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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140515-00000129-mai-pol
毎日新聞 5月15日(木)21時53分配信
安倍晋三首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)は15日、集団的自衛権の行使を憲法解釈を変更して容認するよう求める報告書を提出した。首相はこの後の記者会見で「これまでの憲法解釈で十分か検討が必要」と解釈変更に意欲を表明した。
首相は会見で、政府対応の「基本的方向性」を示した。安保法制懇の報告書が「わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性がある時、限定的に集団的自衛権を行使することは許される」とした点について「従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方だ」と評価し、解釈変更を検討することを表明した。
自衛隊法など関連法案の改正に向けては「従来の憲法解釈のままで可能なのか、一部の立法に当たって解釈を変更せざるを得ないとすればいかなる解釈が適切なのか、政府で検討を進め、与党協議に入りたい」と表明。解釈変更が必要となった場合、閣議決定を行う考えを明言した上で、与党協議については「期限ありきではない」と公明党への配慮を示した。
行使容認への否定的な意見に対しては「むしろあらゆる事態に対処できるからこそ、抑止力が高まり、紛争が回避される」との持論を展開。中国の沖縄県・尖閣諸島周辺への領海侵犯や石油掘削をめぐるベトナムとの対立を念頭に、「この瞬間も力を背景とした一方的な行為によって国家間の対立が続いている。人ごとではない」と強調。安全保障環境の悪化を背景に法整備を急ぐ必要性を訴えた。
一方、安保法制懇が提唱した集団的自衛権の全面行使容認や国連の集団安全保障参加に対しては「これまでの政府の憲法解釈とは論理的に整合しない。憲法がこうした活動の全てを許しているとは考えない」と指摘。政府として受け入れないことを明言し、「平和主義はこれからも守り抜く」と強調した。
首相はまた、現行の憲法解釈では対応できない事例として(1)海外で有事に巻き込まれた在留邦人らを日本に輸送する米艦船の自衛隊艦船による防護(2)海外活動中に武装集団に攻撃された国連平和維持活動(PKO)要員や非政府組織(NGO)への自衛隊部隊による駆け付け警護−−をパネルで例示。今後の政府・与党の検討で対応を可能にすることに意欲を示した。
自民、公明両党は20日から協議を開始する。公明党は解釈変更に慎重な姿勢を崩しておらず、山口那津男代表は15日、国会内で記者団に、「我々はこれまでの憲法の考え方で、首相が示した課題でも対応できる部分が相当あると考えている」と述べ、解釈変更に慎重な考えを重ねて表明。与党協議に関しては「結果を出すべく真摯(しんし)に協議を始めたい」と述べる一方で、「法的安定性を確保できるかどうかの観点から、(これまでの)政府の基本的な立場を踏まえているか、研究がなされるべきだ」と指摘した。
◇安保法制懇「従来の憲法解釈では十分対応できない」
安保法制懇の報告書は、集団的自衛権の行使に関し、憲法はそもそも「自衛のための武力の行使は禁じていない」として全面的な解釈変更を求めた。同時に、自衛のための「必要最小限度」の武力行使を認めている現在の憲法解釈を踏まえ、「必要最小限度の中に集団的自衛権の行使も含まれる」との考えも示し、行使容認を求めた。
報告書は「我が国を取り巻く安全保障環境は(2008年の)報告書提出以降わずか数年の間に一層大きく変化」したと指摘。そのうえで、「我が国の平和と安全を維持し、地域・国際社会の平和と安定を実現するには従来の憲法解釈では十分対応できない」と断定した。
個別的自衛権の行使のみを認めている現在の解釈では対応が困難な事例として▽日本周辺で有事が起きた際の船舶検査や米艦防護▽シーレーン(海上交通路)における機雷の除去▽イラクのクウェート侵攻(1990年)への多国籍軍参加−−などを列挙した。
集団的自衛権を行使する場合の条件としては(1)日本と密接な関係にある外国への武力攻撃が発生(2)日本の安全に重大な影響を及ぼす可能性がある(3)被攻撃国の要請または同意がある−−の3点が満たされた場合とした。また、行使する際には(4)政府が総合的に勘案し責任を持って判断(5)第三国の領域を通過する場合はその国の同意を得る(6)事前または事後に国会の承認を得る−−という要件を設けるよう求めた。
集団的自衛権以外の現行法体系の問題点も指摘し、武力行使には至らないが自衛隊の対応が必要となる「グレーゾーン」対処の事例として▽日本領海で外国潜水艦が沈んだまま退去しない事態▽海上保安庁が対処できない海域や離島での武装集団による不法行為−−を示し、対応するための法整備を求めた。
国連平和維持活動(PKO)の活動中に他国部隊や文民の救援要請に応じる「駆け付け警護」や任務の遂行を妨害する者に対する武器の使用は「武力行使ではなく、憲法上の制約はない」と主張、武器使用基準などを改正すべきだとした。
国連加盟国が一致して制裁を発動する集団安全保障措置では、「憲法9条が我が国の参加まで禁じていると解釈するのは適当ではない」と指摘し、軍事的な活動を含め積極的に参加すべきだと提言。他国の武力行使を自衛隊が支援することは憲法上許されていないと解釈してきた「武力行使の一体化」論については「国際平和協力活動の経験を積んだ今日においては役割を終えた」と廃止を求めた。【青木純】
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