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『美味しんぼ』問題と国家テロ
http://m-hyodo.com/atomic-energy-82/
2014年05月15日 兵頭正俊 兵頭に訊こう
雁屋哲の『美味しんぼ』問題がまだ騒がれている。
原子力村を中心とする既得権益支配層は、福島第1原発事件の被曝疾患を、闇から闇へと葬ってきた。ところが、この漫画に描かれた鼻血については、不思議なことに、「放射能との因果関係はない」、「風評被害を広げるな」としてムキになっている。
雁屋哲の『美味しんぼ』が、エンターテイメントで、自民党の票田のB層に直接に訴えるからだ。
「3.11によっても何も変わらなかった、放射能被曝の死者はゼロだ」というのが、イモビリズム(現状の変革を否定し、何も変わらないことを強制する超保守主義)の日本の姿である。しかし、福島の真実は、雁屋哲の漫画『美味しんぼ』のなかに存在するように思われる。
権力の攻撃に対して雁屋哲のとった方法は、2年余にわたって福島を取材した事実を書くという真面目なものであった。
ところで、真実を書くにはふたつの方法がある。
ひとつは、調べた事実を事実として書くという方法である。
もうひとつは、虚構を通じて真実を書くという方法である。
雁屋哲の表現ジャンルは漫画であるから、方法としてはこのふたつとも可能であった。さらにこのふたつを混在させた方法も可能であった。
しかし雁屋哲が『美味しんぼ』で主として採用したのは、事実を事実として書く方法である。かれはブログ『雁屋哲の今日もまた』のなかで次のように書いている。
5月4日
http://kariyatetsu.com/blog/1685.php
「『美味しんぼ 福島の真実篇』、その22で、鼻血について書いたところ、色々なところで取り上げられてスピリッツ編集部に寄れば、『大騒ぎになっている』そうである。
私は鼻血について書く時に、当然ある程度の反発は折り込み済みだったが、ここまで騒ぎになるとは思わなかった。
で、ここで、私は批判している人たちに反論するべきなのだが、『美味しんぼ』福島篇は、まだ、その23、その24と続く。
その23、特にその24ではもっとはっきりとしたことを言っているので、鼻血ごときで騒いでいる人たちは、発狂するかも知れない。
今まで私に好意的だった人も、背を向けるかも知れない。
私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない。
真実には目をつぶり、誰かさんたちに都合の良い嘘を書けというのだろうか。
『福島は安全』『福島は大丈夫』『福島の復興は前進している』
などと書けばみんな喜んだのかも知れない。
今度の『美味しんぼ』の副題は『福島の真実』である。
私は真実しか書けない。
自己欺瞞は私の一番嫌う物である。
きれい事、耳にあたりの良い言葉を読み、聞きたければ、他のメディアでいくらでも流されている。
今の日本の社会は『自分たちに不都合な真実を嫌い』『心地の良い嘘を求める』空気に包まれている。
『美味しんぼ』が気にいらなければ、そのような『心地の良い』話を読むことをおすすめする。
本格的な反論は、その24が、発行されてからにする」
5月9日
http://kariyatetsu.com/blog/1686.php
「取材などについて
最近、『美味しんぼ』に書いた鼻血の件で、取材の申し込みを色々頂戴しています。
しかし、前にも書いた通り、『美味しんぼ 福島の真実篇』は、この後、その23、その24まで続きます。
取材などは、それから後にお考えになった方が良いと思います。
また、今回の件で、色々な方がスピリッツ編集部に電話をかけてくるそうです。
書いた内容についての責任は全て私にあります。
スピリッツ編集部に電話をかけたり、スピリッツ編集部のホームページなどに、抗議文を送ったりするのはお門違いです。
何かご意見があれば、この私のページ当てにお送り下さい。(後略)」
雁屋哲のいうように、からめ手の編集部に抗議する、といった卑劣なやり口はやめるべきである。作品の内容に批判があるのなら、書いた雁屋を批判したらよい。
胴元を締め上げて個人の口を封じる、といった卑劣で遺制的な手法が日本中に蔓延している。これは民主党が政権をとっているときに、ネット監視に採用した方法なのだが、今はネット住民が平気でこれをやっている。
漫画は個人表現であり、内容に批判があるなら、作者を批判したらよい。この原則を大切にしないと、いずれ自分の首を絞めることになろう。
イモビリズムは、3.11以降に変革を望む国民を警戒し続けてきた。それで、ACTA、「マイナンバー」制度、特定秘密保護法などの様々な国民監視法案で、国民にテロを敢行してきたのである。
国民への国家によるテロで先行しているのは、9.11以後の、米国によるイラク侵攻である。このイラク侵攻と、日本の福島第1原発事件とは、次の6点で共通している。
1 米国の9.11後のイラク侵攻(ボストンマラソンの爆破事件なども含む)は、ディザスター・キャピタリズム(惨事便乗型資本主義)の絶好の材料として利用された。
わが国でも3.11後の福島第1原発事件は、ディザスター・キャピタリズムの好機として捕らえられた。特定秘密保護法、消費税増税、原発輸出と暴走し、現在、集団的自衛権の確立にまで突き進んできている。
2 米国のイラク侵攻は、これから何が起きるかがすべてわかっていた。予測に反することは何も起きなかった。操作された情報の通りに戦争は行われ、戦争はテレビの編集する物語だけに限定された。
日本の福島第1原発事件も、早くからその可能性と危険性が指摘されていた。政府はそれを放置し、福島第1原発事件の後は、真実はテレビのなかだけに見られることとなった。
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