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2014年05月14日
朝日新聞の以下の記事が面白い。選択肢の数が影響して、世論調査の結果が変わる点にスポットを当てているが、設問前段の解説文自体が、選択誘導に繋がっている問題にも言及すべきだろう。常に、彼らマスメディアの常套手段であり、今さらの記事でもある。まぁ、この程度でも世論調査の結果が、質問の形式などに左右される調査であると白状した点は評価しよう。おそらく、朝日新聞にとって好ましくない世論調査の結果が他紙から出た点を重大視した結果だろう。
≪ 集団的自衛権の世論調査、各社で違い 選択肢数など影響
安倍首相が目指す憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認は政治の最大の焦点になっている。それだけに、報道各社は電話による世論調査でこの問題について質問し、民意を探ろうとしているが、調査結果には大きな違いがあるようにみえる。世論調査の回答は、質問の順番や文章などに影響されることがあり、今回は選択肢の立て方や文言が異なっていることが大きそうだ。
4月中旬の共同通信、日本経済新聞・テレビ東京、朝日新聞の調査は、集団的自衛権について説明した上で、憲法の解釈を変えて集団的自衛権を行使できるようにすることに「賛成」か「反対」か、二択で尋ねている。結果は多少異なるものの、いずれも「反対」が「賛成」を上回るという傾向は一致している。
一方、毎日新聞、産経新聞・FNN、読売新聞の調査では選択肢は三つ。集団的自衛権の行使を必要最小限に限るとする、いわゆる「限定容認論」を選択肢に加えたのが特徴で、「全面的に使えるようにすべきだ」「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」「使えるようにする必要はない」といった三択になっている。
結果をみると、「全面」賛成派は1割前後にとどまるが、「限定」賛成派は最多の4〜6割。反対派は2〜4割だった。「全面」と「限定」を合わせると、賛成派は反対派を上回る。
二択では反対派が多数なのに、三択になると賛成派が多数になるのはなぜか。
まず、三択で賛成の選択肢が二つ、反対の選択肢が一つと選択肢の数が異なると、選択肢の多い方が回答の比率は高くなる傾向がある。
さらに、集団的自衛権の 問題は、多くの国民にとって理解が難しい面があるのは確かだ。こうした問題で選択肢が三つ以上あると、中間的な選択肢に回答が集まりがちだ。また、「必要最小限の公共事業」「必要最小限の国民負担」という言葉を思い浮かべれば分かるように、「必要最小限」という文言が加わると、反対しにくくなる。
NHKの4月中旬の調査は選択肢は四つ。「憲法を改正して」と「政府の憲法解釈を変えて」を合わせた「行使を認めるべきだ」は34%で、「政府の憲法解釈と同じく」と「集団的自衛権自体を」を合わせた「認めるべきではない」は42%。反対派が賛成派を少し上回った。
一方、選択肢に「どちらともいえない」が加わった5月9〜11日の調査では、「どちらともいえない」が最多になった。
日本が集団的自衛権を「行使できるようにすべきだ」は30%、「行使できるようにすべきではない」は23%で、「どちらともいえない」は37%。憲法解釈を変更することで集団的自衛権を行使できるようにするという考えについては「賛成」27%、「反対」30%で、「どちらともいえない」は36%だった。(山下剛)
◇
《埼玉大の松本正生・社会調査研究センター長(政治意識論)の話》 集団的自衛権は 難しいテーマなので、報道各社の調査結果に違いがあるのは、有権者がまだ明確な意思を持ち合わせておらず、世論が熟成していないことを示しているのではないか。各社の質問文や選択肢の設け方によって出てきた様々な数字から、世論の多面的な側面を読み取ることができる、ともいえる。そこにこそ、各社がそれぞれ調査を実施する意義がある。 ≫(朝日新聞デジタル)
記事でも白状しているように、中間的回答を選択肢に入れることで、質問者に対し、考えなくても良いから、先ずは選択してよ、と言っているも同然なのである。「必要最小限」「極力」「出来る限り」「どちらとも言えない」等々の言葉のニアンスは、曖昧に生きる事が生活の知恵と思う人々が多い国家においては、非常に逃げ込みやすいお誘いの言葉である。断定的言葉や命令的言葉に、日本人は拒否的だ。そのような生き方の善悪は別にして、そのような民族性なのだろう。こういう民族が大多数を占める国家では、結果的に、政治も行政も曖昧模糊なものになるのは自然なのかもしれない。
埼玉大学の先生が、集団的自衛権に関して「世論が熟成していないことを示しているのではないか。」等と言っているが、日本では集団的自衛権に限らず、多くの政治課題に対して、世論の成熟なんてないわけで、波間に浮かぶ木片のようなもので、自分の考えなど本気で考える人々はごく少数だ。こんな国で、民主主義だとか、自由主義だとか、幻影を追いかけるようなもので、決して民意が政治や行政に反映されることはないだろう。流行には左右されるだろうが、原発事故でさえ忘却の範疇に入りかけている。ただ、「美味しんぼ」のお陰で、低線量放射能被曝、内部被曝が是々非々であっても、話題性を持ったのは意義深い。
≪ 「美味しんぼ」の描写に波紋 被曝で鼻血…抗議相次ぐ
週刊ビッグコミックスピリッツの人気漫画「美味(おい)しんぼ」の東京電力福島第一原発事故をめぐる描写に対し、福島県や地元政界などが12日、発行元の小学館に相次いで抗議した。問題視するのは登場人物が放射線被曝(ひばく)と鼻血の因果関係を指摘したり、「福島に住んではいけない」と述べたりする場面。県内には風評被害への懸念が根強い一方、強まる抗議に「被曝への不安が口にしにくくなる」と心配する声もある。
「福島県民の心情を全く顧みず深く傷つけ、農林水産業や観光業へ深刻な損失を与えかねない」「断固容認できず、極めて遺憾だ」
福島県は12日、ホームページに載せた見解で、鼻血の描写などについて、小学館に対し強く抗議。「原発事故で放出された放射性物質に起因する直接的な健康被害が確認された例はない」とも指摘した。 同日には政府のスポークスマンである菅義偉官房長官も会見で「住民の放射線被曝と鼻血に因果関係はないと、専門家の評価で明らかになっている」と断じた。自民党県連や民主党県議らでつくる会派も相次いで抗議声明を出した。
騒ぎは大学にも飛び火。福島大准教授が12日発売号で除染の効果を否定したことに対し、中井勝己学長は「多方面に迷惑と心配をおかけして大変遺憾。教職員には立場をよく理解して行動と発言をするよう注意喚起する」と談話を出した。
一方、鼻血をめぐる発言をした福島県双葉町の井戸川克隆・前町長は9日の会見で「本当のことをしゃべっただけだ。県が慌てるのはおかしい」と語った。
最新号の描写について、スピリッツ編集部は12日付のホームページで「行政や報道のあり方について議論を深める一助としたい」とコメント。また、19日発売の次号の特集ページで複数の識者の意見や抗議に対する見解を示すとしている。漫画の内容や表現を変える予定はないという。
原作者の雁屋哲氏は、自らのブログで福島に関する作品が続くことを明らかにし、「取材などはそれから後にお考えになった方がよいと思います。書いた内容の責任はすべて私にあります」とコメントしている。(高橋尚之、根岸拓朗)
■「事実と思えない」「実情知る契機に」
福島県民の受け止めは様々だ。 福島市の学童保育指導員佐藤秀樹さん(47)は「放射線への不安は当然ある。それでも多くの人が県内で懸命に子育てをしている事実をどうみているのか」と首をかしげる。内部被曝検査や食品の放射線量をチェックすることで、被曝への不安は少しずつ和らいだ。「事実を積み重ねた表現とは思えない」という。
これに対し、原発事故の刑事責任を問う原発告訴団長の武藤類子さんは「私も事故後、鼻血が出るとの訴えを耳にする。放射性物質の存在も事実だし、因果関係がないとは断定できないはず。鼻血の表現にこぞって大抗議をすることに違和感を覚える」と話した。
ツイッターで批判の口火を切り、つぶやきが1万回以上リツイートされた郡山市の塾講師「順一」さん(32)は「主張を封じるのではなく、問題点を検証し、より多くの人に福島の実情を知ってもらうきっかけになれば」と話す。
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《美味しんぼ》 1983年から連載が始まった人気グルメ漫画。新聞記者を主人公に、様々な食べ物や食文化を紹介する。食にまつわる社会問題を取り上げることも多く、過去には牛乳の製法や化学調味料などをテーマにして物議を醸し、業界からの抗議を受けたこともある。これまでに単行本は110巻が刊行され、累計発行部数は1億2千万部を超える。
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■問題とされた描写
問題とされたのは先月28日と今月12日発売号。前者では福島第一原発の構内を取材した主人公らが原因不明の鼻血を出し、福島県双葉町の井戸川克隆・前町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と語る場面が描かれた。
続く12日号では、井戸川氏の「鼻血や疲労感で苦しむ人が大勢いるのは被ばくしたから」「今の福島に住んではいけない」との発言を紹介。福島大の准教授も実名で登場し「福島はもう住めない、安全には暮らせない」「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います」と語る場面も描かれた。 ≫(朝日新聞デジタル)
放射能の低線量被曝が人体にどのような影響があるか、十分な知見がないのが実情なのだから、既得権益に胡坐をかく医学者の言葉も眉唾物だし、大袈裟に思い込むのも眉唾である可能性がある。つまり、この話題の結論は、現時点でどちらかに軍配を上げるわけにはいかない、と云うことだ。つまり、「美味しんぼ」の作者や井戸川克隆・前町長、福島大の准教授の表現の自由を侵してはならないだろう。「美味しんぼ」に反論のある人は、同じように放射能低線量被曝の福島県調査の結果をつまびらかにし、全国民に、その詳細を報告し、「美味しんぼ」の誤謬を指摘すべきだろう。
この朝日新聞の記事で、最も正直に「原発村存続の願い」を表現してしまったのが、福島大学の中井勝己学長である。「多方面に迷惑と心配をおかけして大変遺憾。教職員には立場をよく理解して行動と発言をするよう注意喚起する」と談話を出した。この馬鹿学長、その場凌ぎのポピュリズムで、学内の言論統制に言及しているのには呆れた。今頃、シマッタ!と思っているかどうかわからない。いずれにせよ、これと云った確証のない話だから、表現してはダメだという論理に無理がある。文句があるなら、山下長崎大学副学長主役の漫画で対抗するのが正当な表現の自由である。「美味しんぼ」の新聞記者をとっちめる漫画を文春から出版することをお勧めする。
また、福島県双葉町の井戸川克隆・前町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と語る場面が描かれた、と云う点だが、笑っちゃいけないが、この井戸川克隆・前町長の発言を前提に国会では、自民党議員が当時の民主党政権を糾弾している。にもかかわらず、そのような議論が国会で行われた事を失念したのか、井戸川克隆・前町長への自民党の攻撃も凄まじい。まぁこのような出鱈目に人の言葉を利用して、野党時代と与党時代で、プラス・マイナスの発言をしても、安倍内閣支率が60%の世論なのだから、何もかもが滅茶苦茶な国である(笑)。
次の話題では、マスメディアの自己規制が如実に表れた好例だ。町田市のマグネシウム火災で消火が出来ないニュースの扱いだ。水を掛けたらエライことになる金属火災。この火事から筆者が連想した金属による火災、或は漏えいによる被害についてだ。このマグネシウムはまだマシである。高速増殖炉「もんじゅ」の冷却用ナトリウムと云う金属に言及するテレビ局はなかった。金属火災の恐怖から、ナトリウムは当然連想できた話だ。テレビ局の社会部記者が馬鹿でも、その程度は気づくはず。敢えて、そのようなニュースの扱いをしなかったのだろう。こうして、国家は腐って行き、意味もなく戦争を始めたりするものだ。そういえばオマケだが、「もんじゅ」内では、発電とは関係ないプルトニウム抽出に精を出しているかも?と云うブログを読んだが、あり得る話だな、と思った。
≪ 消火阻むマグネシウム=燃焼中、水と触れると爆発 −過去に鎮火まで6日間も
東京都町田市の工場の爆発火災では、建物内にあったマグネシウムが水による消火活動を阻んだ。駆け付けた消防隊は延焼しないように周辺の建物に放水するしかなかった。
「水をかけると爆発の危険がある。消防隊は直接放水ができない状態」。消火活動に当たった消防隊員は歯がゆそうな表情で、現場の状況を説明した。
業界団体によると、燃焼中のマグネシウムに水が触れると、水が分解され水素と酸素が発生。爆発を起こしたり、マグネシウムの燃焼を加速させたりすることがある。このため、水による消火は厳禁だ。マグネシウムは消防法の危険物にも指定されている。
火災を起こした工場の1階と2階にマグネシウムがあるほか、工場内の広範囲に危険物があることが判明。内部は高温で、消防隊が突入できない状況だった。
消防隊は工場内の温度が下がるのを待ち、乾燥砂や薬剤を使って、マグネシウムを覆って空気と遮断するなどして、消火することになる。
マグネシウムを扱う施設での火災では、2012年5月に岐阜県のマグネシウム工場で火災があり、鎮火まで6日間かかったケースもあった。 ≫(時事通信)
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