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内需抑え込み中国と敵対
http://gendai.net/articles/view/news/150046
2014年5月9日 【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】 日刊ゲンダイ
安倍首相が招いた株価暴落
ゴールデンウイーク明けの東京市場は平均株価暴落で大荒れとなった。翌日は少し戻したものの、一時の勢いは見られない。「アベノミクス応援団」の日本経済新聞でさえ、「アベノミクス相場 剣が峰」と報じる異変。株価の上昇だけをもって政権の実績とする目くらましも通用しなくなってきた格好だ。6月に打ち出すとされる「第3の矢」への期待感も剥落したようで、株価を押し上げる材料になっていないらしい。
冷静に考えれば、当然である。安倍政権は経済も外交もちぐはぐで、行き当たりばったりだ。何を考えているのか分からない姿になっている。
経済政策でいえば、真っ先にやるべきなのは、国内市場の需要を掘り起こすことだ。いくらカネをジャブジャブにしようが、内需が拡大しなければ、経済は上向いていかない。これは基本のキである。
ところが、安倍政権は個人消費を増税で抑え込んだ。駆け込みの需要は喚起されたが、先取りした分は反動がある。しかも、法人税を減税する一方で外形標準課税を拡大する方針だ。これが理解できない。儲けの出ている企業の公的負担は減らし、儲けの出ていない中小零細企業の公的負担を増やすのである。トップ数%の会社を身軽にしてあげる一方で、輸入インフレのコスト増に苦しんでいる小規模な会社をさらに痛めつけるのだ。はたしてこれが日本経済にどんなプラスをもたらすのか。まったく理解できない。
しかも、儲けている企業の多くは、海外を主戦場にしている。グローバル化に加え、内需が抑え込まれる流れもあり、国外で稼いだカネを日本に還流させているのだ。
そこで世界の市場を見渡すと、各国の期待は依然として中国に集まっている。これは特許の出願件数にも表れていて、各国の大学や企業、発明家は出願先に中国を選んでいるそうだ。件数は日本の2.5倍である。
企業を儲けさせるには、日中関係の改善は欠かせない要素。安倍政権の幹部が足を運ぶのは当然で、首脳会談をお膳立てしようと動いている。ところが、安倍首相本人は、対立をあおるばかりだ。欧州歴訪でも、名指しを避けながら中国を批判する演説をぶったようだ。いったい何のために世界中を駆けずり回っているのか。
場当たりな行動しか取れない人物が日本のかじ取りをしているのだ。株式市場が冷え込むのも当たり前だろう。
【高橋乗宣】
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