集団的自衛権　新聞各紙誘導尋問で結論ありきの世論調査報道
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140527-00000006-pseven-soci
週刊ポスト　2014年6月6日号

　安倍政権が集団的自衛権の行使に向けて突き進む「解釈改憲」をめぐる議論が過熱している。メディアも連日、この問題について報じているが、大新聞では賛成派と反対派が真っ二つに分かれ、自分たちのイデオロギーを主張する格好の場とばかりに論戦を繰り広げている。その恣意的な報道は、国民の賛否を“操作”しようとするものなのだ。

　5月15日の安倍首相の会見翌日ただちに紙面で反対を鮮明にしたのが朝日と毎日だ。

　朝日は〈近づく　戦争できる国〉と国民の不安をかき立て、毎日も〈米国が始める戦争に限りなく付き合うことになるリスクを抱えていることも忘れてはならない〉と批判した。

　それに対して、“安倍応援団”として社論を掲げたのが読売と産経である。ただ、各紙とも本当に解釈改憲が必要なのかの議論を冷静に読者に問いかけるのではなく、いたずらに戦争の不安や他国の脅威を煽る報道によって、国民や政党を自社の主張に誘導しようという姿勢ばかりが目立つ。

　大新聞のご都合主義は、集団的自衛権行使に関する世論調査の数字にも表われている。最近の各紙の世論調査を比べて、唖然とさせられた読者は多いのではないか。

〈集団自衛権71％容認〉（読売5月9〜11日調査）
〈集団的自衛権70％「容認」〉（産経・FNN5月17・18日調査）

　解釈改憲賛成を主張する読売、産経はそろって約7割が容認しているという数字を出し、「政府・自民党からは公明党との与党協議の追い風になるとの見方が出ている」（読売）と報じた。

　それに対して、反対派の朝日、毎日は、〈「反対」56％〉（朝日4月19・20日調査）〈「反対」56％〉（毎日5月17・18日調査）と、こちらも数字の足並みを揃えて正反対の結果を報じたのだ。

　4紙とも自社の主張を国民が支持しているような都合のいい数字を出し、「こっちが国論だ」と主張している。

　世論調査は無作為抽出で行なわれる。朝日の調査に産経の読者が答える場合もあるし、逆もある。それなのになぜ、こんな結果になるのか。

　質問の仕方に秘密があった。朝日と毎日の質問項目は、賛成か、反対かの二者択一になっているが、読売と産経はどちらも集団的自衛権について「全面的に使えるようにすべきだ」「使えるようにすべきではない」の他に、「必要最小限度で使えるようにすべきだ」という選択肢が追加されている。

　必要最小限とは、「これだけはどうしても必要だ」という意味だ。そう質問されたら、多くの人は、“必要なんだろうな”と思ってしまう。最初から容認の答えを引き出そうとする誘導質問そのものだ。

　その証拠に、読売の調査は63％、産経では59％がこの「必要最小限」を選択しており、「全面的に使えるようにすべきだ」という回答は1割程度しかない。

　一方の毎日も、他の質問項目で、「日本が集団的自衛権を行使した場合、他国の戦争に巻き込まれるという指摘があります。あなたは巻き込まれる恐れがあると思いますか、思いませんか」（回答は「思う」が71％）という、集団的自衛権反対へと世論を誘導する露骨な質問をしているのだ。

コメント
01. 2014年5月27日 08:25:30 : YxpFguEt7k 孫崎享氏 「安倍首相・世論調査：間違った報道は糺すと言うかな。 26日 テレ朝ニュース「安倍内閣の支持率、12ポイント下落　ANN世論調査。先月の前回調査と比べて12.3ポイント下落。最低だった去年7月の46.4％を下回り、おととし12月の就任以来、最低。集団的自衛権憲法解釈支持しない44％」」 https://twitter.com/magosaki_ukeru/status/470824287402618881 もっと落としていきましょう。
02. 函館の犬。 2014年5月27日 13:04:40 : bhbAK3m6MJQx2 : W6hLrn3Juo 読売なんて調査しないで発表してるんだろ。政治部長と官房長官の談合だろ。
03. 2014年5月28日 00:44:57 : QBrYpzDGwo 　　本当に、政権のプロパガンダと化しているマスコミ。大体、安保法制懇談会など首相の諮問機関であり、言ってみれば政権党の理論武装のための研究会報告に過ぎない。にもかかわらず、あたかも一歩も二歩も論議が進んだかのように、スタートラインを前へ、前へと置いてしまっている。これは一にも二にも、マスコミが、規制事実でもあるかのように大々的に報道するためだ。 　　法制懇談会の報告など、本来は国民議会にて議論を始める上で初めて明らかにする資料であるべきが、記者クラブを私物化し、たまに飲み食いさせて懇意であるかのような関係つくりをする結果、このような内部資料も早々とリーク出来、駒を進めて置くのが政、財、官護送船団ムラの常套手段なのである。 　　叩き台を先に示し、その線に沿って国民的議論を始めようとするのだから、予備知識としてのサブリミナル効果は絶大であろう。誰もがこの報告を頭に入れてから議論に入ることになり、勿論我々自身も白紙から論じるような余計な努力が要らないのであるが、重大な問題を論ずる際にはこれは大きな落とし穴となろう。 　　グレーゾーンなどと言う言葉も同様である。既に誰もが「グレーゾーン」が所与の物であるかのように論じ始めているが、全く白紙で考えれば、「まだ外交交渉で充分解決できるゾーン」ということであり、グレーでも何でも無い。 　　「集団的自衛権」などという権利とやらも、手前勝手の主張だ。強盗に入られたら云々という百田あたりの主張があったが、もしその通りだとすると、山田家と田中家が手を組んで、「吉田家が強盗をしたら共同で殴りこみが出来る権利」を作ったということになるが、強盗は吉田家だけがするものであり、山田家と田中家は全くの善人である、という身勝手な前提に立っている。吉田家の知らない内に、山田家と田中家が「強盗をする吉田を殴る権利」を作っているのである。幾らなんでもそれはないだろう。 　　戦争というものが宣戦布告により火ぶたを切るのがルールであり、奇襲が認められないのと同様、外交交渉は勿論のこと、「集団的自衛権」というものも、自身に権利を賦与するのではなく、国家と名が付くところ全てが権利を持つべく、互いに権利、権限を賦与し合うというのが筋だろう。 　　とにもかくにも、政権党と官僚機構がマスコミを抱きこんで様々な私的資料を事前にリークし、あたかもそれに沿う以外の論が無いかのように国民全体を煽りこんでいることが、国の行く道を間違える元だろう。
04. 2014年5月28日 22:23:31 : H19UzkWpJY 日本の集団的自衛権行使は国民の排斥の対象 この間、日本の共同通信社が行った全国世論調査の結果によると、憲法解釈の変更による方法で日本の集団的自衛権を容認しようとする政府と自民党の動きに対して、応答者の過半数である51.3%が反対したという。 これは日本の現政権が重要な政策的課題に打ち出している集団的自衛権行使が日本の国民の排斥の対象になっているということを示すものである。 日本の国民が政府の重要政策に背を向けているのには理由がある。 日本の国民は、政府の集団的自衛権行使の動きが国を最終的破滅へ導く危険極まりない選択であるということを少しも疑わない。 日本の国民はすでに、戦争の苦汁をたっぷりなめている。日本軍国主義が強要した戦争は、アジア諸国の人民に甚だしい不幸と苦痛を強要したが、同時に日本の国民にも残酷な被害をもたらす結果を招いた。 にもかかわらず、日本の現政府が民心に逆行して集団的自衛権の行使をあくまでも推し進めようとする目的は、再び戦争を起してでも軍国主義海外侵略の目的を達成することによって、「大東亜共栄圏」の昔の夢をなんとしても遂げてみようとするところにある。 しかし、軍国主義海外侵略戦争の挑発は日本を永遠に立ち上がれない破滅の奈落へ導く自滅の道である。 日本の反動層は戦争に反対する国民の声に耳を傾け、危険極まりない政治的賭博を直ちに取り止めるべきである。 http://www.naenara.com.kp/ja/news/news_view.php?0+79289

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