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2014年05月23日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「中国人民解放軍の将校5人が、サイバー攻撃によるスパイ行為の容疑により米国で起訴されたことを受け、中国政府は19日夜、米国のマックス・ボーカス(Max Baucus)駐中国大使を外務省に呼び、抗議した」という。AFPが5月20日報じた。
米国にサイバー攻撃していたのは、「中国人民解放軍の悪名高い61398部隊に所属」の将校だ。米連邦大陪審が米企業のコンピューターに侵入し、秘密情報を盗み取った容疑で起訴した。米政府が中国人民解放軍の将校をサイバースパイ容疑で起訴したのは初めてだという。
実際のところ、現代はまさに「サイバー攻撃戦争」の最中にあり、ますますエスカレートしている。スパイ活動は、どこの国でも行っているので、「サイバー攻撃」に対する法的整備を厳しく行うと、自国のスパイ活動を取締まる結果にもなりかねないので、自縄自縛してしまうという矛盾に逢着する。つまり、スパイされて、重要情報を盗まれた方が「阿呆だった」ということになる。このため、スパイ防止法で取締まるのが限界であり、「サイバー攻撃」を絶滅するのは不可能なのだ。
そうなると、どこまでも「サイバー攻撃」を防ぐためのセキュリティ・ソフトを開発し続けていくしかない。それもモグラ叩き、イタチごっこをエンドレスに行う覚悟が必要となる。併せて、サイバー攻撃を受ける側も、敵国に向けて「サイバー攻撃」して、情報・データを積極的に盗むことで、「攻撃は最大の防御策」とするに限ることになる。
◆「攻撃は最大の防御策」として敵に勝つには、IT技術に長けた人材をできるだけ大量に雇い、「サイバー攻撃部隊」に投入し、新技術・ソフトを開発させて、「サイバー攻撃」の実施部隊として活用することが、最善の方法となる。
その場合、皮肉なことに、パソコン(PC)遠隔操作事件で、威力業務妨害などの罪に問われている片山祐輔被告(32)=公判中=のような「悪賢くてIT技術に長けた人間」が必要になる。「毒を以て毒を制する」のだ。米国や英国では、「ハッカー被害」を防ぐのに、「ハッカー」を活用したという。同様に「サイバー攻撃手」と戦うには、それを上回る「サイバー攻撃手」を使うに限るのだ。だが、残念ながら、日本は、米中央情報局(CIA)・国家安全保障局(NSA)のスノーデン元契約職員がバラしているように「サイバー攻撃」には丸裸同然なのである。
◆こんな最中に、保釈中だった片山祐輔被告は5月16日に「真犯人」を名乗るニセメールを報道関係者らに送りつけたが、警察に見破られたことを知り、5月19日夜、自ら弁護団に電話をして「自分が犯人です」と話し、10事件すべてについて関与を認めたため、東京地裁は20日午前、片山祐輔被告の保釈を取り消し、東京地検が身柄を拘束した。22日、東京地裁で公判が開かれている。
この「平気でウソをつく片山祐輔被告が最新兵器」になるかどうかは定かではないけれど、孫子が「兵は詭道なり」と言うように、「戦争は騙し合い」である。それならば、「騙すのが得意な人材」を活かすのが、最良であろう。
それにしても、日本人は、「正直者」が多すぎる。とくに「スパイ」に対する評価は、低い。「汚い」「卑怯だ」などと言って、バカにする。その結果、日本民族は、大東亜戦争に敗れてしまった。
稀代のスパイ、明石元二郎大佐(1864年9月1日〜1919年10月26日、陸軍大将・勲一等・功三級・男爵。第7代台湾総督。福岡藩出身)が、日露戦争の最中、当時の国家予算が2億3000万円程であった状況下、山縣有朋の英断により参謀本部から当時の金額で100万円(現在の400億円以上に相当)を工作資金として支給されて、ジュネーブのレーニン自宅で会談し、レーニンが率いる社会主義運動に日本政府が資金援助することを申し出た。レーニンは、アストラハン出身の物理学者イリヤ・ニコラエヴィチ・ウリヤノフとドイツ・スウェーデン系ユダヤ人(ロシア正教に改宗)のマリア・アレクサンドロヴナ・ブランクの間に生まれていたので「祖国を裏切る行為である」と言って拒否したけれど、明石元二郎大佐は「タタール人の君がタタールを支配しているロシア人の大首長であるロマノフ王朝を倒すのに日本の力を借りたからといって何が裏切りなのだ」といって説き伏せ、レーニンを「封印列車」でロシアに送り込むことに成功。プレーヴェ内務大臣暗殺、血の日曜日事件、戦艦ポチョムキン叛乱などの工作に関与し、大日本帝国を大勝利に導くとともにロシア革命を成功へとつなげた。レーニンは、世界で最初に成功した社会主義革命であったロシア革命を主導するとともに、史上初の社会主義国家「ソビエト連邦およびソ連共産党(ボリシェヴィキ)」の初代指導者を務めたのである。
この明石元二郎大佐の工作に感激したのが、当時のドイツ皇帝ウィルヘルム2世であった。「明石1人で、大山満州軍20万に匹敵する戦果をあげた」と絶賛したという。
いまの日本では、「スパイ戦の現代版であるサイバー攻撃」によく戦えるIT技術者が求められているのだ。
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