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田原総一朗:大胆な「幹部官僚人事」で霞が関を改革せよ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140509-00000002-fukkou-bus_all
nikkei BPnet 5月9日(金)8時36分配信
連休明けの5月7日の株式市場で、日経平均株価が前週末比424円超下落して1万4033円台になった。8日午前にはその反動から買い戻されたものの、午前の終値は1万4186円台にとどまった。
■約128兆円にのぼるGPIFの運用資産
株式急落の引き金になったのは米国株の下落といわれる。ウクライナ情勢の悪化などにより、世界的にリスクを回避する動きが強まったためだ。
しかし、日本株だけが大幅に下がったのは、ほかに原因が考えられる。その一つが年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金運用をめぐる問題だ。GPIFは国民年金と厚生年金の積立金運用を行っており、その運用資産額は2013年末時点で約128兆円にのぼる。
これまで約6割を国内債券で運用してきたが、昨年11月に「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」が甘利明経済財政・再生相に報告書を提出し、株式の運用を増やすように提言した。GPIFは早ければ年内に資産構成割合を見直すとしていた。
今年4月半ば、麻生太郎副総理・財務相は「(GPIFについては)6月以降に動きが出てくる」と述べ、GPIFが日本株の買い増しに動く可能性を示唆した。
■20%台の法人減税という「大玉」
ところが、GPIFを所管する厚生労働省をはじめ政府・与党内からも「国民の年金資産でリスクをとるのはいかがなものか」といった意見が出され、GPIFによる株式買い増しの流れは後退したかのように見える。今回の株式急落はこうした問題も影響していると指摘される。
しかし私は、やはりアベノミクス「第3の矢」(成長戦略)への期待が揺らいでいることが日本株下落の一番の原因ではないかと思う。「第1の矢」(金融緩和)、「第2の矢」(財政出動)は成功したといってよいが、「第3の矢」はどういう形で放たれるのか、投資家にはよくわからないのだ。
今年6月に追加発表される成長戦略では「国家戦略特区」が打ち出されるが、その特区制度で具体的に何が変わるのか、投資家も国民も理解できていない。
私は、今ここで安倍晋三首相が国民に向けて、そして世界に向けて、わかりやすい「大玉」を打ち上げるべきだと思う。その大玉の一つは、大胆な法人税引き下げである。
日本の法人税は35.64%(東京都)と世界の中でも高い。これを20%台まで引き下げることを宣言する。この法人減税は、世界が期待しているはずである。
■「内閣の人事」と「霞が関の幹部人事」
法人税の引き下げ以上にインパクトがあるのが人事だ。人事には二つある。
一つは内閣の人事、すなわち内閣改造である。国家戦略特区の狙いは「岩盤規制」の突破だが、規制改革という難しい政治課題に本気で取り組む姿勢を内閣改造で示すべきだろう。
もう一つは官僚の人事である。内閣が改造されてもこの国のあり方はなかなか変わらない。なぜなら、日本の中央集権的な統治機構では、霞が関の官僚が大きな権限を握っているからである。
夏の幹部人事を視野に入れ、約600人の省庁幹部人事を一元管理する「内閣人事局」がこの5月に発足する。これからは内閣人事局が幹部候補者の名簿を取りまとめ、首相、官房長官、閣僚らが幹部人事に直接関わることになる。省益にこだわらずに大胆な人事を行うことができれば、霞が関の改革につながるだろう。
私はこの人事改革に大いに期待している。たとえば財務省と経済産業省の局長を入れ替えるぐらいの思い切った人事をしてほしい。そうすれば、「日本は本気で変わろうとしている」というメッセージを世界に向けて発信できるはずだ。
■覚悟をもって官僚人事を行えるか
内閣人事局の初代局長には杉田和博官房副長官が兼務で就任する、といった報道があるが、それは官僚が流す情報に基づいたものであり、まだ決まっているわけではない。
杉田氏は警察官僚の出身であることから、「結局は官僚人事を官僚がやるのではないか」という声がある。だが、私の考えは違う。菅義偉官房長官が官僚の幹部人事を仕切ることができれば、思い切ったことができるだろう。むしろ、それが期待されているのではないか。
政治主導の官僚人事は恣意的なものになるといった懸念もメディアで報道されているが、それも官僚が口にする批判の一つで、官僚が流す情報にメディアが乗っているだけのことだ。
安倍内閣はどこまで覚悟をもって霞が関官僚の幹部人事をやれるか。今後の大きな見どころといえるだろう。
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