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2014-05-18 08:06:15
安倍首相の「戦争するための努力」に対抗するためには、「平和を作る努力」が欠かせないはずです。
安保法制懇なる”おともだち会議”から5月15日に出させた”なれあい報告書”に対する翌日の各紙が掲げた論評は、ちょうちん持ち派と、批判派とにはっきり分かれました。
政府の”ちょうちん持ち派”の筆頭は、例の如く読売新聞です。批判派は朝日新聞や毎日新聞、東京新聞など多数。
読売は、「日本存立へ行使『限定容認』せよ グレーゾーン事態法制も重要だ」を大見出しで立て、要するに「集団的自衛権を行使できるようにせよ」と主張しました。
本文では、”なれあい報告書”を「歴史的な提言である」と高く褒めそやし、報告書の同盟国を助けに行く「限定容認論は現実的である」と全面的に賛意を示しています。政府の広報機関であることを臆面もなくさらけ出すことに、いささかの恥じらいもない。
さらにまた、「(憲法の)解釈変更は、行使を可能にしておくことで日米同盟を強化し、抑止力を高めて日米同盟を強化し、抑止力を高めて、紛争を未然に防止することにこそ主眼がる。憲法には平和主義に加え、平和的生存権や国際協調主義がうたわれていることも忘れてはなるまい」と力説しました。
しかし、こうした論法こそ、おためごかしそのものです。「憲法には平和主義に加え、平和的生存権や国際協調主義がうたわれていることを忘れてはなるまい」というなら、では平和を構築するためのづ力について全く触れないのはどういうことなのか。他国のための武器の使用容認を一生懸命説得しようとする割に国際協調で平和を作りだす努力について全くネグレクトしているのはどういうことか、答えてもらわなければなりません。
朝日新聞は、「戦争に必要最小限はない」という見出しを立てました。そして、「安倍氏が進めようとしているのは、憲法96条に定める改憲手続きによって国民に問うべき平和主義の大転換を、与党間協議と閣議決定によってすませてしまおうというものだ」と、強く批判しました。
そして、「日本が(集団的自衛権を)行使したとたん、相手国にとって日本は敵国となる」と、「必要最小限」などの文言が全く意味をなさないと指摘しました。
さらに、「解釈変更は、内閣が憲法を支配するといういびつな統治構造を許すことにもなる」と、今回の報告書の最も根幹の問題点を浮き彫りにしました。
もう一つの大きな問題点、近隣諸国との関係については、「近隣国との関係改善を置き去りにしたまま解釈改憲を強行することで、東アジアの緊張はかえって高まる」と、解釈改憲が緊張激化を招くと訴えました。
安倍首相が今回の「行使容認」の次には、憲法9条の改憲を目指していることに対しては、「これが『戦後レジームからの脱却』の本質であるならば、看過できない」と、安倍氏の最終目標を否定しました。
平和と安全保障の立場では、朝日は「反安倍」を明確にしたといえます。
毎日新聞も同じような論調で、見出しには「集団的自衛権 根拠なき破壊だ」と、打ちました。安倍首相は集団的自衛権が必要な理由として、「隣で闘っている他国の軍隊が助けを求めてきたとき、何もしないでいいのか」と、あたかも鬼の首を取ったかのように得意げに引き合いに出す「かけつけ警護」、これに対しては、「そもそも集団的自衛権とは関係がないPKOの武器使用の問題だ」と、安倍流論法のインチキさを暴いています。
東京新聞がまともな社説を掲げたことは、昨日の箕面通信1972号で取り上げました。
まともな社説が多かったことは心強い限りです。ただ、残念なのはいずれの社説でも、大事なことに言及がほとんどありませんでした。それは、「どのようにして平和を構築するか」という論点です。安倍首相を批判する以上は、具体的な問題点について反論するとともに、「平和を作りだすためには、近隣国と外交交渉で努力すべき」ことを強調し、”提言する社説”であっていただきたいと思うのです。
お隣りの中国や韓国と首脳歓談すらできない状態を放置したまま、戦争ができる態勢を整えるのは、「戦争へ突っ込む」ことしか考えていない行動です。この点に対する国民世論の盛り上がりが乏しいのでは、安倍政権に集団的自衛権を断念させるのはむずかしいのではないでしょうか。
安倍首相が強権政治を進められる根拠は、ひとえに「高い支持率」にあります。国民が離れさえすれば、あっけなくつぶれる代物です。国民の多数が、安倍首相のリードのままに尖閣で中国と戦端を開くことを許すなら、なにをかいわんやです。
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