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高市早苗・自民党政調会長
自民党、外資誘致と企業の海外進出等を政府に提言、防衛生産も重視 高市政調会長に聞く
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140605-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 6月5日(木)3時0分配信
自民党が5月23日、「日本再生ビジョン」と「日本経済の力強く持続的な成長に向けた総合政策集2014」を発表した。6月末に発表される政府の成長戦略に対して、党から提言するものだ。5月30日には新しいポスタ―を発表し、キャッチコピーを「まっすぐ、景気回復。」として経済の牽引役をアピールする自民党だが、その内容はどのようなものか。政策責任者の高市早苗同党政調会長に聞いた。
--発表された2つの提言の特性を教えてください。
高市早苗氏(以下、高市) 「日本再生ビジョン」は自民党の日本経済再生本部でつくりました。本部長は私が務めており、党総裁の直轄機関です。日本経済再生本部は、(1)起業大国推進グループ、(2)金融資本市場・企業統治改革グループ、(3)労働力強化・生産性向上グループ、(4)女性力拡大グループ、(5)地域力増強グループの5つのグループで構成されていますが、その中の若い議員たちが、多くの人の意見を聞きながら面白いと思うものをまとめたものです。
安倍首相は1月のダボス会議で「終わりなき第3の矢」とおっしゃったわけですから、斬新なアイデアが盛り込まれているこの提言を、政府にはぜひとも参考にしていただきたいですね。
一方で「総合政策集2014」は、自民党がつくった経済政策集です。これまでは経済政策をつくる際には、経済産業部会や財政金融部会など、経済関連部会の関係者のみが関与してきました。それでは旧来と大差ないものになってしまいます。私はむしろ、経済とは無関係に見える部会、例えば法務部会や外交部会などから何が出てくるのかを見たいと思いました。そこで全部会を対象に、3月に1カ月の期間を設定して政策を募集したのです。それをとりまとめたものが「総合政策集2014」です。
●対日投資の促進と、企業の海外展開促進
--具体的な中身について教えてください。
高市 とても面白いものになりましたよ。例えば法務部会から出てきた「『法令外国語訳』の体制充実等による対日投資の促進」と「法的リスク支援の強化による企業等の海外展開促進」です。
私が最も重視してきたのが、日本の立地競争力の強化です。日本経済が復活するためには、外資の誘致や国際取引の活性化は欠かせません。ところが、これまで法制度の壁がそれを阻んできたのです。法令の外国語訳を所轄するのは法務省ですが、現行では翻訳の公開まで平均804日もかかります。また外国語訳が公開されている法令は330あまりにすぎません。これでは国際取引をスムーズに進めるのに十分な法律情報を提供しているとはいえません。
日本企業が海外に展開しようとする際にも、同じことが問題になっています。私の事務所にも地元企業から相談がありますが、貿易に関しては経済産業省、雇用契約については厚生労働省など、さまざまな役所に問い合わせなければならず、企業にとっては煩雑この上ないことになっています。
--海外に進出する日本企業に対し、政府がサポートする体制を強化するわけですね。
高市 それと同時に、国際的に活躍する法曹人材を育成する必要があります。国際紛争を解決する場に日本人が参画することで、日本の国際戦略を世界的に展開していくことも望めます。総務部会が提案している「日本型郵便インフラシステムの国際展開」も、相手国との関係強化のみならず、関連産業を生み出し、日本にとってのビジネスチャンスの拡大に繋がる可能性があります。
その他、今はまだ市場は小さいけど将来に希望が持てる分野も重要です。例えば航空宇宙や海洋資源開発などですね。放射能廃棄物処理についても、これから世界的に市場が拡大していくでしょう。国防部会が提言している防衛生産も注目に値します。電子レンジやインターネットなど、軍事技術が民間に転用され、重要な産業になった事例は多くありますから、可能性は大きいと思います。
このように「総合政策集2014」は、党議員全員参加のいわば「オール政調」でつくった政策集で、みんなの知恵が凝縮したものです。これで一歩でも二歩でも進めて、日本の復活を実現したいですね。
構成=安積明子/ジャーナリスト
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