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「日本版ロースクール制度」の大失敗
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150605/1
2014年5月31日 日刊ゲンダイ
これも小泉 竹中構造改革
労働時間の規制が緩和され、残業代をゼロにする新制度が導入されるようだ。当初は高報酬の為替ディーラーやIT技術者などに限定されるそうだが、なし崩し的に拡大するのは間違いないだろう。派遣労働の拡大でワーキングプアを生んでもなお、規制改革の推進を主張する人たちは、労働環境の見直しに取りつかれているらしい。
改革推進派が手本とするのが米国である。日本は悪いから変えなければダメで、米国と同じにするのが正しいとの考え。アメリカナイズこそがベストという発想だ。日本の良さに目を向け、そこを伸ばしていくというアプローチは採用されない。だから、次々にボロが出てきている。
地元広島の旧藩校「講学所」を起源とする広島修道大学が、法科大学院について、来年度から募集を停止すると決めた。中四国地方では、島根大や香川大・愛媛大連合と、法科大学院に見切りをつけるケースが相次いでいる。募集を続けるのは、広島大と岡山大の2校だけとなった。
法科大学院は、「日本版ロースクール」と呼ばれている。名前から分かるように、米国を参考にしたものだ。米国流の訴訟社会が日本にも定着するとの前提に立ち、法曹の質を維持しながら司法試験合格者を大幅に増やすためには、専門の教育機関が必要だとして設置された。小泉竹中構造改革の一環で導入され、2004年からスタートしたのだ。
だが、10年後の今、制度は事実上破綻している。募集の廃止や停止の動きは広島の周辺に限らない。全国で20近くの法科大学院が、すでに継続断念を決めている。その一方で、法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が得られる「予備試験」を目指す受験者は増え続けるばかり。今年は、予備試験の受験者数が、法科大学院の受験者数を上回る事態を招いた。大学生が、予備試験を通過して司法試験に合格するケースもあるようだ。
司法改革の問題点は、法科大学院だけに限らない。司法試験合格数の拡大は、弁護士余りの現象を生んでいる。就職先が見つからず、経験ゼロで形ばかりの事務所を立ち上げる新米弁護士も珍しくないようだ。米国流の司法改革が日本の司法を取り巻く環境をグチャグチャにしたのである。
小泉竹中改革の失敗は1つや2つではない。ところが安倍政権は、当時と同じような構造改革を推し進めようとしている。いい加減、アメリカナイズが幻想だと気づくべきだろう。
【高橋乗宣】
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