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2014年 05月 16日 日本がアブナイ!
昨日15日午後、安倍首相は官邸に設置した有識者会議(私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」)の7回めの会合に出席し、同会議の議論をまとめた報告書を受領。その後、NSC(国家安保会議)の会議を開き、報告書を踏まえて政府の対応を確認した。
首相は、夕方18時から会見を開き、「政府の基本的な方向性」を国民に説明。政府として、憲法解釈の変更を検討すると共に、与党協議を行ない、憲法解釈の変更が必要と判断されれば、国民の命と暮らしを守るため、閣議決定するという方針を示した。(-"-)
安倍首相の会見は、録画しておいて見た(&首相官邸のHPで前発言を文字でも確認した)のだが。mew的には、まさに「肩透かし」と言えるものだった。(>_<)
<何か「今から、ピザを作りたい」という説明をするのに、飾りのトッピングにする予定のオリーブのスライス1枚、バジルの葉を1枚、あとはフィルムに印刷したアボガドを乗せたぼんやりしたピザの写真を見せただけという感じ?^^;>
特に最初に挙げた2つの具体例&それに関する主張をきいて、mewは、相変わらず、こすい(=狡猾な)、姑息な(その場しのぎ&ヒキョ〜な)説明をするやつだな〜と思わずにはいられなかった。_(。。)_
というのも、米艦船の防護も、駆けつけ警護の事例も、基本的には日本人を守るためではなく、米軍や他国軍の兵士を守るために検討されて来たにもかかわらず、首相&周辺は、日本人を守るためという限定的な事例にすり替えて、説明を行なっていたからだ。(-"-)
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集団的自衛権の行使を容認することは、憲法9条を実質的に改正するに等しい重大な問題だ。(**)
それゆえ、mewは安倍首相は、きちんと正面からこの件に向き合い、何故、「集団的自衛権の行使容認」が必要なのか、自らが唱える「積極的平和主義」の考え方や、世界の平和維持、日本の安保防衛などに関する重要な具体例などをもっと丁寧にきちんと説明するものだと思っていた。(・・)
実際、安倍首相は、会見の質疑でも話していたように、昨年からアジアや欧州の国々を訪れ、首脳会談や会合での演説で、自らが唱える「積極的平和主義」について説明をしまくっており、日本が世界各地の安全保障、平和維持に積極的に関与して行く意向を示して、「集団的自衛権の行使容認」への理解を求めて来ていたし。
また、国内においては、周辺の状況悪化に対応して日本の守るためには日米同盟の強化が必要だとして、米艦船の防護や米国に向けたミサイルの迎撃を可能にすべきだと主張。
さらに、国際貢献のために、PKO活動で他国の兵士などが攻撃を受けた時に、駆けつけ警護をできるようにする必要があるなどの事例を挙げて、国民に理解を求めようとしていたからだ。(・・)
* * * * *
しかし、昨日の会見では、安倍首相は、さんざん世界各地でアピールしまくっていた&国会の施政方針演説などでも唱えていた「積極的平和主義」については、ほとんど説明せず。<後半に一瞬、さらっと触れただけ。>
本来、最も重要だと思われる「集団的自衛権の行使」に関する方針や根拠などの説明を後回しにして、「この報告書を受けて考えるべきこと、それは私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守るため、私たちは何をなすべきか、ということであります」と、いきなり具体例にはいった。(・・)
そして、何だかTVのワイド・ショーが使いそうな、いかにもという感じのイラストがはいった、カラフルで大きなパネルを2枚、わざわざ用意して。
日本人を守るために集団的自衛権の行使が必要だと言わんばかりの、実に限定的な(想定のすみっこにあるような)具体例を2つ挙げたのである。
一つは、外国で有事が起きた際に、現地にいる日本人を米国の艦船が救助した場合でも、自衛隊が日本人の乗っている米国の艦船を守れないという例。
もう一つは、海外のPKO活動に関して、20年前にカンボジアのPKO活動で亡くなった日本人(警察官)の名を出した上で、日本人を含めPKO活動をする若者を救えないことを強調。
現地で仕事をするボランティア要員、国連職員などが武装集団に襲われた際に、自衛隊が守れないという例だった。<他国の部隊の救助要請の話も付け加えたけど。>
そして、「皆さんが、あるいは皆さんのお子さんやお孫さんたちがその場所にいるかもしれない。その命を守るべき責任を負っている私や日本政府は、本当に何もできないということでいいのでしょうか」と問いかけたのだ。(~_~;)
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安倍首相はスピーチの終盤に、もう一度、前者の例に関して、「再度申し上げますが、まさに紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない」と念押し。
<質疑でも、「私たちはこの船に乗っている子供たちを、お母さんや多くの日本人を助けることはできないのです。守ることもできない」「会見を御覧になっている皆さんや、皆さんのお子さんやお孫さんが、こうした立場になるかもしれないという、そのことを考えていただきたいと思います」と訴えていたりして。^^;>
また後者の例に関しても、「世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん、日本人を、私たちは自衛隊という能力を持った諸君がいても、守ることができない。そして、一緒に汗を流している他国の部隊、もし逆であったら、彼らは救援に訪れる。しかし、私たちはそれを断らなければならない、見捨てなければならない。おそらく、世界は驚くことでしょう」とアピール。(-_-;)
「こうした課題に、日本人の命に対して守らなければいけないその責任を有する私は、総理大臣は、日本国政府は、検討をしていく責務があると私は考えます」と結んだ。(@@)
<安倍首相は、その後も何度か「総理大臣としての責任」という言葉を用いて、自分には日本人を守るために、施策を講じる(=集団的自衛権の行使容認を判断する)責任と権限があるということを正当化しようとしている感じがあった。^^;>
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安倍首相はこの2つの具体例を出した後、中国を念頭に(名は出さなかったけど)、南シナ海での国家間対立や東シナ海で領海侵犯が起きていることや、北朝鮮のミサイル&核開発、さらにサイバー攻撃の問題などの例を挙げ、「もはやどの国も一国のみで平和を守ることはできない」と主張。
ここで、やおら自らの持論である「積極的平和主義」を持ち出し、「国際社会と協調しながら世界の平和と安定、航空・航海の自由といった基本的価値を守るために、これまで以上に貢献するとの立場を明確にし、取り組んできた」と説明。米国だけでなくアジアや欧州の国々が自分の考えを支持し、日本の役割に大きく期待をしているとアピールした。^^;
そして、まずはこれまでの憲法解釈の下でグレーゾーンへの対処やPKOの後方支援などに関する立法整備を行なうが。国民の命と暮らしを守るための法整備がこれまでの憲法解釈のままで十分にできるのか、さらなる検討が必要だと提言し、ようやく集団的自衛権の行使の解釈改憲の説明にはいった。(++)
<ただし、慎重派の公明党や国民に配慮してか、「集団的自衛権」という言葉を用いるのを、極力避けているように思えた。(~_~;)>
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今回、有識者会議が提出した報告書では、二つの異なる考え方が示されたが、安倍首相はそのうちの一つは採用しないことに決めたという。
一つは、個別的か、集団的かを問わず、自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上、合法な活動には憲法上の制約はないとするものだったのだが。
首相は、「これはこれまでの政府の憲法解釈とは論理的に整合しない。私は憲法がこうした活動の全てを許しているとは考えない」ので、この考え方(いわゆる芦田修正論)は「政府として採用できない」として、「自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません」と断言した。(@@)
もう一つは、いわゆる「限定容認論」だ。(・・)
首相は「生命、自由、幸福追求に対する国民の権利を政府は最大限尊重しなければならない。憲法前文、そして憲法13条の趣旨を踏まえれば、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を採ることは禁じられていない。そのための必要最小限度の武力の行使は許容される、こうした従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方」だと説明し、政府としてこちらの検討を進めていきたいと発言。
そして、憲法解釈を変更せざるを得ないとすれば、いかなる憲法解釈が適切なのか。今後、内閣法制局の意見も踏まえつつ、政府としての検討を進めるとともに、与党協議に入り」「与党協議の結果に基づき、憲法解釈の変更が必要と判断されれば、この点を含めて改正すべき法制の基本的方向を、国民の命と暮らしを守るため、閣議決定してまいります」と明言したのだった。(-"-)
また「日本は戦後70年近く、一貫して平和国家としての道を歩んできた」が、「平和国家であると口で唱えるだけで私たちの平和な暮らしを守ることはできない」「私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守るためには、常日頃から隙のない備えをするとともに、各国と協力を深めていかなければならない」「それによって抑止力が高まり、我が国が戦争に巻き込まれることがなくなると考える」と主張。
「しっかりと日本人の命を守ることこそが総理大臣である私の責任であると確信する」と語り、「国民の皆様の御理解を心からお願い申し上げる」と国民の理解を要請した。(~_~;)
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細かいことを書けば、キリがないのだが。会見の内容は、おおむね、そんな感じだろうか?(・・)
あ・・・質疑の中で、「公明党は、集団的自衛権に関し、連立政権合意に書いていないテーマとし、衆参院選でも大きな争点にはなっていない」として、安全保障政策の重大な変更を検討するに当たり、衆議院を解散して国民の信を問う考えはないか」との質問が出たのだけど。
安倍首相は「前回の衆議院選挙、また、参議院選挙でも私の街頭での演説で、「私は、国民の生命、財産、領土領海は断固として守り抜いていくと、いかなる事態にあっても、私はその責任を果たしていかなければならないと考えていると申し上げてきた」「この検討は、こうした国民との約束を実行に移していくものであると、私は確信しております」として、自分の考えは国民に支持を受けている(だから、解散は必要ない)との認識を示した。^^;
<だから、mewは衆参院選の時から、安倍自民党に勝たせると、「集団的自衛権の行使」がアブナイって叫んでいたのよ〜。 (・o・)
安倍っちは、06年に教育基本法を改正した時も、「05年の小泉郵政総選挙では、教育基本法なんて全く争点になっていなかった」と批判されて、「私は選挙活動中、教育基本法の話をして、支持を受けた」と言い返していたので、唖然とさせられたことがあったのだけど。^^;
安倍くんは、「私」が「領土を守り抜く」と言って当選した以上&自民党が勝った以上、本人の中では軍事防衛策の一環である「集団的自衛権の行使」も国民に理解を得た&国民と約束したと解釈しちゃうような人なのよね。(-"-)>
* * * * *
そもそも一般国民のうちどれだけの人が、あの会見を見たのか「???」なのだけど。<ニュースでちらっと見た人の方が断然、多いかな?^^;>
果たして、どれぐらいの人が、安倍首相の説明や主張を理解したり、共感を覚えたりしたのだろう?(@@)
mewは昨夜は帰宅が遅かったので、夕方や夜のニュースは見ていないのだけど。ニュース番組で、どれぐらい時間を割いて、どのように、この件を扱ったのか気になるところ。
<でも、やっぱふだん政治に関心のない人のことを考えれば、朝のワイド・ニュース・ショーでどう扱うのかという方が重要かな〜?(・・)>
首相官邸のHPに、安保法制懇の報告書の全文や要旨が載っていたので、要旨の方だけ見たのだけど。<報告書全文は、め〜っちゃ長いので、まともに読むには時間がかかりそう。^^;>
安保法制懇は、やはり9条1項の「国際紛争」は、「我が国が当事国である国際紛争」であるとして、自衛のための武力の行使や(他国の紛争に関する)PKO活動や集団安全保障措置への参加といった国際法上合法的な活動への憲法上の制約はないと解すべき」だとする見解をまとめていたのだけど。
<関連記事・『官邸が別の解釈改憲も計画〜他国の紛争参加はOKに』http://mewrun7.exblog.jp/21904785/>
これには、さすがに安倍氏周辺や自民党内からも疑問が呈する声が出ていた様子。(~_~;)
<あと集団的自衛権の行使を認めるだけでなく、さらに別の解釈改憲を行なうのは、公明党も国民もOKしないだろうという意見もあったようだ。^^;>
安倍首相は会見で、「これまでの政府の憲法解釈とは論理的に整合しない。私は憲法がこうした活動の全てを許しているとは考えない」との理由で、この提言は採用しない意向を示したのであるが。
mewに言わせれば、安倍首相が検討しようとしている限定容認論(必要最小限度の自衛権には、集団的自衛権も含まれるという考え方)も、これまでの政府の憲法解釈とは「論理的には整合しない」と思うし。<砂川判決と72年解釈の中で、都合のいいフレーズをつなぎ合わせただけの「言葉あそびごっこ」に過ぎないんだもの。^^;>
で、限定容認論に関しても、「私は憲法がこうした活動の全てを許しているとは考えないです」と大きな声で言いたいmewなのだった。(@@)
p.s. 内閣法制局の小松長官が、体調不良のため辞任することになったという。
安倍首相は、集団的自衛権の行使容認をするために、自分と考えが合う&安保法制懇の柳井座長(元外務次官)の推薦もあり、外務省の小松氏をスカウトして長官の座に据えたのだが。小松氏は1月に腹部にガンが見つかって入院。その後、抗がん治療を行いながら仕事を続けていたのだが。体調が悪化していた上、憲法解釈作りにも区切りがついたため、退任を決めたとのこと。
どうかお大事に。m(__)m
<で、後任の横畠裕介氏(現・次長)は、解釈改憲に慎重派だと言われていたのだけど。どこまで安倍首相に協力する気なんだろう?(@@)
THANKS
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