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2014年05月21日
朝日新聞の大スクープである。あらゆる面で、安倍官邸のマスメディア言論統制は度を越していた。朝日新聞社会部が、政権へ“おもねり姿勢”を堅持する政治部、経済部のジャーナリスト魂を糾弾するような社内クーデターとも思える、渾身の福島第一原発事故の真実暴く、故吉田昌郎所長の政府事故調査・検証委員会に答えた、所謂幻の「吉田調書」が姿を現す。この調書から、あらゆる面で東京電力の原発運営に対する「モラル」、「能力」、「気力」等々の欠如が明確になるだろう。この問題は、事故の過酷度を隠蔽し、住民に不要な被曝や損害を与えたことを隠しおおすことが不可能になる事態が想定される。
当時の経営陣の刑事責任追及にも深く影響する事態でもある。東京地検特捜部が単なるCIA下請け司法機関なのか、国民のために法の正義を体現する組織なのか、正念場を迎える事態でもある。この吉田所長の事情聴取の聞き取り作業は検事によって行われたらしいので、検察庁は、当然、東電などの隠蔽に協力した姿勢までが見えている。勿論、原発再稼働をリアルに進めようとしている、日本中の原発への信頼性の失墜であり、安倍政権及び経団連の糞どもも、戦々恐々に陥っているに違いない。菅と云うゲシュタポみたいな官房長官が早速、遺言だから「公開しない」なんて言い出したが、故吉田所長の調書は、国民共有の知恵であり情報だ。すだれゲシュタポの好きにさせるものか、バカ野郎!
≪ 菅官房長官、吉田調書は「公開しない」 理由は明言せず
東京電力福島第一原発で事故対応の責任者だった吉田昌郎氏(故人)が政府事故調査・検証委員会に答えた「聴取結果書」(吉田調書)について、政府事故調解散後に調書を引き継いだ菅義偉官房長官は閣議後の記者会見で「吉田元所長を含めヒアリングは公開しない」と語り、調書を今後も非公開とする考えを示した。
吉田氏は政府事故調の聴取に対し、聞き取り内容の公開を了承している。調書を非公開とする理由について菅氏は「事故を二度と起こさないように施策を政府をあげて行っている。それ以上でもない」と明言を避けた。政府に保管されているとされる調書は「読んでいない」とした。 ≫(朝日新聞)
菅と云う官房長官は、福島第一原発事故がどのようにして起こり、国際原子力事象評価尺度 (INES) において最悪の「レベル7」に至ったかの経緯の顛末も知らずに、官邸で原発再稼働に向けた下準備の指揮を執っている最重要人物が、故吉田所長の生の声を聴いていない、読んでいないと云うのは、無責任にも程がある。朝日新聞社会部は、このような官邸の態度にも挑戦状を突きつける姿勢のようだ。政治部、経済部、経営陣の巻き返しを阻止するように、新聞社にしては非常に珍しい「予告記事」が朝日新聞デジタルで公表した。テレビの世界の「番宣」のようものであるが、このような記事の予告は、横槍を回避する手段として用いられたかもしれない。
≪ 震災3日後、住民にかかわる重大事実 吉田調書から判明
東日本大震災発生3日後の2011年3月14日早朝、東京電力福島第一原発3号機は原子炉に注入する水が枯渇し、危機的な状況を迎えていました。朝日新聞が入手した「吉田調書」によると、この局面で住民避難にかかわる重大な事態が発生する危険性がありました。21日付朝刊で報じる予定です。 一方、朝日新聞デジタルの特集「吉田調書」第1章2節「ここだけは思い出したくない」は21日正午に配信する予定です。事故対応の責任者だった吉田昌郎氏は2号機の状況悪化を受け「チャイナシンドローム」のような状況と伝えていました。
URLは次の通りです。
http://www.asahi.com/special/yoshida_report/
≫(朝日新聞デジタル)
朝日新聞社会部の「吉田調書」のリーク報道は、特定秘密保護法の施行後も視野に入っていたものと思われるが、特定秘密保護法が官報に掲載されてから1年後に適用されるので、まだ時間的余裕はあるかもしれないが、この時期から、突き始めないと、ゲシュタポスダレを挫折させられないと読んだのだろう。以下に、朝日新聞社会部の、吉田調書に関する報道は、ここ10年見られなかった、ジャーナリストの調査報道だと言えるだろう。昔、ナベツネに楯突いた読売新聞の「チーム清武」が善戦、読売社会部が名を馳せたが、朝日社会部にお株を奪われたようだ。以下に、朝日社会部の一連の報道も参考引用しておく。その中には、ゲシュタポスダレが吉田所長を脅したて書かせたのか、非公開の上申書まであると白状しているが、朝日の全体的報道姿勢から、吉田所長は公開を望んでいた節もある。
≪ 調書「吉田氏、外部開示望まず」 菅官房長官が説明
東京電力福島第一原発で事故対応の責任者だった吉田昌郎氏(故人)が政府事故調査・検証委員会に答えた「聴取結果書」(吉田調書)について、菅義偉官房長官は20日の記者会見で調書を開示しない方針を示したうえで、吉田氏から非開示を求める上申書が提出されていると明らかにした。
菅氏は「吉田氏はヒアリング記録の外部への開示を望んでおらず、政府として情報公開制度に対する扱いは不開示としている。本人からは書面での申し出もある」と述べた。
菅氏の説明によると、吉田氏は政府事故調の聴取後に体調を崩し、その後の国会事故調による聴取の求めに応じられなかった。このため国会事故調が政府事故調にヒアリング記録の提出を要求。政府は@第三者に向けて公表しないA国会事故調でヒアリング記録を厳重管理するB調査終了後は政府事故調へ返却す る――ことを条件に、吉田氏から国会事故調への提出の許可を得たという。
菅氏は「現在、事故があったときに対応する人には(吉田調書を)職員立ち会いの下で開示して、対応できるようにはしている」と述べた。
自民党の石破茂幹事長は会見で「極限の事案の時にどう対応するかは危機管理だ。生命の危険があると逃げた時に、法的にどう裏打ちされたものなのか政府で検証されるものだ」と注文した。新潟県の泉田裕彦知事は、会見で「事故の検証のためにも公表すべきだ」と語った。
小野寺五典防衛相も会見で「内容が事実であれば明らかにしなければならない」と述べた。福島第一原発の所員が吉田氏の命令に違反して撤退したことについては「そのようなことがもしあったなら大変残念だ。内容に問題があるなら、担当大臣がしっかりした対応を取られると思う」と語った。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は19日の朝日新聞の取材に「読んでいない。知らない」と答えた。規制委は政府事故調などをふまえ、原発の新しい規制基準を決めた経緯がある。田中氏は「全部考慮してやっている。(調書が表に)出れば読ませていただきたい」と語った。
≫(朝日新聞デジタル)
≪ 福島第一の原発所員、命令違反し撤退 吉田調書で判明
東京電力福島第一原発所長で事故対応の責任者だった吉田昌郎(まさお)氏(2013年死去)が、政府事故調査・検証委員会の調べに答えた「聴取結果書」(吉田調書)を朝日新聞は入手した。それによると、東日本大震災4日後の11年3月15日朝、第一原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発へ撤退していた。その後、放射線量は急上昇しており、事故対応が不十分になった可能性がある。東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきた。
■所員9割、震災4日後に福島第二へ
吉田調書や東電の内部資料によると、15日午前6時15分ごろ、吉田氏が指揮をとる第一原発免震重要棟2階の緊急時対策室に重大な報告が届いた。2号機方向から衝撃音がし、原子炉圧力抑制室の圧力がゼロになったというものだ。2号機の格納容器が破壊され、所員約720人が大量被曝(ひばく)するかもしれないという危機感に現場は包まれた。
とはいえ、緊急時対策室内の放射線量はほとんど上昇していなかった。この時点で格納容器は破損していないと吉田氏は判断した。 午前6時42分、吉田氏は前夜に想定した「第二原発への撤退」ではなく、「高線量の場所から一時退避し、すぐに現場に戻れる第一原発構内での待 機」を社内のテレビ会議で命令した。「構内の線量の低いエリアで退避すること。その後異常でないことを確認できたら戻ってきてもらう」
待機場所は「南側でも北側でも線量が落ち着いているところ」と調書には記録されている。安全を確認次第、現場に戻って事故対応を続けると決断したのだ。
東電が12年に開示したテレビ会議の録画には、緊急時対策室で吉田氏の命令を聞く大勢の所員が映り、幹部社員の姿もあった。しかし、東電はこの場面を「録音していなかった」としており、吉田氏の命令内容はこれまで知ることができなかった。
吉田氏の証言によると、所員の誰かが免震重要棟の前に用意されていたバスの運転手に「第二原発に行け」と指示し、午前7時ごろに出発したという。 自家用車で移動した所員もいた。道路は震災で傷んでいた上、第二原発に出入りする際は防護服やマスクを着脱しなければならず、第一原発へ戻るにも時間がか かった。9割の所員がすぐに戻れない場所にいたのだ。
その中には事故対応を指揮するはずのGM(グループマネジャー)と呼ばれる部課長級の社員もいた。過酷事故発生時に原子炉の運転や制御を支援するGMらの役割を定めた東電の内規に違反する可能性がある。
吉田氏は政府事故調の聴取でこう語っている。
「本当は私、2F(福島第二)に行けと言っていないんですよ。福島第一の近辺で、所内にかかわらず、線量が低いようなところに1回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fに着いた後、連絡をして、まずはGMから帰ってきてということになったわけです」
第一原発にとどまったのは吉田氏ら69人。第二原発から所員が戻り始めたのは同日昼ごろだ。この間、第一原発では2号機で白い湯気状のものが噴出し、4号機で火災が発生。放射線量は正門付近で最高値を記録した。(木村英昭)
◇
〈吉田調書〉
政府事故調が吉田氏を聴取した内容を一問一答方式で残した記録。聴取時間は29時間16分(休憩1時間8分を含む)。11年7月 22日から11月6日にかけ計13回。そのうち事故原因や初期対応を巡る聴取は11回で、事務局に出向していた検事が聴取役を務めた。場所はサッカー施設 Jヴィレッジと免震重要棟。政府事故調が聴取したのは772人で計1479時間。1人あたり約1・9時間。原本は内閣官房に保管されている。
◇
■全資料公表すべきだ
《解説》 吉田氏が死去した今、「吉田調書」は原発事故直後の現場指揮官が語る唯一の公式調書だ。肉声がそのまま書き残され、やりとりは録音されている。分量はA4判で400ページ超。事故対応を検証し、今後の安全対策にいかす一級の歴史的資料だ。
ところが、政府事故調は報告書に一部を紹介するだけで、多くの重要な事実を公表しなかった。中でも重要な「9割の所員が待機命令に違反して撤退した」という事実も伏せられた。
事故の本質をつかむには一つひとつの場面を具体的な証言から再現・検証する必要がある。国は原発再稼働を急ぐ前に、政府事故調が集めた資料をすべて公表し、「福島の教訓」を安全対策や避難計画にいかすべきだろう。
吉田調書にはこのほかにも国や東電が隠している事実が多く含まれ、反省材料が凝縮されている。私たちは国や東電の事故対応の検証を続けていく。
≫(朝日新聞デジタル:宮崎知己)
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