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最高裁長官の「世襲」に専門家「とても危ないと感じる」〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140529-00000000-sasahi-soci
AERA 2014年6月2日号より抜粋
2世のタレント、スポーツ選手、文化人など、さまざまな分野で「世襲」を目にする機会が増えた。この動き、最近では最高裁長官にまで及んでいる。
今年3月6日付の朝日新聞夕刊1面にこんな顔写真付きの記事が載った。
<安倍内閣は、任期途中の3月末で退官する竹崎博允(たけさきひろのぶ)・最高裁長官(69)の後任の第18代長官に、寺田逸郎(いつろう)・最高裁判事(66)を指名することを内定した。寺田氏の父は第10代長官を務めた故寺田治郎(じろう)氏。親子2代での長官就任は初めてで、戦後生まれの長官も初>
報道の通り、この最高裁判所長官人事は翌7日に閣議決定され、4月1日付で発令された。
最高裁長官といえば、国会、政府と並ぶ強大な国家権力をもつ裁判所のトップだ。そんな地位を、親子で務めるケースが出てきたのだ。
国会議員でも世襲のケースは多い。2012年の衆院選では、民主党は世襲制限公約を続けたが、自民党は骨抜きに。この年、国会議員を引退した福田康夫元首相と中川秀直元幹事長は、それぞれ息子が地盤を引き継ぎ、ともに当選を果たした。
それでも、国会議員は選挙で当選しなければ、議員にはなれない。その点では、世襲議員と呼ばれる人たちは、世襲に関して一定の国民の支持を得ていると考えられる。
寺田氏で特徴的なのは、まさにこの“国民の支持”という点だ。約30年という間隔をはさんでいるとはいえ、1組の親子が国民の了解も支持も得ることなく、司法の最高権力を手中に収めた。
「とても危ないと感じる部分があります」
格差や社会階層に詳しい橋本健二・早稲田大学教授は、最高裁長官の世襲についてそう話す。
「社会全体に影響する意思決定に関わる人は本来、多様な社会階層の出身であることが望ましい。一つの家族出身ということは、同じ文化を共有していたわけで、似たような価値観が司法判断にも反映されやすい。司法の硬直化がますます強まりかねません」
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