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2014年 05月 30日
昨日29日の夕方、安倍首相がわざわざ緊急のぶら下がり会見を行ない、北朝鮮が拉致問題の再調査を行なうと約束したと発表した。(@@)
『安倍晋三首相は同日夕、首相官邸で記者団に、「北朝鮮側は拉致被害者および拉致の疑いが排除されない行方不明者を含めすべての日本人の包括的、全面調査を行うことを約束した。特別調査委員会が設置され、日本人拉致被害者の調査がスタートする」と述べ、再調査の開始を発表した。
そのうえで「すべての拉致被害者の家族がご自身の手でお子さんたちを抱きしめる日が来るまで私たちの使命は終わらない。全面解決へ向けて第一歩となることを期待している」と強調した。(毎日新聞14年5月29日)』
<しかも、何と北朝鮮も昨日の夕方、超異例なことに、この合意内容をTVで公表していたです。>
26日からストックホルムで行われた日朝外務省局長級協議で、北朝鮮が日本人拉致被害者の「包括的かつ全面的」な再調査の実施するために「特別調査委員会」を設置することを約束し、合意文書まで交わしたとのこと。<ただし、署名はされていない>
「拉致問題は解決済み」としてきた従来の主張を修正。再調査の対象には、政府認定の拉致被害者17人のうち行方不明の12人と、警察庁が認めた拉致の疑いがある特定失踪者860人も含まれ、日本人の生存者が発見された場合は「帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じる」ことに同意している。(++)
日本政府は、その見返りとして、再調査の実施を確認した上で、北朝鮮に対して行なっている制裁措置の一部((1)人的往来の規制措置(2)送金などに関する規制措置(3)人道目的の北朝鮮籍船舶の入港禁止措置)を解除することをを約した。(・・)
安倍首相は、29日に帰国した外務省の伊原純一アジア大洋州局長の報告を受けて、菅官房長官、岸田外相、古屋拉致問題担当相を交え、首相官邸で関係閣僚会議を開き、合意文書を了承。
自ら官邸の記者団の前で、合意内容を発表することにしたという。^^;
* * * * *
<日本がとる行動措置>
・日朝平壌宣言にのっとって、懸案事項を解決し、国交正常化を実現する意思を改めて表明
・調査開始時点で、人的往来の規制や人道目的の北朝鮮籍の船舶の日本への入国禁止措置を解除
・日本人の遺骨や墓参について協議
・在日朝鮮人の地位に関し協議
・適切な時期に北朝鮮に人道支援の検討
<北朝鮮がとる行動措置>
・全ての日本人に関する調査を包括的、全面的に実施
・全ての機関を対象とした調査をできる権限を付与された特別調査委員会の設置
・拉致被害者、行方不明者に対する調査状況を日本側に随時通報
・生存者が発見された場合、帰国させる方向で協議
・調査確認のため日本側関係者の北朝鮮滞在、関係者との面談の実現
(毎日新聞14年5月30日より)
* * * * *
mewは、かねてより拉致問題の早期解決を望んでいたので<被害者自身も、その家族も高齢化していることを考えると尚更に>、このニュースをきいて、本当に嬉しく思ったし。
拉致被害者に関する情報取得、解決のために、あらゆるチャンネル、手段を用いることを考えて欲しいと。安倍首相&仲間たちが、制裁主体の北風政策だけでなく、対話や歩み寄りなどの太陽政策も用いて欲しいと訴えていたので、今回、安倍内閣が現実的な解決を重視して、若干の方針変換を行なったことを評価したいとも思う。(・・)
<安倍首相は、これまで北朝鮮に対しては、ひたすら強硬策をとることを主張していたのだけど。昨年には、内閣官房参与の飯島勲氏を訪朝させたり、第三国において様々な形で日朝間の交渉を行なったりしていたようだし。3月には横田夫妻と孫娘が面会することをOKして、実現させていたしね。
最近は、被害者の家族からの信頼や期待が薄れているところもあったので、それを挽回したいという思いもあったかも?^^;>
* * * * * ☆
安倍氏は、父・晋太郎氏(元衆院議員・外務大臣)の秘書時代から、拉致被害者の相談に乗って、その解決に尽力していたし。もともとは心優しい人ゆえ、被害者家族が高齢化している&大変な思いをしているのを見て、よく言えば、たとえ多少の方針変換をしてでも、何とか早く解決しなければという思いを強くしていたところもあったのではないかと察するのだが・・・。
<とはいえ、mewとしては、安倍氏らの保守派が中心になって作っている拉致議連が、本当に被害者の早期救済を考えていたのなら、他の自民党の首相や民主党政権の時にも、もっと協力して欲しいという思いがあったのだけど。批判したり、ジャマしたりしちゃっていたのは残念。(-"-)>
ただ、安倍首相&周辺は、政権発足当初から、今政権で拉致問題の解決を進めて(うまく行けば訪朝もして)、それを長期安定政権を築くための材料にしたいという思惑もあった様子。
そもそも安倍氏の名と顔が世間的に知られるようになったのは、小泉内閣の官房副長官を務めていた時に、小泉訪朝に同行したのがきっかけで。「安倍=拉致問題」というイメージが強いし。
小泉首相は、一時、支持率が低下したものの、訪朝や拉致被害者の帰国によって支持率を挽回し、長期政権化につなげたことも、その背景にあるのではないかと考える。(・・)
安倍首相&仲間たちとしては、ともかく安倍政権を少しでも長く保って、「集団的自衛権の行使」はもちろん、自分たちの手で、長年の悲願&大目標である「自主憲法制定(憲法改正)」「教育再生」や、その他の「戦後レジームからの脱却」を目指した安倍カラー政策を一つでも多く実現したいわけで。
それらを実現するためにも、拉致問題の解決は、彼らにとって重要なファクターになっているのではないかと思われる。(・・)
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mewとしては、拉致問題は早く解決して欲しいけど、安倍政権は一日も早く終わって欲しいという気持ちが強いので、すご〜く複雑な心境なのだけど・・・。(~_~;)
ただ、多くのメディアも指摘しているように、安倍政権がここで拉致問題の解決&支持率アップを焦るあまりに、判断を誤ることだけは、避けなければならないと考えている。(・・)
北朝鮮は、小泉訪朝の時にも国交回復や拉致問題に前向きな姿勢を見せていたものの、もはやその合意はなきものになっているし。08年にも再調査に合意したものの、それを反故にしているし。
また、北朝鮮が急に態度を軟化させた背景には、財政難や食糧難に加えて、日本と米国、韓国の関係を分断したいという思惑もあるのではないかと考えるからだ。(~_~;)
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北朝鮮の金正恩第1書記は、当初は韓国や米国に対して柔軟な姿勢を示していたのであるが。韓国の朴大統領は対北朝鮮強硬派。オバマ政権も、北朝鮮には厳しい見方をしており、米韓の軍事演習を強化していることから、北朝鮮は近時になって、またミサイル発射実験や核実験予告を行なうなど、強硬姿勢に転じるようになっている。(~_~;)
しかも、日本の安倍政権は、米国や韓国と関係が悪化していたのだが。対北朝鮮政策を講じるの必要性もあって、この3月末についに日米韓の首脳会談を行なうことに。<北朝鮮は、わざわざこの会談を行なっている時間に合わせて、ミサイル発射実験を行なったんだよね。>
また北朝鮮は、後見役である中国との関係も悪化している。
昨年12月には、中国と関係が深かったbQの張成沢氏を処刑した上、今年にはいって、国内の親中派3000人が拘束されて、山間部に追放されたとか、中国高官も北朝鮮訪問を断ったという話が報じられていたのだが。
中国側も、核放棄などの要請に応じず、同国への反発を強める北朝鮮に厳しい対応を行なっており、今年1〜3月には、北朝鮮に原油を全く輸出しなかったなんて報道も出ていたほど。
そこで北朝鮮としては、拉致問題を材料(エサ)に日本に接近して、制裁解除や支援を引き出すと共に(総連の確保も)、日米韓の協力体制を楔を打ち込みたいという思惑も抱いている可能性があるのだ。^^;
『北朝鮮には、安倍政権と交渉を進めることで、日米韓を分断し、中国をけん制する意図があるとみられる。特に、金正恩体制は、経済面での中国への一極依存から脱しようとしており、日本との国交正常化で得られる経済協力に期待している可能性は高い。
また、日本側が人的往来や送金などを規制する制裁の解除を確約したことも大きな要因だ。制裁解除で、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が活動しやすくなり、外貨獲得の手段が広がることになる。(時事通信14年5月29日)』
『八方塞がりの北朝鮮が日本との対話にかじを切りつつある時機を捉え、具体的な成果を上げてさらなる政権浮揚につなげたい思惑もあるとみられる。ただ、政府内からは「相当な賭けだ」(関係者)と先行きを不安視する声も漏れる。(時事通信14年5月29日)』
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安倍陣営は、もちろんそのことも警戒していて。4月末にオバマ大統領が来日した際も、拉致問題の対応に関して説明すると共に、横田夫妻らと面会する機会を設けて、米国の理解と協力を求めていたのだけど・・・。
今回の日本の制裁の一部解除には、微妙な反応を示しているとのこと。(~_~;)
<しかも、米議会の下院外交委員会は29日、対北朝鮮制裁を強化する法案を可決したばかりなんだって。^^;>
『米国務省のサキ報道官は29日の記者会見で、日本と北朝鮮が拉致被害者の再調査などで合意したことについて「同盟国と連携し、透明性を持って拉致問題の解決に取り組む日本の努力を支持し続ける」と述べた。
サキ氏は、日本から北朝鮮との合意に関して事前説明があったことを明らかにし、今後も連絡を取り合っていくと述べた。ただ、日本が対北朝鮮制裁を緩和することに対しては「(日本から)話を聞いていない」と述べ、言及を避けた。
一方、下院外交委員会は29日、対北朝鮮制裁を強化する法案を可決した。法案は北朝鮮によるマネーロンダリング(資金洗浄)や人権侵害などに関与している内外の個人・団体を制裁対象とし、北朝鮮の一層の孤立化を狙っている。(時事通信14年5月30日)』
『北朝鮮が日本人拉致被害者の再調査に応じたことについて、米政府は日本側に経緯や背景の詳細な説明を求める方針だ。米国は日韓中ロとの多国間協力で北朝鮮に制裁を科し、核・ミサイル問題の包括的な解決をめざすのが基本的な立場。再調査をきっかけに日朝が突出して接近し、北朝鮮への圧力が弱まることへの懸念もある。(日経14年5月30日)』
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韓国も、日米韓の足並みが乱れることを懸念しているようだし。
『韓国外務省は30日未明、韓国政府の立場を明らかにし、このなかで、政府の公式発表の直前に外交ルートで日本から連絡があったと明らかにしたうえで、「人道的な見地から拉致問題に対する日本政府の立場を理解する」と述べました。
その一方で「日米韓は北朝鮮の核問題について国際的な協力が必要だという共通認識を持っており、そうした点で今後の日朝の協議を見守る」と述べて、日米韓の足並みが乱れることへの警戒感をにじませました。
さらに、30日、日本政府から追加の説明がある予定だと明らかにし、詳細な説明を求める姿勢を示しています。韓国では、パク・クネ政権が北朝鮮に厳しく対処する姿勢を続けるなかで、日朝の協議が進むことへの警戒も根強く、今後の行方を慎重に見守る考えです。(NHK14年5月30日)』
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日経の社説まで、制裁解除に関しては、強い疑念や警戒心を示しているほどだ。
『「行動対行動」の原則を主張する北朝鮮を動かすには、一定の制裁の緩和が必要なことは理解できる。だが、人的往来の規制解除などに加え、人道目的とはいっても北朝鮮船舶の入港禁止を解除するのはいかがなものか。
制裁に苦しむ北朝鮮に物資や資金を流す秘密のルートとして利用され、国際社会による包囲網の抜け穴となる懸念があるからだ。入港禁止を解除するにせよ、二重三重の歯止めが不可欠だ。(日経・社説14年5月30日)』
<産経新聞も、『拉致再調査 全員の帰国だけが解決だ 結果見ぬ制裁解除を危惧する』というタイトルの社説(主張)を載せて、制裁解除の仕方に危惧を示していたです。>
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拉致被害者の家族は、このニュースに喜び、「今度こそ」と拉致問題の解決に大きな期待を寄せていたのだけど。
家族が高齢化していることから「これが最後のチャンスになるかも知れない」と語る人も・・・。<それをきいて、心がギュ〜ッとしてしまったです。>
ともかく拉致被害者やその家族、そして問題解決を願って来た日本の国民にとって本当に大事な&大きなチャンスになるだけに、安倍首相&周辺には、功を焦って安易に話を進めて、また状況を悪化させることがないように、注意深く慎重に慎重にコトを進めて欲しいと思うし。
また米国だけでなく韓国や中国などとの関係にも留意して、独善的にならず、いい形で他国の協力を得られるように配慮しながら、北朝鮮との交渉を進め、朗報をもたらして欲しいと、切に願っているmewなのだった。(@@)
THANKS
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