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2014/05/21 05:26
自民党税調に配偶者控除を廃止しようとする動きがある。それに対して自民党は提言し<女性の活躍は経済の再生に不可欠だとして、女性の就労意欲を抑制しているという指摘もある所得税を軽減する「配偶者控除」について、夫が妻を扶養している世帯の場合、妻の給与収入にかかわらず、夫婦で受けられる控除額を同じにするなど、仕組みの見直しを求めている。また労働改革の重要性も指摘した。「可能な限り同一労働・同一賃金を目指す」とする一方、成果に基づく評価で弾力的に働ける新たな労働時間制度の仕組みを検討すべきだとした>(以上「日経新聞」引用)という。
税調は配偶者控除が103万円や130万円という壁を配偶者の働き方に設ける格好になっている現行税制が女性の労働意欲を削ぐ形になっていると指摘し、配偶者控除制度の廃止を目指している。しかしそれは単なる増税の口実に過ぎないのではないだろうか。
むしろ配偶者控除はなぜ設けられたのかを考慮する必要があるのではないだろうか。配偶者控除は結婚により仕事を止めて家庭に入る女性が多かった時代、独身男性と比較して結婚した男性の担税力が落ちることを考慮したものだ。
しかし現代では家庭を守るのは女性とは限らない。男性が家庭を支えて女性が結婚後も働き続けることもある。育児に関して理解ある職場ではそうした傾向が多く見られる。配偶者控除は女性を対象としたものに限られるべきではない。
さらに、日本の未来にとって政府は日本の男女が結婚して『家庭』を営むことを推奨するのか、それとも個々人として結婚などに縛られることなく独立して働くことを求めるのか、国民の生涯設計をどのように描いているのかを明確にすべきだ。
国家として若い国民が結婚して家庭を営み安心して子育てが出来る社会を築くつもりなら、税制もそうしたことを支援し推奨する制度にすべきだ。103万円だとか130万円だとかという配偶者の働き方を制限する税制そのものを撤廃し、男女が夫婦となり家庭を子育て単位として存在することを支援することで少子化対策の一翼を担わせることが必要だ。
製造業が絶えず合理化され機械化・自動化される傾向にあることを考慮するなら、一層の国内産業育成策を推進すべきことは明白だ。一時期の製造業海外移転熱を煽ったジェトロや御用評論家たちは反省して、海外移転した日本企業を国内へ回帰させる運動を展開すべきだ。
国内産業を空洞化させて、何が国家発展だろうか。国民の職場を海外へ求めて、企業の社会的責任が果たせるというのだろうか。税制の基本的あり方として国内へUターンする起業やIターンする外国企業に対する優遇策を長期戦略として取り込むべきだ。税制は単に国家の歳入のあり方を論じて終わるだけのものであってはならない。
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