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消滅可能性:自治体半数 2040年20〜39歳女性半減
http://mainichi.jp/select/news/20140509k0000m040089000c.html
毎日新聞 2014年05月08日 21時29分(最終更新 05月09日 03時03分)
2040年に20〜39歳女性の減少率が80%を超す自治体(1〜16)
2040年に20〜39歳女性の減少率が80%を超す自治体(17〜31)
全国1800市区町村(政令市の行政区を含む)の49.8%に当たる896自治体で、子どもを産む人の大多数を占める「20〜39歳の女性人口」が2010年からの30年間で5割以上減ることが8日、有識者団体の推計でわかった。896自治体を「消滅可能性都市」と位置付け、有効な手を打たなければ将来消える可能性があるという。また896自治体のうち、40年の人口が1万人を割る523自治体(全体の29.1%)については「消滅の可能性が高い」とし、より衰退の恐れが大きいとした。
推計をしたのは、産業界や学界の有識者らで国のあり方を議論する「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」(座長・増田寛也元総務相)。同日は高齢者を優遇しがちな社会保障制度を改め、子どもの多い世帯を支援するなどの少子化対策も提言、25年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子ども数に相当、12年1.41)を1.8へ引き上げるとした。
国の推計では、10〜15年、地方から大都市に毎年約6万〜8万人が流出する。国はこの流れが20年には落ち着くと想定し、40年に20〜39歳女性が5割以上減る自治体を373としていたが、同会議は6万〜8万人の流出が将来も続くと仮定し、計算をし直した。その結果、40年に20〜39歳の女性人口が10年の5割以下となるのは896自治体で、国の推計の2.4倍に達した。男性も同様に減る。
同会議によると、出生率の水準が今後も変わらず、人口流出も重なったモデル都市でみると、40年には20〜39歳の女性人口が半減し、70〜80年には2割程度に減る。こうした地域は流出人口が出生数を上回って人が減り続ける。医療・介護保険の維持が難しくなって将来消滅する可能性があるという。
中でも青森、岩手、秋田、山形、島根の5県は「消滅可能性都市」が8割以上。24道県では5割以上を占め、トップの秋田は県内25市町村のうち24市町村が該当する。全国で最も減少率が高かったのは群馬県南牧村(89.9%)。一方、東京23区でも豊島区は唯一消滅の可能性があるという。
同会議は、地方の人口を吸収し大都市のみ残る国の姿を「極点社会」と呼ぶ。その防止策として、8日は正規雇用の拡大などで年収を倍増させ、25年をめどに30代後半の夫婦の合計年収を500万円に引き上げる構想を打ち出した。また男性が仕事の後に育児や家事に参加できるようにするため、残業代の割増率を今の25%から50%へ引き上げ、企業に残業を避けるよう促すべきだとした。
必要な経費は公的年金等控除など、高齢世代を優遇している税制の見直しなどで工面するよう求めている。【中島和哉】
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