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中国機接近でも宴席ハシゴ…首相の「国民の命守る」は方便か
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150495
2014年5月26日 日刊ゲンダイ
2人とも口先だけ/(C)日刊ゲンダイ
中国機が24日午前、自衛隊機の30〜50メートルにまで異常接近した。自衛隊機は東シナ海で行われている中国とロシアの軍事演習を監視していたという。それに対して中国機が緊急発進(スクランブル)し、際どい状況になったという。だが、そんな緊急事態にもかかわらず、安倍政権の対応はのんびりしたものだった。
■当日は大臣の「コメント」発表のみ
安倍首相は解釈改憲の検討を表明した15日の会見で、「東シナ海では、海上保安庁や自衛隊の諸君が、高い緊張感を持って24時間態勢で警備を続けている」とし、「いかなる事態にも対応できるよう、日ごろから隙のない備えをする」と訴えた。
まさに、その東シナ海の公海上空で、一触即発の事態が発生したのだ。現場は騒然となったはずで、職員や隊員は頭と体をフル回転で対応したことだろう。ただ、首相や防衛大臣の対応は、「隙のない備え」から程遠かった。
自衛隊機がスクランブルを掛けられたのは、24日の午前11時と正午ごろという。だが、防衛省で緊急の会議が開かれたのは夜になってから。小野寺防衛相は、深夜に「偶発事故の発生につながりかねない危険な行為だ」とのコメントを出して終わりだ。翌25日の午前になって初めて「常軌を逸した近接行動だ」と記者団を前に話したが、本当に異常なら、その日のうちにカメラに向かってメッセージを発信すべきだろう。
■2001年には米軍機と接触墜落
軍事評論家の神浦元彰氏もこう言う。
「中国機の行為は、悪質な嫌がらせです。レーダーを照射しロックオンしていないため、威嚇まではいかないが、衝突や接触の危険性はある。実際に2001年には、米軍機にスクランブルを掛けた中国機が接触し墜落しています。今回、中国軍の現場の兵士は<日本人に怖い思いをさせてやれ>と遊び半分だったのかもしれませんが、墜落すれば一大事。日本側の厳重抗議は当然です。ところが、防衛省の対応を見ると、当日は夜に事実関係の発表をしただけ。大臣が姿を見せて口を開いたのは翌日です。なぜ、当日ではなかったのか。政権の危機管理体制には不安を覚えざるを得ません」
15日の会見で「内閣総理大臣である私は、いかなる事態にあっても国民の命を守る責務があるはずだ」「みなさんのお子さんやお孫さんがいるかもしれない場所で、政府が何もできないということでいいのか」などとエラソーに言っていた安倍も緊張感ゼロ。
小野寺防衛相は「引き続き、しっかりした態勢を取っていただきたいと指示があった」と話したが、安倍が報告を受けたのは24日夜の会議のときだ。それまでは何も知らされていなかった。
実際、24日の安倍は、正午過ぎからお友達の根本復興相の長男の結婚披露宴に出席。夜にはホテルの日本料理店で知人と食事をしている。
はたして、これが「国民の命を守る責務」を持った人物が、異常事態の発生当日にとるべき行動なのか。
安倍は、集団的自衛権の行使ができなければ、「お子さん、お孫さんを守れない」と言う。だが、憲法解釈を変えたところで、安倍に国民は守れない。「国民を守るため」は解釈改憲の方便に過ぎないということだ。
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