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2014年05月07日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆安倍晋三首相が続く限り、日中関係改善は絶望的であることがはっきりした。それどころか、中国共産党1党独裁北京政府の習近平国家主席、李克強首相ら「チャイナ・セブン」の最高指導部が、小沢一郎首相誕生を念頭に、日本政界の分断を図ろうとしている戦略が鮮明になってきた。
これは、超党派の国会議員でつくる日中友好議員連盟(高村正彦会長=自民党副総裁はじめ、民主党の岡田克也元代表、公明党の北側一雄副代表、日本維新の会の園田博之・国会議員団幹事長代理、共産党の穀田恵二・国会対策委員長ら9人)の訪中団が5月4日、北京入りし、釣魚台迎賓館で中日友好協会の唐家璇(とうかせん)会長(元国務委員)と会談、5日午後は、共産党序列3位の張徳江・全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員長(江沢民元国家主席に近いとされる保守派、北朝鮮に留学経験もあり、北朝鮮情勢に詳しい)と北京市の人民大会堂で会談した結果、思い知らされた。
◆高村正彦会長は、唐家璇会長との会談で11月に北京市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での日中首脳会談実現に期待感を示した。
しかし、高村正彦会長と張徳江・常務委員長との会談では、冒頭から歴史認識や尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐり意見が対立、激しい応酬が行われて、関係改善への糸口は見えなかった。産経新聞msn産経ニュースが5月6日午前8時7分、「日中議連の高村氏、張氏と尖閣・歴史で激しい応酬 日中首脳会談の道筋みえず」という見出しをつけて以下のように配信している。
「高村氏『中国が現状を力で変えようとしていると日本国民は思っている』、張氏『中国固有の領土であり絶対に譲れない』、高村氏『われわれが一方的に応えるのではなく、首脳会談の実現には相互の努力が必要だ』」
張徳江・常務委員長は、日中首脳会談実現には、安倍晋三首相が「靖国神社公式参拝」と「尖閣諸島国有化」問題を解決することを条件として示している。だが、安倍晋三首相は「前提条件なし」の首脳会談を要求している。このため、実現は難しい。
◆しかも、中国側は、「したたか」である。超党派の訪中団が、わざわざ北京入りしたチャンスを捉えて、日本の国会議員と与野党の分断工作を露骨に示してきたからである。
習近平国家主席は2012年11月に中国共産党総書記に、2013年3月15日、国家就任後、李克強首相とともに小沢一郎代表に再三電話連絡して、「面会したい」と申し込んできた。これに対して、小沢一郎代表は「二重外交になる」と批判されるのを恐れて、面会を遠慮してきた。習近平国家主席や李克強首相は、小沢一郎首相誕生を待望しているのだ。
その思いを受けて唐家璇会長が5日午前、議員連盟訪中団が宿泊している北京市内のホテルを訪れ、民主党の岡田克也元代表、公明党の北側一雄副代表と個別に会談したのである。唐家璇会長は、小沢一郎代表や田中眞紀子元外相と極めて親しい間柄だ。岡田克也元代表は、小沢一郎代表と近かったが、いまは距離を置いている。公明党は中国北京政府と友好関係を維持しており、習近平党総書記(次期国家主席)は2013年1月25日、党総書記に就任して初めて、山口那津男代表との会見に応じた。ただし、山口那津男代表は、4日間も北京で待ち続けて、ようやく中国共産党トップとの会見に応じてもらえた。また、公明党はかつて小沢一郎代表と蜜月関係を築いていたことがある。
この意味で、唐家璇会長は、与党自民党・公明党と野党民主党という関係のなかで、まず、自民党と公明党との間に楔を打ち、併せて、公明党と野党民主党とを結び付けて、小沢一郎代表に接近させ、小沢一郎首相を誕生させようと工作したものと見られている。
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