられない。

また国家権力は、40年ごとに、古いルールを破壊する思考行動の容認改革派と弾圧派に分裂し、改革に成功する。80年前の革命を直接体験した国民が少数派になると、低い平等より自由を求めると、国家は自壊し民族ごとに分割し、連邦制度は崩壊する。従って多民族・多部族国家の中国は4分割に移行することも避けられない。

そして国家・企業・個人自分にプラスなら味方・正義・善であり、マイナスなら敵 ・不正義・悪だと判定。家族内外でも判定される。個人の善／悪の判定規準は、線型脳の縄張りを土台に、自分にとってプラスは善で、マイナスは悪とハッキリしている。企業や国家の正義／不正義・善／悪・味方／敵は、この個人の善／悪の判定規準から連想される。そのために、哲学者カントと孟子は「人間は生れる前から、善悪を判定できる」と考え、ヒトの先天的理性や性善思考もつと主張した。

そのことから再び、中東と東南アジアに、激しい憎悪の国家の対立が発生する。ドルとユーロと円が世界の75％のキンとリンクさせると、通貨の信用縮小は収束する。そして、第二次産業革命を、10年前倒しさせるなら、高度成長路線を復活できる。そうなれば、過去のように、世界大戦という巨大な殺人消費需要の助けを借りなくても、恐慌から脱出することができる。

この節目に「古い政治概念の破壊」が行われる。この「ルールを否定破壊する少数派に寛容な時代」は，左右の原理主義を誕生させる，右翼原理主義は「移民」と「領土」問題で排外的思考と行動を台頭させている。そして左翼原理主義は、１％の金持ちが99％の富をもつ「不平等の是正」の思考と行動を台頭させている。それと平行して宗教の原理主義が、暗殺やテロリズムの思考と行動を台頭させ、戦争の瀬戸際に押し進める。

大正デモクラシーと平行して，右翼原理主義者の言動が，軍人・財界・政治の指導者に支持それ，国民の多くが許容し受け入れたのである。2020年までは，ルール破壊される古い政治概念の破壊の20年間になる。この期間には，左右の原理主義を活性化させる。次の「新しい政治概念の遵守」の20年間で収束する。

「古い政治概念の破壊」は，それまで少数派だった主張を，多数派が許容し受け入れる。それは右翼原理主義から左翼原理主義まで，イスラム原理主義からキリスト教原理主義まで活性化させている。

そのために，古い政治や社会や文化が破壊される時代は，靖国復古思想が，バフォーマンス政治なのです。マスコミはこの歴史の流れに大本営発表体制でスポットライトを浴びせている。

2011年以降は，超インフレデフレや超失業で困窮した国では，愛国的熱狂を利用したカリスマの一党独裁が台頭する。戦前の日独伊の一党独裁政権は，軍需産業を牽引車として，超インフレと超失業を解消し，国民の圧倒的な支持をうることに成功した。そして圧倒的多数となると，国会で単独採決を強行し続ける。そして時間が経過すると，弱者の切り捨て，格差の拡大だったことが認識される。しかしこのノジックの復活を夢見る議員や有権者は25％占めることになる。

大マスコミはこの靖国復古調的な軍国主義後継内閣に熱狂的な支持をすることになる。大手マスコミと政・官・業の癒着は、この世のパラダイス、大本営発表体制による衆遇政治が続き、人類史上類をみない「泥棒国家」(クレプトクラシー)である。民主主義国家ではありえないとされる一部の特権階級によるオリガーキー(寡頭政治)が行われている国である。

また移民の大量受け入れは，平時では通用するが，世界信用恐慌では貿易・外資増加にはマイナスに作用するために諸刃の剣となる。そのために保守や革新の政治的信条や伝統的選挙基盤が無視され，再び三重構造の応仁の乱が発生する。新たな枠組みの政権が誕生するまで政権交代が続く。

このジレンマを解消するために,かってナチスドイツと軍国日本は，領土と軍需生産拡張によって，信用恐慌のドン底から，どの国よりも早く脱出した．そのために戦争に期待する日本の政治家と経済界の指導者と言うことになる。さて予告どおりだが，このような道に本当に進むのだろうか，個人の運命が、戦争という国家の悲劇・運命に巻き込まれないことを祈るばかりである。恐ろしくなってきた。