http://www.asyura2.com/14/senkyo166/msg/265.html
Tweet |
〔PHOTO〕gettyimages
官々愕々 医師と官僚「癒着の構造」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39371
2014.05.31 古賀茂明「日本再生に挑む」 週刊現代
5月11日から14日にかけて、朝日新聞が、診療報酬の「不適切」請求にまつわる厚生労働省と医師会などとの癒着問題について、3回にわたってスクープ記事を掲載した。集団的自衛権の報道でかき消されてしまった感があるが、医療をめぐる癒着と不正の構造が堂々と生き残っていることを示す重要な報道だった。
話は複雑で、指摘したいことは数多いが、ここではいくつかの事実関係を紹介してどうやって利権が守られるのかをみてみたい。
まず、厚労省の地方出先機関である全国7つの厚生局及び四国支局は、「不適切請求」の疑いがある8000の医療機関のうち、およそ半数を放置していたという。15%程度しか調査していない府県もあるというから驚きだ。不正請求の情報があるケースやすでに問題ありとして指導したのに医療機関側が従わなかったケースなど、保険料を取られている国民からみれば、すぐにでも乗り込んで不正請求した診療報酬を返せと言いたいと思うものばかりだ。しかし、厚生局はこれを今も放置している。
この記事を読んですぐに気づいたのは、独特な言葉の言い回し。そこには官僚の思惑がある。
たとえば「不正」請求の情報があるのに、「不適切」請求の疑いがあると言い換える。不適切だが不正かどうかはわからないと言いたいのだ。また、「指導したが改善がない」という言葉。本来は、指導など不要で、即お縄にすればよいはずだ。
健保組合側が証拠を揃えて調査を要求したのに放置された例まである。不正請求なのに診療報酬を返せと言わず、改善して下さいと「お願い」をしているだけなのに、対外的には「指導」というアリバイを作る。これで、何かやっているように聞こえる。実は、不正請求分の返還を求めるには調査ではなく「監査」が必要だが、監査は滅多なことではやらず、「調査」と「指導」でお茶を濁す。「調査」をして「指導」。それに従わなくても再「調査」。さらに続けても、まだ、「監査」。よほどのドジだけが役所のアリバイのために捕まることになる。
個別指導を行う際には、医師会や歯科医師会が指定した医師が立ち会うと厚労省の法令で決まっているのも驚きだ。当然ながら、立ち会う医師は、不正を認めないように立ち回るという。厚労省のルール自体が、医師のためのものになっている。
もちろん、医師だけではなく、官僚にも甘い仕組みになっている。医療費請求の適否を審査する仕事を請け負う社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会という2つの団体は、いずれも厚労省や自治体の天下りや現役出向の受け入れ先となっている。給与は公務員より高く宿舎も完備。事業仕分けで両組織の統合が提案されたが、厚労省は完全無視。法律では、人件費などの経費をそのまま審査手数料として請求できることになっている。2団体が見つける医療費の削減額はわずか600億円。一方、2つのシロアリ団体に払う審査手数料は1200億円。600億円のボッタクリだ。
さらに、国保連が審査をした後、市町村が漏れがないか行う再点検を、また国保連に委託している市町村が31都府県で存在することも判明。国保連は、自分で見落としたものを再点検して手数料をもらう。二重取りだ。
どこまでも医師と官僚のための仕組み。この仕組みの温存の見返りに、自民党は医師会などの政治献金と票を当てにしてきた。見事なまでの政官民癒着の構造である。
これから、規制改革会議がこの癒着の構造にどこまで切り込めるか、見ものである。
『週刊現代』2014年6月7日号より
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK166掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。