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2014年 05月 07日
いよいよ来週には、安倍官邸の有識者会議(安保法制懇)が、集団的自衛権の行使に関する報告書を首相に提出することになるのだけど・・・。
それを目前に控えて、「安倍官邸+高村」陣営と「公明党+石破」陣営の間の駆け引き、攻防が激しくなっている。(@@)
これは、『石破と公明党は、安倍の解釈改憲を阻止できるのか?+衆院議長も安倍暴走を懸念』『迷走し始めた解釈改憲の政府方針~自公&官邸間の落としどころは見つかるのか?』の続報になるのだが・・・。
安倍官邸としては、報告書を受け取った後、自公の与野党協議をスムーズに進め、何とか6月22日の通常国会の会期末でまでに解釈改憲の閣議決定をしたいところ。
しかも、できれば、少し早めに閣議決定を行ない、通常国会の日程の日程でちょこっと国会でも扱い、それで国会の議論も済ませたことにして、7~8月には関連法の改正の準備に取り組みたいと考えている。^^;
しかし、公明党は今でも強固に「集団的自衛権の行使」自体や政府による「解釈改憲」という手法に慎重な姿勢を見せており、簡単に譲歩する気配はない。(・・)
支持母体の創価学会が、以前から「集団的自衛権の行使」に強く反対しており、公明党の閣僚が解釈改憲の閣議決定の書面に署名することを、とても許容しそうにないという。^^;
そこで、石破幹事長は、公明党に配慮しつつも、現実的な視点から米国との軍事協力を進めることを考えて、いくつかの提案を行ない始めているのだが。
安倍首相&周辺が、なかなかそれに応じようとしないため、両者の溝がどんどん深まっているのである。(@@)
* * * * *
先日も、こんな記事が出ていた。(・・)、
『安倍は4月2日、自民党副総裁の高村正彦や幹事長の石破茂、官房長官の菅義偉を首相公邸に集めた。憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使に向け、慎重な公明党をどう説得するかを協議するためだった。
政権中枢の意見は割れた。石破は公明党に配慮し、集団的自衛権を認める閣議決定の先送りを提案した。だが、安倍は「集団的自衛権という言葉は外せない」と強い調子で語り、石破の案を退けた。
側近が別の場で「閣議決定で集団的という言葉を使わない選択肢もある」と水を向けた時も、安倍は「全然だめだ」と言い切った。側近は確信する。
「首相の決意は本物だ」
安倍はなぜこだわるのか。周辺が狙いを語る。「まず解釈を変更し、できる範囲で集団的自衛権を認める。だがそれだけでは国際標準の安全保障は実現できない。やはり憲法を改正するしかないと、はっきりする」。安倍にとって集団的自衛権は本格的な改憲への一里塚というわけだ。(朝日新聞14年5月2日)』
* * * * *
公明党は、ともかく「集団的自衛権」という名のつくものを認めるわけには行かないと。米軍と協力して軍事活動を行なう必要性は認めるが、安倍官邸が具体事例として挙げていることは、個別的自衛権や警察権の範囲を拡大すれば対応できるので、「集団的自衛権」の行使を容認する解釈改憲をする必要はないと主張している。(・・)
他方、石破氏は、もともと安倍首相よりも熱心に、日本の安保軍事戦略や「集団的自衛権の行使容認」に取り組んでいる人なのだけど。<自他ともに見える「国防オタクだからね。>
ただ、安倍首相のように個人の超保守思想(ロマン?)や政治理念にこだわることはないし。もっと現実的に、かつ理論的に日本の安保軍事戦略を考えるタイプだ。(++)
しかも、石破氏は党TOPの幹事長ゆえ、公明党との連立関係&選挙協力を重視しなければならない立場にあるわけで。来年に統一地方選を控えていることを考えれば尚更に、公明党との関係を壊すことはできない。^^;
<自民党は、辺野古移設が争点になった1月の名護市長選で、公明党が自主投票に回ったこともあって惨敗することに。
自民党内には、もし沖縄県内の地方選で連敗したら、辺野古移設の推進&日米関係に大きな影響が生じるのではと懸念する声が出ていたのだが。その後、同じ沖縄県の石垣市、沖縄市の市長選、さらには、鹿児島2区の衆院補選は、公明党の協力を得て連勝することができたわけで。公明党の選挙協力の重要性を思い知らされているところがあるんだよね。^^;(公明党が思い知らせた、と見ることもできるかも。(@@)>
そこで、石破氏は、何とか公明党の主張を取り入れて、「集団的自衛権」という言葉は使わないようにとか、「解釈改憲」自体をを先送りするとかしながら、現実的に米国と協力しての軍事活動を促進できるような方法を考えようとして、アレコレと動いているのである。(@@)
石破幹事長がこのGWに訪米して、バイデン副大統領や国防関係者と会談を行なったのも、そのためだろう。(・・)
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
石破氏が、今、安保戦略において最も重視しているのは、今年12月に行なう予定の日米ガイドライン(防衛方針)の改定&尖閣防衛だ。(・・)
米国は、財政難のため軍事予算が削減されることから、まずはともかく、自衛隊ができる範囲で、日本周辺での安保軍事活動を負担してくれること(米軍のアシストを含む)を望んでいるのであって。必ずしも、今すぐ日本に全面的な集団的自衛権の行使容認を求めているわけではない。
また日本としては、中国の侵略を阻止するために、尖閣諸島などの離島防衛に力を入れたい&米国の協力も得たいところなのであるが。これは自国の領土内のことゆえ、個別的自衛権+αで、十分に対応し得る。(++)
そこで、石破氏は、日本側の状況を説明し米国に理解を求めると共に、米国の要望をきいて、具体的にどのような範囲での活動を認めればいいのか確認したのではないかと察する。(・・)
<石破氏は、米国防族の議員やスタッフとは付き合いが長いし。一緒にシンポジウムなどにも参加しているので、率直なところ、彼らは安倍首相&側近よりもはるかに石破氏のことを信頼していると思うし。「現実的、実務的に話ができる&仕事もできる人だ」と考えているのではないかと思うです。^^;>
実際、石破氏は、バイデン副大統領との会談では、『集団的自衛権の行使に向けたスケジュールについて「行使が可能となるには1、2年かかる」と伝えた。石破氏は、行使容認に慎重な立場の公明党の理解を得るほか、韓国や中国などの周辺諸国にも理解を求めるため、十数本とされる関連法案の審議を丁寧に進めていく考えを説明した』という。(朝日新聞14年5月2日)』
<先月も、アーミテージ元国務副長官に「集団的自衛権の議論を急ぐ必要はない」と言わせている(言ってもらってる?)し。石破氏としては、何とか米側からのメッセージを利用したり、アシストを得たりして、解釈改憲の時期を遅らせたいと考えているのかも。(@@)>
* * * * *
さらに、石破氏は、公明党との協議が難航することを念頭に置いて、秋の臨時国会では、個別的自衛権で対応できるグレーゾーンの活動の法改正を先行させる意向を表明したとのこと。
安倍首相らと異なり、かなり時間をかけて、集団的自衛権の行使の問題や法整備に取り組んで行くつもりでいることがわかる。(・・)
『自民党の石破茂幹事長は三日夜(日本時間四日昼)、集団的自衛権を行使できるようにするための法整備について「自公の合意が七、八月までずれ込めば(秋の)臨時国会では無理だ」と述べた。同行記者団の質問に答えた。
一方で石破氏は、離島など領域の警備を強化する法整備を秋の臨時国会で先行させたいとの意向を表明した。「個別的自衛権で対応可能だし、事態の切迫性から言えば優先度は上だ」と述べた。領域警備は他国による組織立った武力攻撃に至る前の段階で、グレーゾーンとも呼ばれている。
石破氏は安保関係で想定される法整備は(1)グレーゾーン対応(2)集団的自衛権行使(3)国連平和維持活動(PKO)など集団安全保障-の三分野になると指摘。「どれも大法案で一つの国会では難しい。(秋の)臨時国会や(来年の)通常国会でめどを付けなければならない」と強調した。(東京新聞14年5月4日)』
公明党も石破幹事長の考えに理解を示している様子。<たぶん、両者で協議済みなのだろう。>
『公明党は、個別のケースを議論すべきだと主張しており、党内では、時間のかかる集団的自衛権の行使容認を巡る議論よりも、外国の潜水艦が領海からの退去要求に応じない場合など、武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーンに対処するための法整備などの検討を先行させるべきだという意見が出ています。
党の安全保障政策を統括する北側副代表も4日、「PKO活動や、いわゆるグレーゾーンへの対応については、従来の政府の憲法解釈のなかで、やっていける分野であり、合意できるところから始めるのも1つの方法だ」と述べており、与党内の議論の進め方を巡って調整が行われる見通しです。(NHK14年5月4日)』
おそらく、「公明党&石破」陣営はこの路線を主張して、「安倍官邸&高村」陣営に対抗して行くのではないかと思われる。(**)
* * * * *
他方、安倍首相は、党内の意見集約や公明党との協議に関して、石破幹事長よりも高村副総裁に頼るようになっている。
安倍首相は、もともと石破氏とは思想も異なり、仲もよくないし。「集団的自衛権の行使」に関しても、その中身や実行する際のプロセスなどで考えが合わないことから、高村氏に委ねた方が、自分の思うような形でコトが進めやすいと考えたのだろう。(~_~;)
そして、mewが驚いたのは、自民党内には今回の「解釈改憲」に懐疑的な人、慎重な人が少なからずいたのに、高村副総裁が党内の会合で、突然「砂川判決根拠論」&それに基づく「限定容認論」を持ち出したところ、党内の議員たちの大部分が黙ってしまったことだった。 (・o・)
<高村副総裁いわく、自分の説明が効いて、勝負あったということになったらしい。(自画自賛ってやつ?^^;)>
『自民党内の議論が収束に向かったのは、高村が砂川事件の最高裁判決(1959年)を持ち出してからだと言われている。(中略)
それを出すとなぜ議論が収まるのか。高村に聞くと苦笑して答えた。
「(自民党の)総務懇談会(3月17日)で(安易な憲法解釈変更は)立憲主義に反するという話が出たので、『その通りだけど、憲法の番人である最高裁はこう言ってますよ』と私が説明したわけです」
「そしたら、後で数人から『あれで勝負ありましたね』と言われてね。あ、これ効くんだと思った。いわば総務懇談会における成功体験から、そういう流れになったんですよ」(毎日新聞14年4月7日/風知草・山田孝男より)>』
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このブログには何度も書いているように、争点の異なる砂川判決の都合のいい部分を切り取って、憲法9条が集団的自衛権の行使を認めている根拠にするなんていう見解は、どの憲法や司法関係者もきいたことがないというような超異端なものであって。
そんなわけのわからないような異端説を唱えられて、すぐに納得してしまう自民党議員のアタマの程度が知れるというものだけど・・・。(@@)
<一般社会もそうかも知れないけど。自分で勉強したり、ものを考えたりする力のない議員がどんどん多くなっちゃっているのかもね~。(~_~;)>
上の記事には『自民党内の異論はなぜ収まったか。もともと改憲政党だからという面もあろうが、高村の経験、貫禄が物を言ったと思う』と記されていたのだけど。
確かに、安倍首相(内閣)の支持率と強権に加えて、高村副総裁の貫禄がものを言った可能性がある。^^;
<あの2人には逆らわない方が得策だと思わせるものがあった、という意味でね。(-"-)>
* * * * *
さらに、安倍官邸は、早い段階から内閣&党役員人事の改造をエサとして目の前にぶら下げて(馬の前にニンジン作戦?)、何とか慎重派の議員たちを押さえ込んで、党全体が安倍官邸に協力するように仕向けようともしている。(@@)
『安倍晋三首相は、内閣改造と自民党執行部人事を8月末以降に行う方向で調整に入った。複数の政権幹部が28日、明らかにした。早ければ6月22日の通常国会会期末の直後にも実施する構えだったが、集団的自衛権の行使容認など政策遂行に向けて求心力を維持するため「人事カード」を当面温存する判断に傾いた。(共同通信14年4月28日)』
自民党は、09~12年まで3年間、政権を担当していなかったこともあり、まだ閣僚になったことがなく初入閣を待ち望んでいる閣僚適齢期(衆院5~6期以上、参院3期以上)の議員が 50人以上いるとのこと。<一度でもいいから閣僚になれるか否かで、その後の待遇が様々な面で大違いなんだよね。(~_~;)>
それゆえ、各派閥は、閣僚適齢期の議員をひとりでも多く入閣させたい&現在の要職はできるだけキープしたい、また自分たちが関わっている利権をキープしたいという思いが強いだけに、オモテでウラで様々な駆け引きが繰り広げられているのが実情なのである。^^;
<この件は、機会があったら改めて書きたいのだが。たとえば、mewは、ハト派の宏池会&OBながら実質的に派閥を仕切っている古賀誠氏らが、解釈改憲には強く反対する姿勢を示していたことに大きな期待を寄せていたのだけど。
でも、古賀氏らも自派閥の岸田外務大臣ら4人の閣僚の留任(or自派閥からの新入閣)と引き換えに、黙ってしまう可能性があるんだよね。(>_<) 関連記事*1>
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また、高村氏は、公明党の幹部とも頻繁に接触して、何とか解釈改憲に理解を得ようと懸命になっている様子。何と中国訪問中も、説得工作を続けているという。(@@)、
『4日から超党派議連で北京を訪問中の高村正彦・自民党副総裁と北側一雄・公明党副代表が非公式協議を断続的に行っているが、着地点は見えてこない。
与党協議責任者の高村、北側両氏は北京訪問中、他のメンバーと別の乗用車で移動している。車内では、来週予定される政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」の報告書提出後、本格化する与党協議に向けた事前調整を行っているとみられる。
安保法制懇で議論された、米艦の防護やシーレーン(海上交通路)の機雷除去などについて、公明党は「個別的自衛権や警察権などで対応できる」と、集団的自衛権の行使容認に否定的だ。政府・自民党は非公式に公明党に、朝鮮半島有事などの際に非戦闘員を乗せて日本に避難する外国航空機・艦船の護衛など新たな事例も打診したが、折り合いはついていない。
(読売新聞14年5月6日)』
『北側氏は、自民党の石破茂幹事長が離島など領域の警備を強化する法整備を先行させる考えを示したことについて、「従来の政府解釈で行える分野なので、合意できるところから始めるのも一つの方法だ」と述べ、与党協議で優先的に扱う意向を明らかにした。同市内で記者団に答えた。(産経新聞14年5月4日)』(同市内=北京市内)
* * * * *
いつも書いているように、安倍首相は、自らの手で現憲法の9条を実質的に骨抜きにして、彼らが否定する戦後体制&その象徴である「平和主義」を壊したいがために、集団的自衛権の行使容認&解釈改憲を行いたいという気持ちが強い。(-"-)
それだけに、果たして「公明党&石破」陣営の提案をどこまで取り入れるのか、ビミョ~なところなのだけど・・・。(~_~;)
残念ながら、解釈改憲に反対する野党の政党、議員が少数しかいない中、今は、公明党こそが最も頼りになる存在なわけで。
どうか公明党には、結局、自衛隊のイラク派遣に賛成してしまった時のように、連立維持したさに&何らかの取引条件と引き換えに、決して譲歩しないで欲しいと願うばかりだし。
公明党には、特定の派閥に属さず、派閥の力学が及びにくい石破幹事長と力を合わせて、ともかく年内の解釈改憲を食い止めて欲しいと。<公明党の閣僚は、絶対に閣議決定で署名しないと宣言&グレーゾーンから先にやると主張し続けて欲しいです。 o(^-^)o>
で、その間に何とか安倍内閣の支持率を低下させて、安倍氏を首相の座からひきおろせるような状況を作らなければと、マジで考えているmewなのだった。(@@)
THANKS
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