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2014年06月08日
日経新聞は、以下のように法人税減税の必要性の刷り込みに余念がない。しかし、よくも此処まで事実を捻じ曲げ、都合の良い表面ヅラだけを示せことが可能なのだろうか。調べたら切がないが、日本の法人が支払っている法人税が、日経の報道や政府の言うように地方税も含む法人実効税率が「36.64%」も、現実に収められているか、納税実態一覧を出しながら議論の場を作るべきだろう。
勿論、法人実効税率が低い方が、その国で企業活動を行う企業に魅力があるのは当然だ。おそらく、あらゆる方面の施策から設けられた法人優遇の制度は多様で、国税の管轄ではないものも含まれるので、実態は驚くほど名目法人税よりも、5%〜10%程度低いものになっている。15〜20%しか法人税を納めていない企業が脱税をしているわけではなく、日本の法人実効税率は、税制を中心に、網の目のように網羅された制度の中で実質法人税は充分に低く抑えられている。逆に言うなら、これらブラインドになっている減税効果のあるシステムをチャラにして、これが法人税の実態だ、と云う一覧をつくるべきであり、議論はそれからだ。
≪ 法人実効税率 日本、主要国より高水準
国税の法人税と地方税の法人住民税や法人事業税などを合わせ、利益に対する企業の実際の税負担率を示す。2014年度以降の日本の法人実効税率は 国と地方合計で35.64%(東京都)だ。今年3月時点の比較では、40%を超す米国を除き、ドイツ(29.59%)や英国(23%)、中国(25%)、 韓国(24.2%)など主要国に比べて高い。
税率が高いと、日本の企業の競争力を損なううえ、海外企業の日本進出を阻む懸念が強い。政府内には「国際水準まで下げる」との声があるが、ドイツのように20%代後半とするのか、アジア各国のように25%前後にするかで意見は分かれる。
大手会計事務所のKPMGによると、法人税率下げが進んでいる欧州各国の税率は13年に平均で約20%まで下がった。世界的に低下傾向の法人税率が、消費 税率と並ぶような国も出ている。日本はグローバル化に対応しつつ少子高齢化に備える財源も必要で、「法人減税・消費増税」という世界の潮流に合わせた税制 改革を迫られている。 ≫(日経新聞電子版)
上述の日経の記事に対照的なのが「しんぶん赤旗」の記事である。この記事の方がより公正公平な比較に近づいている。実際には、各企業の納税状況の一覧を作成すれば、すべては簡単に判明する。しかし、どこの誰も、それをしようとしない。このことの方が不思議で胡散臭い。
≪ 法人税 「40%は高い」といいながら実は… ソニー12% 住友化学16%
日本のトップ大企業の利益にかかる法人課税の実際の負担率が優遇措置によって30%程度であることが本紙の試算でわかりました。日本経団連は現在 40%の法人実効税率が高すぎるとし、減税を要求していますが、大企業が払っている税金ははるかに低いのが実態。法人税減税の財源を消費税増税に求めるの は身勝手すぎます。
優遇税制で大まけ 平均3割
試算は大企業に対する優遇税制が一段と強まった2003年度から09年度の7年間を対象にしています。経常利益の上位100社(単体)で負担率は平均33・7%でした。
財界は法人税の実効税率を25%に引き下げるよう政府に要求していますが、日本経団連の会長企業、住友化学が払っている法人課税の負担率はわずか16・6%でした。前会長の企業、キヤノンは34・6%です。
自動車メーカーでは最大手のトヨタ自動車が30・1%、本田技研工業は24・5%でした。電機ではパナソニックが17・6%、ソニーが12・9%。鳩山由紀夫前首相が大量の株式を保有していたブリヂストンは21・3%でした。
大企業は研究開発減税で大幅な恩恵を受けるほか、海外進出を進めている多国籍企業には外国税額控除などの優遇措置があり、40%の税率は骨抜きにされています。
法人実効税率は国税である法人税に地方税である法人住民税、法人事業税を加えた税率です。この試算では、景気変動の影響を除くため各社の決算デー タから7年間の税引前当期純利益と法人3税の合計額で実際の負担率を計算しました。銀行・証券・保険業と純粋持ち株会社は除きました。
日本経団連の税制担当幹部 「法人税は高くない」
「日本の法人税はみかけほど高くない」と財界の税制担当幹部自身が認めています。
阿部泰久・日本経団連経済基盤本部長は税の専門誌『税務弘報』1月号で、法人税について「表面税率は高いけれども、いろいろな政策税制あるいは減価償却から考えたら、実はそんなに高くない」との見解を表明。「税率は高いけれども税率を補う部分できちんと調整されている」と説明しています。
阿部氏はまた別の専門誌『国際税制研究』(2007年)で、大企業の実際の税負担率が高くない理由について二つの要因を指摘。一つは、研究開発減 税や租税特別措置などの政策減税。製造業では「実際の税負担率はおそらく30%台前半」。もう一つは、大企業は「税金の低い国でかなりの事業活動を行っ て」いることから、「全世界所得に対する実効税率はそれほど高くない」。そして、「他の国がもっと税率を下げてしまったので、調整が必要だというのは建前的な発言」だと、明かしています。
*研究開発減税 企業が製品開発や技術改良のために支出した試験研究費の一定割合を法人税額から差し引ける制度。研究開発費の多い大 手製造業に得な制度です。減税額の9割程度が資本金10億円以上の大企業。2007年度決算データから推計するとトヨタ自動車は822億円、キヤノンは 330億円の減税です。
*外国税額控除 海外に進出した日本企業が外国で法人税を払う場合、その分を日本で払う法人税から差し引く制度。外国企業に優遇税制を敷いている途上国で法人税の減免措置を受けた場合でもその分を払ったとみなして控除される場合があります。 ≫(しんぶん赤旗)
しかし、法人の実効税率をシンガポール並みに20%を切る税率まで引き下げたとして、日本に世界の企業が押し寄せ、海外に生産拠点を持つ企業がUターン現象を起こすかといえば、まったくその可能性はない。強大なマーケットがなくなる事が自明な国での生産は、輸送と云うデメリットも消化する必要があるわけだから、デバイス系はあり得ても、製品系には望み薄だ。労賃の問題もある。タイ、ベトナム、インド並の賃金の労働者を確保できるのか、それもNOである。つまり、自国のメリットが何で、デメリットが何か、その根本問題をさて置いて、法人税だけの議論をするのは狂気だ。本末転倒で、まさに安倍晋三のロジックが、いまだ狂気の中で展開している証左だ。
伊藤元重という東京大学大学院経済学研究科教授は食わせ者である。あるコラムに『 「消費税は国民一般、特に庶民に税金を課すものである。法人税は企業、特に利益をあげている大企業に課すものである。消費税率を上げて、法人税率 を下げていくのは、国民をいじめて大企業を優遇するものである」──こうした意見を聞くと、経済がわかっていない小学生のような議論だと言いたくなる。
経済は複雑な体系である。法人税率によって企業行動がどう変わり、それが雇用や経済活力にどのように及ぶのか、マクロ経済全体としての思考が必要 だ。そのうえで、消費税と法人税のどちらでより多くの税収を確保することが、国民全体にとってより好ましいことなのかを議論しなくてはいけない。
ただ、残念ながら、現実の税に関する議論は小学生レベルの単純な見方が強い影響を及ぼしがちである。それゆえ、日本ではなかなか消費税率を上げることができなかった一方で、法人税率は世界有数の高さのままなのである。 』というような事を書いていたが、まさに東大話法、「原発神話」並みの低俗なたとえだ。そもそも、経済の仕組みは複雑で、愚民には理解できないのだから、黙って偉い人の言うことを聞け、彼はそのように東大で教鞭をとっている。
自分の専門分野が、高尚で複雑だと云うような男は、実は経済を知らないのだ。如何に複雑なものを、本質を変えずに単純化してこそ、学者である。複雑でもないものを、一層複雑にして、複雑さ混入の過程において、様ざまな思惑的利益技法を埋め込むのが、役人や東大教授らの宿命なのだろう。たしかに、税は一体的な議論が必要なのは当たり前。ただ、経済や税体系の議論の前に、そのかき集める税の、再配分について、明確な社会的コンセンサスが必要だと云う根っこが、彼の論から抜け落ちている。つまり、スタートから、彼は詐術の枠組みでコメントしている。最低な奴だ。考えが単純なのが間違いなのではなく、その議論のテーブルに就く前、前提となる社会が、どのような社会であるか、そのベースロード社会の議論が必要だ。
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