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AKB傷害事件と自殺者3万人超社会
http://tanakaryusaku.jp/2014/05/0009390
2014年5月27日 15:21 田中龍作ジャーナル
事件を伝えるワイドショー(27日、日本テレビ「ミヤネ屋」より)
アイドルグループAKB48のメンバー2人が25日、公演先で暴漢に傷つけられた。襲われた当人たちは恐怖に震えただろうし、身体ばかりでなく、心にも傷を負った。悲惨な事件だ。
マスコミは はしゃぎ まくって事件を伝えた。民放のワイドショーは、世界で起きていることはこれしかないような扱いだ。視聴率が取れるから当然とも言える。
NHKまでが大騒ぎしていたのには呆れた。トップニュースか準トップの取り上げ方なのだ。26日の朝7時のニュースでは2番目だが、4分30秒も取って伝えた。警察署前からの記者の立ちリポは民放のワイドショーか、と錯覚したほどだった。
かの大越キャスターが伝える「ニュース9」ではトップで10分間近くも報道した。NHKは国民の受信料で成り立つ。果たしてAKBが国民にとって最大の関心事なのだろうか?
NHKに問い合わせた。「ふれあいセンター」に回され、管理職とおぼしき男性が電話口に出た。男性職員との主なやりとりは以下の通り―
「集団的自衛権とかもっと大切な問題があるだろう?」
「いつも集団的自衛権がトップというわけではない。(ニュースのオーダーを)検討している」
「AKBがトップということは、昨日は他の問題より大きかったということか?」
「そういうことですね」
筆者はここでNHK批判をするつもりはない。マスコミはもっと他に伝えることがあるだろう、と言いたいのだ。
読売新聞は事件を一面で報道した(26日朝刊)。安倍首相とのオトモダチ度が深いメディアほど扱いは大きくなる。
自殺者は一昨年まで14年連続して3万人を超えた(警察庁統計)。この方がもっと悲惨ではないのか。知人の医師によれば、実際の自殺者は3万人ではきかない、という。10万人という説もあり、こちらの方が説得力がある。
不審死の遺体をきっちり調べる監察医務院があるのは東京23区、横浜市、名古屋市、大阪市、神戸市だけだ。他(日本のほとんど)の自治体は、警察登録医(主に開業医)が対応する。ところが本来の医療業務を抱える開業医では忙しくて手が回らない。
知人の医師はかつて関東のある県の病院で不審死の遺体を診ていた。彼は次のように話す。「大半の遺体は脳か心臓の病気で片づけていた。薬物中毒で死んでいるようでも、それに合った対応はできなかった。法医学が分かる開業医が少ないから。自殺の遺体は無限にあるはず」。
自殺の原因のトップは経済的理由だ。遺書もなく自らの命を絶つ人も、ほとんどは同じ理由と見られている。仕事がなければ食えなくなり住めなくなる。絶望のあまり死を選んでも何ら不思議はない。
派遣切りで職と住まいを同時に失った非正規労働者562人が2008年末、日比谷公園に 命からがら たどり着いた。いわゆる年越し派遣村である。「首を吊って死のうと思ったが死にきれなかった」。こう打ち明ける非正規労働者は、数えきれないほどいた。
マスコミは警察庁発表の数字を伝えるだけで社会の病理を告発しない。安倍政権が進める労働法制の緩和により病理はさらに深刻化するだろう。
安倍首相はASEAN首脳を招いた晩餐会(1月)でAKBの歌と踊りを披露するほどのファンである。安倍官邸に飼い慣らされたマスコミが、「自殺者3万人超」より「AKB傷害事件」を大きく扱うのは、自然な なりゆき なのだろうか。
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