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1.ベトナムで中国人殺される:第二次中越戦争の前触れか
南シナ海の西沙諸島での中越衝突事件後、ベトナム国内で反中運動が激化し、ベトナム内の中国企業が暴徒に襲撃され、死者が出ているようです(注1)。
本ブログでもすでに西沙諸島での中越衝突事件を取り上げています(注2、注3)。
5月15日の午後、日本テレビの報道番組に森本・元防衛大臣が出演して、ベトナム反中暴動は中国を利するというようなコメントをしていました。
ベトナムで中国人が殺害されたとなると、中国軍がベトナムに侵攻する絶好の口実を与えることになります。ベトナム内中国企業の安全確保という名目が成り立ちます。
それでも国際的には、中国支持はなく、ベトナム支持の方が主流でしょうが、そのことは中国もわかっており、今は完全に悪役となっています、そしてアジア地域で中国は孤立化する可能性もありますが、今の中国にとって孤立は怖くないでしょう。
2.60年代初め、ケネディ暗殺後、第一次ベトナム戦争(第二次インドシナ戦争)を仕掛けた米国戦争屋が喜びそうな展開となっている
60年代のベトナム戦争時代、ケネディ(JFK)米民主党政権はベトナム戦争回避を狙っていましたが、JFKは不幸にも63年に暗殺されてしまいました。その後、選挙を経ず自動的に大統領に昇格したJFK政権の副大統領ジョンソンは、米民主党に放たれた米戦争屋エージェントでした。晴れて米大統領になったジョンソンは早速、トンキン湾事件(注4)という米軍(60年代当時、米戦争屋の配下)の仕組んだ偽旗テロを合図に、泥沼のベトナム戦争に突っ込んでいきました。このことから、JFK暗殺の黒幕はベトナム戦争を企んでいた米戦争屋ネオコンCIAではないかと米国民の多くに疑われています。
当時のベトナムは南北に分断され、米軍は南ベトナムを支援、中国・ソ連に支援される北ベトナムとの戦争が勃発しています(注5)。
この戦争によって、米戦争屋配下の米軍事企業は大いに潤いましたが、一方、世界規模にてベトナム反戦運動が起きています(注6)。とりわけ、米国の若者の反戦運動は活発でした。
あれから40数年、世界の人々はベトナム戦争を知らない世代が多数派となっていますが、今日のベトナム情勢は、第二次中越戦争勃発の危機に直面しています。
3.ベトナムの反中デモにも背後で扇動する黒幕がいるのではないか
今回の西沙諸島における中越衝突は、ベトナム戦争終結後の1979年に起きた中越戦争(注7)を連想させます。
ベトナム人は非常に勇敢で命知らずであり、あの米軍があれだけ大掛かりな兵力を投入しても勝てなかったわけです。
一方、70年代末の中国は、米軍がベトナムから撤退したスキを突いて、ベトナムに侵攻しようとしましたが、結局、失敗に終わっています。70年代末の中国はベトナムに長期にかかわる余裕はなかったと思われます。
このような中越関係の過去を考慮すると、今回のベトナムでの反中暴動には、やはり黒幕がいて、巧妙に扇動しているような気がします。
4.戦争しない米オバマ政権をレームダック化したい勢力がベトナムの反中デモを背後から扇動しているのではないか
米オバマ政権は米国の国益に直接関係しない他国の紛争に米軍を動員する気は全くありませんが、そのために、米戦争屋もその配下の米軍事企業も干上がって禁断症状が出ています。彼らは、これまで、シリアで暗躍し、今、ウクライナで暗躍していますが、反戦的なオバマ政権によって巧みに米軍の出動を妨害されています。そこで今度はベトナムでも蠢き始めていると思われます。
本ブログNo.893にて指摘したように、中越衝突には、米戦争屋のみならず、中国軍部の親・米戦争屋勢力が関与していると疑われます、両者に共通する利害は、南シナ海中心に、かつてのベトナム戦争時代と同様の混乱と紛争を引き起こしたいわけです。そうすれば、米戦争屋配下の米軍事企業が潤うし、中国軍部も軍備増強し、国内にて権力強化する口実ができます。さらに、中国が南シナ海を制圧すれば、そこに眠る海底石油ガス資源の開発に、米戦争屋配下の米石油ガス関連企業が参加できて、米戦争屋は潤います。
今、中国はオモテムキ、世界一の米ドル債権国で米ドルをたくさんもっていますから、中国の海底石油ガス開発投資にて米石油ガス関連企業は潤います。米戦争屋からみると、ベトナムやフィリピンに南シナ海の石油ガス開発権益を与えても、両国は中国ほどのドル資産国ではないので、米石油ガス関連企業にとっては、ドル資産大国の中国と密約した方がまだましなのです。
いずれにしても、今の米戦争屋にも、その配下の米軍にも世界の警察官として正義の味方を装う余裕はもうありません。
また、彼ら米戦争屋は配下の米マスコミを使って、世界の警察官を演じる気のないオバマ民主党政権をへっぴり腰だと非難させて、次期大統領選では、威勢のよい米戦争屋系の共和党候補または、もし共和党の人気が復活しない場合は米戦争屋エージェントのヒラリー・クリントン民主党候補を有利に導くハラでしょう。もっとも、米民主党支持者がヒラリーをポスト・オバマの次期大統領候補と認めるかどうかは未知数ですが・・・。
5.米戦争屋は中越戦争が起きたら、日本の自衛隊を米軍の代わりに利用するシナリオをもっているのではないか
近未来、仮に中国軍がベトナムとの国境に集結して、第二次中越戦争の危機となっても、オバマが米軍をベトナムに派遣するかどうかは未知数です、下手すると、米中戦争に発展しますから・・・。
オバマが米軍を動かすかどうかは、結局、ベトナム戦争やイラク戦争で苦い経験をして戦争嫌いになっている米国民がどう反応するかにかかっています。一方、戦争をビジネスとする米戦争屋は米国民の戦争嫌いをよくわかっていますから、最後の手段で、安倍政権をそそのかして、日本の自衛隊を米軍代わりに利用するシナリオも用意していそうです。安倍政権に集団自衛権導入を急がせているのはそのせいでしょう。日本国民はこの70年近く、戦争を経験していませんから、日本国民の底抜けの能天気性に、したたかな米戦争屋は付け込んでくるでしょう。
注1:ロイター“ベトナムの反中デモで初の死者、中国人とみられる16人含む21人死亡”2014年5月15日
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0DV06120140515
注2:本ブログNo.892『南シナ海に眠る(?)海底石油ガスの権益拡大を目指して中国の暴走が始まる:マレーシア航空機行方不明事件との関連性はあるのか』2014年5月11日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/33621831.html
注3:本ブログNo.893『南シナ海における中国の暴走は中国の一部勢力と米国の軍事・石油ガス利権勢力の密約の結果か:軍国化を急ぐ日本は彼らに踊らされていると知れ!』2014年5月11日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/33633945.html
注4:トンキン湾事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E6%B9%BE%E4%BA%8B%E4%BB%B6
注5:ベトナム戦争
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E6%88%A6%E4%BA%89
注6:吉川勇一“ベトナム戦争と反戦運動”
http://www.jca.apc.org/~yyoffice/20seikikan.htm
注7:中越戦争
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%B6%8A%E6%88%A6%E4%BA%89
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