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2014年06月05日 「ジャーナリスト同盟」通信
<日本に「言論の自由」はない>
日本に言論の自由はあると信じた若者は、中央大学法学部での憲法講義でそれを確認したのだが、新聞記者を止めてフリーランス・ジャーナリストとして本気で権力の不正・腐敗を追及する本を書いた途端、憲法が生かされていないということを悟らされた。日本に言論の自由はない。真実を書こうとすると、大きな壁にぶつかる。その壁を押し倒して先に進もうとすると、糧道を断たれてしまう。かれこれ10年以上になる。幸い、わずかな年金が入って、それで生きている有り様である。しかし、ワシントン分析の安倍・国粋主義政権に屈するわけにはいかない。元三菱の原発技術者が同じ認識をメール送信してきたついでに、自ら体験した事実を列挙しようと思う。
<平成の妖怪 大勲位・中曽根康弘>
確か2003年だったと思う。「平成の妖怪」本を書いた。勇気ある健友館が出版したところ、間もなく倒産してしまった。
勇気ある編集者の要望に応じたものである。中曽根やナベツネ、児玉誉士夫らの改憲軍国主義の野望を、真正面から取り上げた。恩師・宇都宮徳馬は「昭和の妖怪」である安倍の祖父に対して、生涯抵抗していた。彼の教訓を学んでいたからである。
「平成の妖怪」は宇都宮の墓前に捧げる本だった。
要は国家主義・国粋主義批判である。誰も指摘しないことに対して、正義の主張を貫いたのだが、その反動は大きかった。「日本に言論の自由はない」ということを思い知らされた。同時に、いい仕事をした自分を誉めたものである。
<出版社倒産「出版の自由」の侵害>
健友館という小さな出版社の編集長は勇気ある人物だった。共に月刊誌「月刊タイムス」に寄稿していた関係である。彼も「平成の妖怪」に怒りをみなぎらせていたリベラル派だった。意気投合して立派な本に仕上がった。
だが、中曽根は国家権力を悪用して、次々と牙を向けてきた。健友館の運命を左右しただけではなかったのだ。日本国憲法が保障している「言論・出版の自由」にも斬りつけてきた。
<テレビ出演封じ「表現の自由」侵害>
気がつくと、テレビ出演での政治評論が無くなってしまった。中曽根とナベツネの連携であろう。1993年に書いた「アメリカの大警告」(データハウス)では、ナベツネの改憲論を真っ向から批判した。これを当時、首相だった宮澤喜一が絶賛するはがきを自宅に書いてよこした。
リベラル・護憲派の宮澤を、中曽根もナベツネも嫌っていたのだろう。極右の連携である。そういえば、1度だけ日本テレビの取材を受けただけである。
<大学講座を閉鎖「学問の自由」封じ>
二松学舎大学の「現代マスコミ研究」の講座を担当していたが、これが突然閉鎖された。この講座には学生が一番集まってくれた人気講座だった。
実と言うと、読売新聞でナベツネの先輩だった多田実が、筆者を後継者にするために用意してくれた講座だった。人気講座に彼も喜んでくれていた。
しかし、中曽根の陰謀は大学にも及んだ。「学問の自由」への侵害である。
<自民党関係講演依頼ゼロ>
政治評論家として生きる手立ては、自民党本部や支部、それに自民党国会議員の後援会で講演をすることだった。どういうわけか、野党議員での講演は経験がない。もっぱら自民党関係で、そこでさりげなく国家主義・右翼批判をして、右傾化にブレーキをかけたものだ。
一番頼りにしてくれた国会議員は、三木武夫夫人の実弟・森美秀だった。同じ千葉県人として木更津から車で鴨川に出れば、会場が待っていてくれた。楽しい思い出がある。ここでハマコー批判をばんばんやると、支持者が喜んでくれたものだ。
しかし、その自民党からの講演依頼が無くなった。これには参った。
<内外情勢調査会講師の自然消滅>
時事通信が運営している内外情勢調査会の講師も、いつの間にか外されてしまった。完全に糧道を断たれてしまったのである。
こんな恐ろしい日本に初めて愕然とさせられた。だが、これに屈するわけにはいかなかった。理由はジャーナリストだからである。「権力に屈するな」が宇都宮の遺言である。
中曽根とナベツネは、いうなれば権力と言論を束ねて実権を握ってきている。改憲軍拡狙いだ。そして彼らが原発推進者であることも発覚している。東芝・三菱・日立など財閥とも連携していた。安倍支援に狂奔する読売でもあるが、2人とも高齢には勝てない。
子分だった衆院議長が原発反対を言い出している。時代は動いている。1%が暴走する日本に主権者も気付いてきた。そんな時、原子炉技術者の藤原節男が「日本は自由にものを言えない抑圧社会」を参考資料として送ってきた。長文だが、添付したい。一読してもらうと、日本社会の不条理がわかるだろう。
2014年6月5日記
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