http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/698.html
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パソコン(PC)遠隔操作事件への関与を全面的に認めた片山祐輔被告(32)=威力業務妨害などの罪で公判中=が20日、一連の事件について「4人が(誤認)逮捕されて、不謹慎だが、『やった』という気持ちになった。どこかで引き返せなくなった」と話していることがわかった。弁護団が記者会見して明らかにした。
東京地裁は同日、「片山被告が証拠隠滅をした」として保釈を取り消し、片山被告は再び東京拘置所に勾留された。
弁護団によると、片山被告は遠隔操作事件について「最初の事件をやってみたら、意外に簡単にできた。その後に遠隔操作ウイルスを作り、引き返せなくなっていった」と述べた。動機については、「警察や検察を恨むといったことはない」と話したという。
今月16日に「真犯人」を名乗って報道機関に送りつけられたメールについても、片山被告は「自分が送った」と認めた。理由を「母親が平穏な生活を望んでいた。早く裁判を終わらせて安心させたかった」と説明。「仮に実刑判決を受けたら、収監後に真犯人からメールが届くようにしようと思っていた」との計画も明かしたという。また、自身の性格について「ウソを平気でつける。意図的でなく、自然にウソが出てくる」と自己分析してみせ、誤認逮捕された4人に対しては「大変申し訳ないことをした」と話したという。
片山被告の22日の次回公判は、予定通り開かれる。長期化が予想されていたが、被告が関与を認めたことで一転、今夏までに判決が出る見通しになった。一方、「真犯人」メールに「皇居ランナーを無差別殺人します」などの文言があるとして、脅迫容疑で19日に被告宅を捜索した警視庁と東京地検は同容疑の立件を見送る方向という。
■母からメール、涙ぐみ電話
「私は完全にだまされていた」
佐藤博史弁護士は20日、片山祐輔被告を検事に引き渡し、その後、約2時間にわたって記者会見した。片山被告が2013年2月に警視庁などに逮捕された直後から弁護人になり、無罪を主張。ともに警察や検察を激しく批判してきた。
「ただ、裏切られたとか、否定的な感情はわきません」。こうも強調した。
片山被告からの電話が入ったのは19日午後9時半ごろ。「先生、申し訳なかった」。連絡が取れなくなって11時間。電話口の片山被告は事件への関与をすべて認めた。翌20日朝、宿泊先のホテルに迎えに行った。片山被告は夜まで缶チューハイをあおり、少し眠ったという。事務所に移り、話を聞いた。片山被告はPC遠隔操作事件への関与を詳細に打ち明けた。「真犯人」メールの送信についても、1カ月前に考案し、スマートフォンを秋葉原で購入したことを明かした。「愉快犯的な部分もある」。会見で佐藤弁護士は、片山被告の動機を分析してみせた。
事務所で事件への関与を説明し終え、片山被告がスマートフォンの電源を入れると、母親からのメールが届いていた。「あなたが真犯人だったとしても受け入れる」。そんな文面を読み、片山被告が母親に電話をかけた。「悪かった、悪かった」。こう繰り返しながら、母親からのメールや電話の時だけ、片山被告は涙ぐんだという。
佐藤弁護士は、再審無罪となった足利事件で弁護人を務めた。「片山さんが逮捕された当時、『真犯人』と思って接見した」という。「だが、片山さん(の説明)は自然で、怪しいそぶりをしなかった」と会見で説明した。
■被害者の家族「やっと終わり」
誤認逮捕された被害者の家族たちはやるせない思いや安堵(あんど)の気持ちをはき出した。「やっと終わったという感じ。被告は裁判をやって罪を償って欲しい。警察と検察、裁判所の落ち度のせいで、私たち被害者の傷は癒えぬままだ。3者も反省してほしい」。被害者の家族の一人は話した。
三重県警に誤って逮捕された津市の男性(29)の父親(58)は「被告は自ら墓穴を掘った。まだ気持ちの整理ができていないけど、被告が罪を認めていると知って少し安心した」と話した。
■ハッカー未満のスキル、捜査を翻弄
「日曜プログラマー」。専門家は片山被告のITスキルを「日曜大工」になぞらえて表現した。事件を通じて浮き彫りになったのは、ハッカーと呼べない技量の人物に翻弄(ほんろう)された警察とインターネット捜査の難しさだった。
ネット犯罪には現場がない。捜査の成否を決めるのが通信記録だが、警察はネット上の住所にあたる「IPアドレス」をうのみにした。警察庁幹部は「ネットを使わない犯罪を探すのが難しい時代。ネット空間と犯人を結びつける難しさを、あらゆる捜査にあたる警察官が認識するべきだった」と振り返る。
無実を主張していた片山被告を追い詰めたのは、殺人や窃盗事件と同様、「現実世界」での被告に対する捜査だった。
捜査関係者によると、今年3月に保釈された片山被告を捜査員が5月上旬から尾行し、15日に東京都江戸川区の河川敷に何かを埋める姿を目撃。翌16日に「真犯人」を名乗るメールが報道機関などに届くと、河川敷を掘り起こし、片山被告のスマートフォンを見つけた。
片山被告が昨年2月に威力業務妨害容疑で逮捕されたきっかけも足取り捜査だった。「真犯人」メールに登場した神奈川・江の島の猫に接触する被告が現地の防犯カメラに映っていたという。プログラミングに詳しい立命館大の上原哲太郎教授(情報セキュリティー)は片山被告を「ハッカーと呼べるレベルにも達していない」とみる。事件で使われた遠隔操作ウイルスもプロが作るウイルスに比べ、技術的に単純という。「警察はIT捜査の能力を上げることが急務だ」と指摘した。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11146622.html
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「犯人は天才的なハッカーだ」などと主張して被告を「称賛」していたのは誰だったのか。
被告が作成した「iesys.exe」の中核部分はネット上で公開されているソースコードを流用したものであることが分かっていた。iesys.exeの作成に特別なハッカー的知識は必要とされないことは、2014年3月20日の第4回公判での検察側プログラム解析担当者の証言で明らかだったのだ。つまり、日曜プログラマレベルのITスキルさえあれば闇サイトでプログラムを調達して「遠隔操作」プログラムが作れてしまう時代に入っているということである。
それから、多くの人たちが有名人も含めてこの事件は「冤罪」であり、被告は「無実」であると主張していた。しかしながら、被告は「無実」であると主張するなら、それなりの根拠が必要となる。しかし被告が「無罪」であるとする根拠ははなはだ心もとないものでしかなかった。その一方で被告が「有罪」であるとする根拠となる状況証拠は数多く存在した。途中で被告が「自分は『真犯人」から遠隔操作されていた「被害者だ』と言い出すに及んでますますその疑いが濃厚となってきた。ここでその一部を挙げてみる。
1. 雲取山のUSBメモリの件
被告は「真犯人」が被告のルート検索履歴をしらべ、被告の犯行に見せかけるため雲取山にUSBメモリを埋めたと主張したが、「真犯人」は被告が、雲取山に「実際に登った」ことをどうやって知り得たのか不明。
2. 江ノ島の猫の件
被告は「真犯人」が被告のルート検索履歴をしらべ、被告の犯行に見せかけるため江ノ島の猫にSDカード入りの首輪を付けたと主張したが、「真犯人」は被告が、江ノ島に「実際行った」ことをどうやって知り得たのか不明。さらに監視カメラの映像と第三者の猫を撮影した時刻から、「真犯人」は被告がその猫に触ってから30以内にSDカード付きの首輪を猫に取付けたことになるが、「真犯人」は被告がその猫に触ったことをどうやって知り得たのか不明。また「真犯人」はあらかじめSDカード付きの猫の首輪を用意していたが、「真犯人」がなぜ猫に首輪を付けるという方法を選んだのか不明。
被告のこの主張を裏付けるためには、「真犯人」が被告を常時監視し、外出した際には被告を尾行していたことになるが、この主張が成り立つには、「真犯人」にそれだけのことを被告に対して行なうだけの「強い動機」が必要だが、その説明ができていない。
3. 被告の職場のPC
職場の被告が使用していたPCのHDからiesys.exeをC#プロジェクトでコンパイルした形跡が発見されたこと、被告の職場の同僚の1台のPCが遠隔操作ウィルスiesysy.exeに感染していることが判ったこと。これは被告が職場のPCで遠隔操作ウィルスを開発したことを示唆する決定的証拠と言える。
4. 被告のC#の作成能力
被告はC#は使えないと主張していたがそれがウソだったことが明らかとなっている(2014年4月15日に行われた第6回公判)。
5. 被告は途中から被告のPCも「真犯人」から遠隔操作されていたのであり、被告も被害者であるとする主張を始めたこと
この主張通りだとすると、「真犯人」は遠隔操作で被告のPCを操作し、そのPCからさらに誤認逮捕された被害者らのPCを遠隔操作していたことになる。つまり、遠隔操作の遠隔操作である。警察に誤認逮捕させてその権威をおとしめることが犯人の目的だと予告メールで述べていたのであるから、遠隔操作の遠隔操作までは必要なく、犯人にそこまでする動機が認められない。
6. 被告のスマホの遠隔操作
被告が2012年の時点で「自分のスマホも遠隔操作されていたと主張」したが、2012年の時点ではスマホを遠隔操作できるウィルスの存在はセキュリティ専門会社の調査では確認されていないという事実がある。
7. 被告が「遠隔操作されていた」のではない証拠の存在
被告は、「真犯人」から遠隔操作された被害者であると途中から主張し始めたが、職場の被告のPCから遠隔操作ウィルスを作成(ビルド)した形跡が被告のPCのHDから発見されている。しかもこのビルドはドライブFのUSBメモリなどの「リムーバブルストレージ」を使用して行なわれている。このことは、被告が「遠隔操作されていた」のではなく、被告が遠隔操作ウィルスの作者であることを強く示唆している。
8. 被告が仕事をほとんどしていない期間にPC遠隔操作事件が起きている
被告は2012年5月ごろからスランプに陥り、まともなプログラムが書けない状態になったと述べているが、プログラムが書けないとした時期には上司に作業は順調に進んでいると虚偽の報告を行なっていた。
PC遠隔操作事件の経過
2012年6月29日 東京都男性AのPC遠隔操作事件 発生
2012年7月29日、同年8月1日 大阪府男性BのPC遠隔操作事件 発生
2012年8月 9日 愛知県男性CのPC遠隔操作事件 発生
2012年8月27日 福岡県男性DのPC遠隔操作事件 発生
2012年8月29日 神奈川県男性FのPC遠隔操作事件 発生
2012年9月10日 三重県男性EのPC遠隔操作事件 発生
被告が満足な仕事をしていない時期にPC遠隔操作事件が立て続けに起きている。
9. 被告がスマホで検索した文字列と予告メールの送付
2012年11月13日に被告はスマホから「警察 作文」「調書 作文」という言葉で検索を行なっている。
2012年11月13日 23時54分、報道機関宛てに「ミスをした。捕まるのが嫌なので自殺する」旨の自殺予告メールが送信される。
2013年1月2日に被告は「江ノ島」「猫、首輪」という言葉で検索を行なっている。
2013年1月3日に江ノ島の猫にSDカード入りの首輪が取付けられる。
2013年1月5日 0時34分、真犯人から「新春パズル 〜延長戦〜」のタイトルで25人の弁護士・個人や報道機関にメールが送られた。このメールにはピンク色の首輪をつけられた江の島の地域猫を探す内容が記されていた。
10. 「真犯人」メールの送付
2014年5月16日、報道機関宛に真犯人を名乗る者からメールが送信された。このメールには「秘密の暴露」として、公開されていなかった犯罪予告メールの内容が記されていた。「真犯人」が他にいるとすれば、被告が保釈されているこの時期に「真犯人」メールを送るのは余りにも不自然である。このケースでは「自作自演」が疑われるケースであり、「真犯人」メールを送るなら「自作自演」が疑われる余地のない、被告がPCなどに絶対触ることができない拘置中にメールを送らなければならない。そうでないときの「真犯人」メールは「自作自演」が疑われ、警察・検察をおとしめることにならない無意味な「真犯人」メールとなる可能性がある。「真犯人」が他にいるならこういう明らかな「へま」は行なわないと思われる。
11. 被告の前科
被告は2005年に、実在する小学生の女児を名指しした殺害予告を含む4件の殺害予告を2ちゃんねるに書き込み、逮捕されて1年半の実刑判決を受け服役している。通常、犯行予告の書き込み事件で逮捕されたとしても執行猶予となるのが普通であるが、被告の場合、殺害予告の書き込みが執拗で4回も繰り返して行なわれており、社会的に大きな影響を与えた極めて悪質な犯行だったことから、この種の事件では異例の実刑判決となったものである。このときの殺害予告メールの内容は、ここに書くのがはばかれるほど悪質であり酷い内容である。
江の島で見つかったファイルには、「以前、事件に巻き込まれたせいで、無実にも関わらず人生の大幅な軌道修正をさせられた」と警察や検察への恨みととれる内容が記されていた。被告には警察や検察への逆恨みからこれらの権威を失墜させようとして、この事件を起こすだけの十分な動機が認められた。
以上、いくつかの状況証拠を挙げてみた。これらの状況証拠は、曇りのない目で見れば被告がPC遠隔操作事件の犯人であることを強く示唆する内容である。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則があるが、そのことを十分考慮してもなお、今回の事件では余りにも被告に不利な事実が多すぎる。
もとより、検察による異例に長期の拘置は強く非難されて然るべきものである。しかし、そのことと被告が「無実」であり、「冤罪」であることとは別問題である。被告を擁護していた人たちの中には検察の方針が「冤罪」を招きかねないものであると非難したが、そのことに同意はするが、だからといって被告が「無実」であり「冤罪」である根拠にはなり得ない。
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