http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/580.html
Tweet |
残業代ゼロは官より始めよ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39229
2014年05月18日(日) ドクターZ 週刊現代
政府の産業競争力会議で提案された「残業代ゼロ制度」が話題になっている。
ブラック企業化を助長するものだとか、経営者側に有利に利用されるだけなどと、さっそく批判が渦巻いているが、この制度をどう評価するのが正しいのか。政府の意図はいったい何なのだろうか。
いまは産業競争力会議がアドバルーンをあげた段階で、はっきりしたところはわからない。少ない情報から読み取れるのは、「残業代ゼロ」、つまり労働時間規制適用除外となる労働者の対象は、「年収1000万円以上のホワイトカラー」と「労働組合との合意で認められた人」のようだ。
ともに本人の同意が必要となっているが、これはサラリーマンにとっては意味のない「条件」だろう。会社が指名した段階で、受け入れざるを得ないからだ。
後者の「労働組合との合意」というのも、くせものである。まともな労働組合があるところが少ないからだ。その問題を別に考えるとすれば、ポイントは「年収1000万円以上のホワイトカラー」となる。
第一次安倍政権の時も、似たような制度が導入されようとしていたが、マスコミによる「残業代ゼロ」のフレーズが引き金となって、制度の導入は断念された。
今回も「残業代ゼロ」のインパクトは大きく、批判する意見が多いようだ。しかし、そもそも年収1000万以上のサラリーマンはどれほどいるのだろうか。
国税庁による'12年の民間給与実態統計調査結果をみると、一年を通じて勤務した給与所得者4556万人のうち年収1000万円を超える人は、男性で5・8%、女性で0・8%、男女合計で3・8%しかいない。
批判している人の多くは、自分が対象でないのに反対しているわけで、いつか自分もきっと対象者になるはずということで反対しているとすれば滑稽だ。
政府がどんどん対象者を拡大するのではないかと思っているのかもしれない。たしかにそうではないという確証はないが、他の先進国ではどうだろうか。
アメリカ、フランス、ドイツでも幹部職員を対象にして、「残業代ゼロ」の制度が設定されている。対象者の割合は、アメリカ2割、フランス1割、ドイツ2%といわれている。
日本で議論されているのは、ドイツより広く、フランスやアメリカより狭い範囲ということ。となると、対象範囲が広がっても、労働者全部とはならないと予想がつく。今反対している人のほとんどは杞憂なのだ。
そういえば、かつても残業代ゼロで大騒ぎをしているのはマスコミだった。ちなみに、前にあげた国税庁の調査報告で、マスコミが属している情報通信業は、年収1000万円を超える人が、男性で9・8%、女性で1・9%、男女合計で7・9%と一般の2倍になっている。この数字は、大企業から零細まで含めた情報通信業の平均で、大手マスコミはこの平均よりさらに高いはずだ。どうして、マスコミが騒ぐのかがよくわかる数字である。
残業代ゼロ制度は、一般サラリーマンには関係のない話だ。どうしても心配だという向きは、まず公務員で残業代ゼロを手始めに行うよう主張すればいい。政府は公務員の雇用主なので、民間に政策を押しつけるより容易に、自ら政策を実施できるはずだ。政府が先行して実施し、民間が追随すれば、対象者拡大の心配はなくなるだろう。
一般サラリーマンは、幹部職員に働いてもらって、自分たちは大いに勤務時間外の自由を楽しもう。
『週刊現代』2014年5月24日号より
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK165掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。