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2014年 05月 31日
安倍首相が、集団的自衛権の行使の解釈改憲に関して、だんだん切羽詰った状態に追い込まれている。(@@)
首相はこれまで、オモテ向きは「結論やスケジュールが、先にありきではない」と語り、自公の与党協議の慎重な議論を見守るかのような姿勢を見せていたのだけど。
29日の参院外交防衛委員会では、ついに「12月の日米ガイドライン改定までに、方針が固まっていることが理想的だ」と語り、やんわりとながらも、公明党+αにデッドライン(締め切り)が迫っていることを示した。^^;
『安倍首相は29日午前、参院外交防衛委員会での安全保障政策に関する集中審議で、年末の日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定に間に合うように、集団的自衛権の行使容認を巡る与党協議が早期合意することに期待を示した。
首相は、20日から始まった集団的自衛権を巡る与党協議について「スケジュールありきではない」としたが、「日米間で、年末までに日米防衛協力の指針の見直し作業を完了することで合意している。それに間に合うように方針が固まっていくことが理想的だ」と強調した。政府・自民党内には、行使容認を新ガイドラインに反映させるため、今夏までの閣議決定を目指す声が強い。(読売新聞14年5月29日)』
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安倍首相は、昨年2月に訪米した際に、オバマ大統領との首脳会談の中で、自分の政権で集団的自衛権の行使を容認する意向を伝達。
また、首相は、今年4月に日本で行なった日米首脳会談後の会見で、わざわざオバマ大統領が「集団的自衛権の行使を検討していることを歓迎、支持する」と語ったと報告した。^^;
安倍首相は、オバマ大統領に12月に予定されている日米ガイドライン改定までに解釈改憲の閣議決定を済ませておくと、お約束してしまっているのである。(~_~;)
『米政府が安倍政権に対し、改定作業中の日米防衛協力指針(ガイドライン)に集団的自衛権の行使を前提とした内容を盛り込むには、憲法解釈変更の閣議決定が改定前に必要だと主張していることが27日、分かった。日本側に慎重な国内調整と意思統一を促す狙いとみられる。両政府は指針の年内改定を目指しているが、憲法解釈変更に関する自民、公明両党の調整が長引けば、改定作業が来年以降にずれ込む可能性がある。
関係筋が明らかにした。安倍晋三首相は、尖閣諸島をめぐって対立する中国に対抗するには新たな指針に基づく日米同盟の強化が不可欠とみている。首相が自民党執行部に、秋までの公明党説得を指示して決着を急ぐ背景には、集団的自衛権の行使を反映した指針の改定作業を年内に終えたいとの意向があるとみられる。自公協議の行方に影響を与えそうだ。(共同通信14年5月28日)』
日米ガイドラインというのは、両国の防衛協力の指針のことで。自衛隊と米軍が一緒に軍事活動を行なう範囲や、それぞれの役割分担などを具体的に決めるものだ。(-_-)
安倍内閣は、昨年10月の2プラス2(外務・防衛閣僚の協議)で、今年12月までにガイドラインを改定することで合意。今、両国で改定の準備を進めているのだけど。日本が「集団的自衛権の行使容認」をすることを前提にして、改訂作業が行なわれているのではないかと思われる。^^;
しかし、安倍首相は、当初は13年内に、遅くとも今年春頃までに、解釈改憲を実行に移すつもりだったのに、公明党の抵抗が強かったため、与党協議さえ行なえず。しかも、ようやく5月から与党協議を始めたものの、なかなか協議が進展せず。
もしこのままズルズルと解釈改憲&法改正が遅れれば、年内のガイドライン改定が不可能になる上、米国からの信頼を損ない、また日米関係の悪化を招きかねないことから、かなり焦って来ているのである。(~_~;)
<安倍首相は、先週、WSJのインタビューで、集団的自衛権の行使に関して「国民には理解しにくい課題であり、強い反対があることは認めざるを得ない」と語っていたのだが。
mewは、もしかしたら、これは解釈改憲実現が難航していることへの米国向けのエクスキューズ(釈明)の意味合いもあるのかな〜と思ったとこもあったりして。
(関連記事『安倍が「国民は集団的自衛権に反対」と語る・・・http://mewrun7.exblog.jp/22056689/』)>
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実は安倍首相には、前政権時に苦〜い思い出がある。(@@)
安倍首相が07年9月に、電撃辞任を発表したのは、病気のためではないのだ。^^;<ストレスにより病状が悪化していたものの、それがメインの理由ではない。>
首相が辞任した最大の理由は、1・参院選惨敗で、党内の求心力が低下し「安倍おろし」の動きが起きたこと、2・ブッシュ米大統領との約束が守れず、米国に責任を追及された&見放されたことにあったのだ。(~_~;)
安倍首相は07年4月に訪米した際に、ブッシュ米大統領との首脳会談の中で「テロとの戦い」に強い支持を表明し、日本も最大限の協力をすると意欲を表明。インド洋の海上自衛隊の給油活動の継続を約束すると共に米国の目指す「テロとの戦い、当時、米国が強く求めていた「集団的自衛権の行使容認」や「海外派兵」の実現を目指すことにも言及したと言われている。<アフガン派兵にも意欲を示していたという話も。>
首相は、その実現への意気込みを示すために、訪米前に、首相官邸に集団的自衛権の行使&安保活動に関する有識者会議を設置してみせたほどだった。^^;
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ところが、安倍自民党は07年7月の参院選で惨敗したことから、海自の給油活動の継続(法改正による活動延期)がほぼ不可能に。<小沢民主党が反対の立場を表明。自公の中にも法案の中身の改正を求める声が。>また、集団的自衛権の行使などの軍事強化策を進めることも困難になった。
で、安倍首相は9月にオーストラリアで行なわれたAPEC首脳会議の際に、ブッシュ大統領と首脳会談を行なったのだが。この時に約束を守れなかったことを強く責められ、首相辞任を覚悟せざるを得なくなったのである。<首脳会談後の会見では、目がオドオドしていて、まともに話ができず。「テロ特措法の延長は対外公約だ。私の責任で職を賭して行なう」言いつつも、「職責にしがみつくことはない」と辞任を示唆したんだよね。>
安倍首相は帰国した日に、とりあえず所信表明演説を行なったものの、小沢民主党がすぐにテロ特措法延長に協力する見込みが乏しかったため、同日には既に周辺に辞任を示唆していたとのこと。
そして、その2日後に急に辞任を発表したのだった。(@@)
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そのような経緯もあって、安倍首相は前政権でのリベンジを果たすべく、今政権での「集団的自衛権の行使容認」&「解釈改憲」に並々ならぬ意欲を抱いているのであるが・・・。(-_-;)
もし今政権でも、お約束した解釈改憲が実行に移せず、日米ガイドライン改定が延期されることにでもなれば、安倍首相は、米政府からまた約束を実現できない首脳だと批判され、信頼を失い、その責任を問われることにもなりかねない。(~_~;)
<少なくとも安倍首相の中には、前政権のトラウマがあると思うのよね。^^;>
オバマ大統領は、ブッシュ前大統領ほど強硬的なタイプではないとは思うものの、もともと安倍首相のことを好んでいないし。
それでも、オバマ政権は、軍事予算の削減をカバーしたり、中ロの動きをけん制したりするために、早く日米が協力しての新たな安保体制を築きたいという考えが強いので、その点で軍事強化を目指す安倍政権には期待をしているのだけど。でも、日米ガイドライン改定が延期されれば、安倍政権への失望が大きくなるだろうし。日米関係がまた悪化するおそれが大きいのである。(~_~;)
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どうやら、米国側も少しずつ安倍政権に圧力をかけ始めている様子。^^;
上の「政府筋(?)」による記事もその一つだと思うのだけど。先週には、米国防族が、早期の閣議決定をせっつくような発言をしている報道記事が出ていたし。
<河合克行氏は、安倍首相の側近で。先月も、集団的自衛権の行使の件で、訪米したばかり。>
『米知日派のアーミテージ元国務副長官とキャンベル前国務次官補は20日、集団的自衛権の行使容認に関し、6月22日に会期末を迎える今国会中の閣議決定が望ましいとの考えを表明した。グリーン元国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長も19日に同様の認識を示した。アーミテージ氏は「6月22日までの閣議決定を百パーセント支持する」、キャンベル氏は「非常に望ましい」と述べた。3人と個別に会談した自民党の河井克行前衆院外務委員長と、みんなの党の中西健治政調会長が明らかにした。(産経新聞14年5月22日)』
また、安倍首相は、昨夜、シンガポールでヘーゲル米国防長官と会談を行ない、集団的自衛権の行使や日米ガイドラインに関しても、話をしたという。
『安倍晋三首相は30日夜(日本時間同)、訪問先のシンガポールで米国のヘーゲル国防長官と会談。年内の日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定と、在日米軍基地再編や沖縄の負担軽減を着実に進める方針を確認した。
首相は集団的自衛権の行使容認に向けた与党協議について説明し、ヘーゲル氏は「歓迎し支持する」と改めて表明。中国の海洋進出を念頭に「力による現状変更の試みは許されず、国際社会が一致したメッセージを出し続ける必要がある」との認識を確認した。(毎日新聞14年5月31日)』
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石破幹事長も、当初は公明党の立場に配慮して、慎重に与党協議の議論を進めることに理解を示していたし。
まずは、喫緊の課題であるングレーゾーンや国際協力関連の協議や法改正を優先させる意向を示していたのだけど。進み具合が遅いことに、イラ立って来ているようで。
しかし、30日の会見では、改めて集団的自衛権の行使に関する事例も含めて、今国会内に与党協議の結論を出すことに意欲を示し、協議を加速させるために議論の時間を増やすことを提言したという。^^;
『自民党の石破茂幹事長は30日の記者会見で、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更について「今国会の会期内を一つのめどとし、そこに向けて議論が進展するよう努力したい」と述べた。また、公明党との協議を加速させるため、協議時間の延長や開催頻度を高める必要性を指摘し、次回6月3日の与党協議で座長の高村正彦副総裁(自民党)が公明党側に提案するとの見通しを示した。
与党協議は週1回のペースで、これまで2回開催し、各1時間程度だった。自民党は週2回か、1回約2時間に増やすことを想定している。公明党の井上義久幹事長は30日の記者会見で「自民党から話があれば検討したい」と述べるにとどめたが、党内には理解を示す声が広がっている。(産経新聞14年5月30日)』
さらに高村副総裁も、公明党に同様の要請をしたと報じられていた。
『政府・自民党側には、慎重な議論を強調する公明党が、引き延ばしを図っているのではないかという疑念がある。自民党の高村正彦副総裁は公明党の北側一雄副代表に、与党協議の開催回数の増加や1回あたりの時間の延長を打診した。(毎日新聞14年5月30日)』
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この辺りは、別立てで書きたいのだが。mewは、安倍首相が、ここから自分の支持率や求心力が低下して、党内や公明党の抵抗が強くなるのを、かなり気にしているのではないかと思うところがある。(@@)
首相が、昨日、北朝鮮が拉致問題の再調査で合意したことを発表したのは、解釈改憲を実現するために、政権の再浮揚や求心力アップをさせる意図もあったと思うし。
維新の会の石原・平沼陣営が、この時期に分党を発表したのも、いざとなれば、公明党に代わって連立政権を組む政党の準備を進め、公明党にプレッシャーをかける目的があるのではないかと思うところもある。^^;
<自民党は衆院では単独過半数をとっているものの、参院は、単独過半数に足りず。石原・平沼新党が参院で7人の議員を集めることができれば、公明党抜きでも、自民党と合わせて過半数をとることができるです。^^;>
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しかし、公明党も負けてはいない。(**)
29日には何と漆原国対委員長が、TV番組で連立離脱の可能性を示唆したという。
『 漆原氏は公明党幹部の中では、最も自民党とのパイプが強いと言われている人であるだけに(自民の大島氏との自称・悪代官コンビで有名)、漆原氏がTVでこのような発言を行なったことには、大きな意味があるように思われる。(~_~;)
『公明党の漆原良夫国対委員長は29日夜のBS11番組で、集団的自衛権の行使容認問題をめぐる政府、自民党との対立が先鋭化した場合に連立政権から離脱する可能性を否定せず、安倍晋三首相をけん制した。「(公明党の)山口那津男代表は『連立離脱はない』とは言っていない」と述べた。
その後、都内で記者団に「政党の違いはあるが、その溝は必ず乗り越えられる」と強調した。
漆原氏は番組で、集団的自衛権の行使を可能にして日本人の命を守るとする首相の主張に関し「集団的自衛権は同盟国を応援するものだ。日本国民を守るためというのはちょっと違う」と疑問を呈した。
首相が二十九日の参院審議で、行使容認の憲法解釈変更を年末の日米防衛協力指針(ガイドライン)改定までに閣議決定したいと表明したことに関しても「国民の理解が十分得られるまで審議すべきだ」とくぎを刺した。(共同通信14年5月29日)』
『公明党の山口那津男代表はこれまで記者会見などで「政策の違いだけで連立離脱はしない」とする一方、「あまり乱暴なことをすれば与党の信頼関係を崩す」などと発言していた。漆原氏は、山口氏の発言について「代表は『連立離脱はない』とは言っていない」と強調。また「離脱しないよう努力し、(自公の)溝は乗り越えられるという思いだ」とも述べた。
漆原氏はこれに先立つBS11の番組で、「我が国は50年以上、憲法9条で海外で集団的自衛権を行使しないと精緻な論理で宣言してきた。その経緯を一切無視し、たった一国会で、たった19名の閣僚が閣議決定するやり方で国柄が変わるのは、国民が納得しない」と慎重論を展開した。(毎日新聞14年5月30日)』
『公明党の漆原良夫国対委員長は29日、政府・自民党との対立が深刻化した場合、連立政権からの離脱も排除しない考えを示した。漆原氏は30日、山口那津男代表と井上義久幹事長に「迷惑をかけた」と電話したが、公明党幹部は「党の姿勢は漆原氏の発言通りだ」と指摘する。山口氏は30日の福岡市での講演で「国民の理解をきちんと求め、納得してもらうのが重要だ」と慎重な議論を求めた。(同上)』
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この漆原発言に対して、『菅義偉官房長官は30日の記者会見で、漆原氏の発言について「山口代表は『離脱しない』と(言っていると)理解している」と静観する考えを強調した。一方で「与党がずるずる結論を先延ばすことはないだろう」とも述べ、クギを刺した(同上)』『自民党の脇雅史参院幹事長も会見で「まともに受け止める必要はない」と語った(産経30)』とのこと。
でも、mewは、本当は自民党の中に、冷えた人たちが少なからずいるのではないかと思うし。公明党は、どんどん強気で押した方がいいのではないかと考える。(**)
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実際、もし公明党がここからずっと粘って、安倍内閣が年内に解釈改憲を実行できなければ、安倍首相は大きなピンチに陥り、辞任に追い込まれる可能性も出て来ることになるわけで。ここは、何が何でも公明党(+自民党の慎重派)に 頑張って欲しいところ。 o(^-^)o
もし安倍内閣の支持率がどんどん低下したり、世論調査で解釈改憲に反対する意見がさらに多くなったりすれば、公明党や自民党の慎重派も強気で対峙しやすくなるわけで。
それゆえ、ここから何とか世論調査で安倍首相に不利な数字が出るように、より多くの国民が解釈改憲に反対や疑問の声を呈するように、さらなるアピールを続けて行きたいと、改めて強く誓うmewなのだった。(@@)
THANKS
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