http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/277.html
Tweet |
「官僚に完全に支配されている日本」(EJ第3786号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/396511420.html
2014年05月09日 Electronic Journal
2012年11月14日──すべてはこの日の「野田首相と安
倍自民党総裁」の党首会談からはじまったのです。会談のなかで
野田首相が解散宣言をしたからです。前代未聞のことです。
事前に話し合いができていたわけではないのです。野田首相の
一方的な解散宣言です。それはなぜか自信に溢れているように見
えたのです。一刻も早い解散を望んでいたはずの安倍総裁も一瞬
意表を衝かれて、あっけにとられた感じの表情だったことが今で
も印象に残っています。
実は野田首相に解散を熱心に勧めていたのは、真砂靖財務事務
次官だったといわれています。真砂事務次官は勝栄二郎事務次官
の後任ですが、彼には財務省元老院から重大な任務が与えられて
いたのです。それは、野田首相に解散を促すことです。
というのは、11月の時点でも特例公債法案が成立しておらず
予算の枯渇が眼前に迫っていたからです。真砂事務次官が野田首
相に囁いたのは次の言葉です。
―――――――――――――――――――――――――――――
総理!いまなら、負けを最小限にできますよ
──倉山満著
『増税と政局・暗闘50年史』より/イースト新書027刊
―――――――――――――――――――――――――――――
真砂事務次官は自民党にも接近し、もし解散なら、特例公債法
案を即日可決するだけでなく、これを3年間は政争の具にしない
という与野党合意を成立させるよう根回しをしていたのです。
もし、年内に解散すれば民主党が大敗することは、野田首相自
身もわかっていたのです。問題は負けをどのくらい小さくできる
かが読み切れていなかったのです。
そのときに「負けを最小限にできる」という言葉は、野田氏の
気持ちを揺さぶったのです。大負けしても少なくとも100議席
は取れると考えていたと思います。この数を確保できれば、自民
党と連立を組むことも不可能ではない。やるなら、今しかない。
そう考えて解散に踏み切ったのです。まさか50議席に落ち込む
などとは考えていなかったと思います。民主党に対する国民の怒
りがどれほど激しいものであったかを読み違えたのです。
民主主義の基本は、立法、行政、司法の三権分立にあります。
日本にも立法府としての「国会」、行政府としての「内閣」、司
法府としての「裁判所」という3つの独立した機関があって、三
権分立の原則を定めています。
ところが日本の場合、「国会」と「内閣」については、官庁が
強大な権限を有して支配しています。なかでも財務省はスーパー
パワーを有しており、国会議員はもとより閣僚であっても、対抗
不能な力を有しています。彼らが協力しなければ、国会議員は何
もできないのです。しかし、そのようにしてしまったのは、政治
家自身であるといえます。
国会について考えてみます。米国では、法律も予算も議会が作
るのですが、日本では法律の作成も予算の編成も政治家ではなく
官庁がやっており、それを国会に提出しています。とくに予算に
関しては、財務省に丸投げしてしまっており、それが当たり前に
なっています。
これでは、官僚機構は自分たちのやりたいことはすべて盛り込
んで予算を出してくるので、ムダの典型とされる高級官僚の天下
りの削減などが実現できるはずがないのです。
もちろん議員立法による法律の国会提出もありますが、日本の
国会では、90%が政府提案であり、議員立法は10%を切る状
況です。政府提案の法律のほとんどは、本来なら行政を司る内閣
の下部機関である官庁が、作っているのです。
内閣について考えてみましょう。行政府とは内閣のことですが
日本の行政の主体は官庁になっています。各官庁のトップは国民
によって選ばれた政治家である大臣ですが、実質的に行政業務を
差配し、政策を決定しているのは大臣ではなく官僚のトップであ
る各官庁の事務次官なのです。
司法に関してもおかしなことは山ほどあります。このことは、
EJの「自民党でいいのか」というテーマで詳しく追及している
ので、ここで繰り返すことはしませんが、司法も官僚の手に委ね
られているといえます。
こういうことを長い間──明治維新から現代まで──にわたっ
てやってきた結果、官僚機構が日本の事実上の支配者になってし
まったのです。別に彼らがそうしたいと思ってそうなったという
よりも、政治家がそうさせてしまったといえます。こういう政治
家の怠慢は厳しく責められるべきです。
しかし、官僚機構に政治をまかせていけば、国民生活は豊かに
なることはないのです。これについて、元財務官僚の高橋洋一氏
は、次のようにいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
もともと選挙で選ばれたわけではない官僚に「国民に対する責
任を持て」といっても、制度的に無理がある。官僚は熱心に仕
事をするが、それは国民のためではなく、自分が属している組
織のためである。みずからの属する省庁の組織を大きくし、権
限を強め、その力の及ぶ範囲を拡大することこそ、彼らの行動
原理なのである。政治家は、そういう官僚に国のあり方を決め
るような仕事をゆだねていてはいけない。
─ ─高橋洋一著/東洋経済新報社刊
『財務省の逆襲/誰のための消費税増税だったのか』
―――――――――――――――――――――――――――――
2014年1月4日から4ヶ月間、84回にわたって書いてき
た「消費税増税を考える」は、今回をもって終了します。既に消
費税は第1段階の5%〜8%への引き上げは実施され、2015
年10月からの8%〜10%への引き上げも結局は実施されると
思っています。もし、やらないと、アベノミクスの失敗を印象づ
けるからです。日本経済のこれからが懸念されます。
──[消費税増税を考える/最終回/84]
≪画像および関連情報≫
●10%消費税増税を巡る奇妙な不調和/極東ブログ
―――――――――――――――――――――――――――
消費税増税法で平成27年10月に予定される消費税率8%
から10%への引き上げに関し、政府が実施の判断時期を当
初想定していた同年4月から、27年度税制改正を取りまと
める26年末に4カ月程度前倒しすることで調整を進めてい
ることが2013年10月7日、分かった。政府高官は7日
10%に引き上げるかどうかを判断する時期について「来年
中に判断することになるだろう」と述べた。別の高官は「増
税判断の前倒しに備えて26、27年の経済成長が維持でき
るよう大規模な経済対策を今回取りまとめた」と指摘した。
10%増税の是非を判断する時期は、8%への引き上げを決
断したときと同様、景気動向を踏まえて6カ月前の27年4
月とされていた。ただ、各年度の予算は、税収見込みを決定
した上で赤字国債規模などを計算し、前年の12月末に閣議
決定するのが通例だ。軽減税率の導入も税制大綱に盛り込む
方が混乱が少ないとみて、判断時期を前倒しする必要がある
と判断した。27年4月には統一地方選が行われるため、政
治の混乱を回避する狙いもある。安倍晋三首相はデフレ脱却
を最優先課題に掲げており、10%への税率引き上げを決断
する場合は成長軌道を確保できる見通しが立つことを条件に
する考えだ。まずは8%増税後の成長軌道を確保するため、
規制緩和や国家戦略特区などの経済対策をさらに加速させる
ことができるかが試金石となる。 http://bit.ly/1mtBJ3l
―――――――――――――――――――――――――――
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK165掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。