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2014-05-08 09:58:35
安倍首相が、ちょっとたじろいでいます。6月22日までの今国会会期中に閣議決定しようとしていた集団的自衛権の行使容認という解釈改憲を、国会後に延期する方向で検討を始めたそうです。このニュースは、朝日新聞が本日5月8日の朝刊一面トップで伝えました。
解釈改憲に前のめりだった安倍首相も、世論の反発の強さと、連立を組んでいる公明党の慎重姿勢が固いのを見て、閣議決定の時期をやや遅らせる方向へ、やや譲歩せざるを得ないと判断したようです。ただ、秋の臨時国会までに閣議決定する方針は変えていないようで、決して安心できる状態ではありません。
政権党が暴走し始めたとき、それを止めて正常な軌道に戻すのが野党の存在意義のはずですが、いまはほとんど機能していませんよね。それだけにいまとなっては、公明党の頑張りに期待するや大です。情けないことに。
もちろん、公明党にも多くは期待できない。安倍首相は、今回は公明党に配慮したのだから、今度は公明党が応えてくださいよ、という論理で、秋の臨時国会前の閣議決定に同意を迫ります。公明党の代表格で閣僚入りしている大田国交相も署名しないわけにはいかない状況にする戦術的譲歩のようです。
公明党の中には、今回先延ばしすれば、集団的自衛権の関連法案の審議も先延ばしになり、来春には統一地方選挙もあるので、どんどん先へ延ばせるという思惑もあるようですが、甘すぎるでしょうね。
なにしろ安倍首相は、昨日5月7日のブリュッセルでの記者会見で、「安保法制懇から12日の週にも報告書をもらう段取りだ」と、集団的自衛権の行使容認を”国際公約”としました。依然、前のめりは変わっていないのです。
ところで、集団的自衛権とはどういうことなのか。元内閣法制局長官の坂田雅裕氏は、最近アップされたブログのなかでこう発言しています。
以下引用
自衛隊はなぜ「自衛隊」なのか。読んで字の通り、実力行使が認められるのは自らの国に武力攻撃があった場合に限られます。外国に出かけていって戦争に加わるようになれば、他国の軍隊と変わりません。政権が本気でそれを目指すのであれば、「日本は平和主義をやめる」と国民にはっきり言うべきです。
集団的自衛権の行使を認めようとする人たちは「(同盟国が)殴られているのに助けないのか」と言いますが、殴られているんじゃなくて、他の国が勝手に殴り合いをしているわけです。仲裁することはあってもどちらか一方に味方する行為を、日本の国民は望むでしょうか。
「解釈改憲」や「限定容認論」という言葉から、100%の平和主義を90%に緩めるだけで「九条はちゃんと残る」と思っている人も多い。でも、違います。解釈を変えたらすべてを失うことになる。オール・オア・ナッシングだと理解してほしい。
改憲に必要な国民投票で過半数の賛成を得る自信がないからといって、九条の解釈を一方の理論で変えてしまうのは政治の王道ではない。政治的に数が多ければ解釈すら自在に変えられるという考え方は、立憲主義の否定です。
解釈を変えるなら、合理的に説明できるものでなければならない。安倍さんがしようとしていることは、その矩(のり)を超えています。
以上引用終わり
要するに、安倍というこすっからい男がやろうとしていることは、表門からは入れないので、「そっと裏門から入ろう」という盗人のような態度です。
それでもやられてしまえば、日本の「平和主義」はおしまいです。「平和国家」という立居姿は、これこそがこの21世紀にあるべき国の姿ではないでしょうか。それを、安倍というつまらん男の一存でおじゃんにされようとしているのです。
TPP(環太平洋経済連携協定)でアメリカの要求をのまされ、また集団的自衛権の行使容認で米軍の下請けをさせられる従属国へ、「日本は今もずっと負け続けている永続敗戦中の国」だそうです。
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