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NHKの消費増税ニュースでの”セレブ感覚” 大型連休中のテレビ報道の「あれれ?」(その1)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20140506-00035078/
2014年5月6日 18時51分 水島宏明 | 法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
大型連休中にとっても気になったニュース。
5月1日には消費税が5%から8%に上がって1か月という報道を各社がやっていた。
その中でも気になったのがNHKのニュースだ。
「想定内」という言葉がたくさん出てくるのだ。
消費増税1か月 反動は想定内か
5月1日 18時41分
消費税率が5%から8%に引き上げられて1か月がたちました。
自動車やデパートの業界では駆け込み需要の反動で売り上げが減少していますが、大手企業の多くは今のところ想定内だとしています。このまま消費は持ち直しに向かうのでしょうか。
自動車 連休中に割引セールも
自動車業界では、増税後の販売の落ち込みをおおむね予想の範囲内だと受け止めていますが、対策に乗り出しているところも出ています。
トヨタ自動車の車を扱う神奈川県の販売店では、4月の新規の契約が増税前の3か月間の平均と比べておよそ20%減少しました。
しかし、販売の落ち込みは駆け込み需要の反動による一時的なものだとして、今後、次第に回復に向かうとみています。
横浜トヨペット大船店の千見寺秀晴店長は「反動による減少はある程度想定した範囲だ。焦らずにお客様との信頼を築いていきたい」と話しています。
一方、顧客をつなぎ止めようと対策に乗り出している販売店もあります。
増税後の販売が減少した三菱自動車の販売店は、この大型連休中に割引セールを行って、他社よりも早く車の買い換え需要を取り込もうとしています。
店では、セールに向けて営業担当者が1人当たりおよそ200人の顧客に集中的に電話をかけたり、焼きそばなどのプレゼントを用意したりして来店を呼びかけています。
関東三菱自動車販売目黒店の松永健太郎店長は「この4月を使っていろいろ準備もしてきたし、5月のセールが非常に重要だと位置づけている。1人でも多くのお客様に店に来てもらい、勢いづけにしていきたい」と話しています。
デパート 外国人客が補う
消費税率引き上げに伴って多くのデパートの売り上げが減少するなか、東京・銀座では売り上げが増加した店が出ています。
三越銀座店は増税後の4月も売り上げが落ちず、逆に去年を1.1%上回りました。
その大きな要因は、銀座を訪れる外国人観光客の急増です。
この店では、外国人観光客を取り込もうと、英語と中国語で対応する専門のカウンターを設け、困っている外国人がいればスタッフが話しかけたり、一緒に買い物をしたりします。
中国人の男性は「日本語は話せないが中国語で対応してもらえて大変便利だった」と話していました。さらに増税に合わせる形で先月から、日本の土産品を集めて販売する催しを開いています。
かぶと飾りを模した置物や浮世絵をあしらった漆塗りの杯など、外国人が興味を持ちそうな商品を重点的にそろえたということです。フランスから訪れた女性は「日本のデパートは大きくて、店員の接客もすばらしい。伝統的な品物も興味深かった」と話していました。消費税の免税対象となる衣料品やバッグも外国人に人気で、この店では、外国人に対する売り上げが先月は全体の11%程度と、去年の同じ月の2倍に増え、増税による販売の減少を補っています。
三越銀座店営業運営部の逆井勇部長は「4月は予想を上回るくらいの外国人客が来て、日本の伝統のものや質のよい物を購入しようという傾向が出ている。今後も外国人客の期待に応えられる商品やサービスをそろえていきたい」と話しています。
専門家「ボーナスと物価が注目点」
増税後の消費の落ちこみについて第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「4月の1週目は消費が大きく落ち込んだが、2週目以降はやや盛り返すような形になっていて、落ちこみは想定内にとどまっている。賃金が上昇するなど雇用が堅調なことが消費や景気を支えているという状況だとみている」と分析しました。そのうえで「6月くらいからは消費のリバウンドが進んでいくとみているが、その際には、ボーナスの支給で消費マインドがどの程度押し上げられるか、また、物価が大きく上昇して、消費者の節約志向が強まらないかどうかが消費の回復を見るうえでの注目点となる」と話していました。(NHK NEWS WEB より)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140501/k10014169171000.html
経済的なニュースで、経済部の記者が書いた原稿だろう。
おそらく企業側が発表する数字を元に報道したものだろう。
特に気になったのはこの夜の「ニュースウォッチ9」。
デパートや外食産業で高級志向などの新機軸を打ち出して売り上げが落ちていなかったり逆に売り上げが伸びているという報告をしていた。
若い女性記者がデパートで11万円の高級衣料品を買おうとする熟年女性に微笑みながらインタビューしたり、焼肉店では高級な”せれぶメニュー”に人気が集まっていて200gで2600円する特上和牛ロースを頬張る男性サラリーマンなどを映していた。
確かにお金を持っている人たちもたくさん存在しているのだろうが、そうした人たちばかり画面に登場させてどういうつもりだろうか?
それにしても企業側からの情報だけでなく、 たとえば年金生活者やシングルマザーなど貧困層の生活には影響しなかったのかなどの「社会的な側面」はニュースにしないのだろうか。
上から目線というか、取材した記者たちもセレブ感覚で「200g 2600円」の特上和牛ロースを注文しているから違和感はないのだろうか、などと感じながら見ていたのがだ、労働組合の関係者がこのニュースへの違和感をブログで書いていることを知った。
NHKnewsWatch9のセレブ目線「消費税増税いい感じ」-女性の貧困も子どもの貧困も不可視化(ブログ「すくらむ」より)
昨夜(5月1日)のNHK「news Watch9」で、消費税増税1カ月の状況についてまとまった報道がありました。キャプチャーした画像とともに概要を紹介します。 冒頭の東京・新宿駅前での街頭インタビューは、「いざ(増税を)迎えてしまうと普通に戻った」などという消費税増税されたけれど、あまり影響はなかったという声ばかりが紹介されていました。 大手デパートのコメントでは、消費税増税は「想定の範囲内」で「消費としては力強い部分がある」というものが流された上に、エコノミストの「消費者も(消費増税に)慣れているし、売り手もある程度対応をとってきた」からあまり問題ないかのような解説が付け加わっていました。 日本橋高島屋の店員は、「いい感じで、4月に入っても増税の影響はなくお客様に来ていただいている」と話し、1着11万円の洋服などを扱っている売り場の4月の売り上げは3月とほとんど変わらなかったとして、「お客様の話を聞くと消費税は関係ない。ほしいものはほしくなるし買ってしまう」との副店長のコメントが紹介されました。 外食産業は堅調だとして、「お客様が食事している中で節約している様子はあまり感じられない」とのロイヤルホスト営業・企画本部の人のコメントが流され、4月に入って売り上げをのぼしたという焼き肉店では、「セレブメニュー」が人気で、「いい肉なら値段いっても、おいしいものが食べられるので気にしない」とお客さんのコメントを紹介。ぐるなび広報の人が登場し、とにかく“攻め”でいいものを高いお金で味わってもらえばOKというような解説を付け加えてこの流れを補強していました。 報道の基調が、消費税増税は国民の暮らしにとってあまり問題がなく、企業は“攻め”の姿勢でセレブが欲しくなるような高いものを売りさばけばOK、というような感じで、8%もたいしたことなかったのだから、安倍政権が計画している消費税率10%もOKでしょ、と言いたげな報道でした。 NHKはいつから日本セレブ放送協会になったのでしょうか? 消費税は、貧困層が高所得層の2倍以上の負担を強いられる税金です。消費税増税で最も深刻な影響が出る貧困問題の実態を取材せずしてまともな報道機関と言えるのでしょうか?
出典:すくらむ (国家公務員一般労働組合の仲間のブログ)
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11839428102.html
やや感情的な部分もある文章だが、確かにブログの指摘の通りの部分は報道で忘れられている。
消費増税前は「社会的弱者のところにしわ寄せが行くかどうか」も国会などでの議論のテーマだったはず。
そうした検証はどうしちゃったのだろう?
NHKはニュースではこうした人たちの問題はやらないのだろうか?
つい先日、NHKでは「あさイチ」(4月28にち)で「気づいていすか? 子どもの貧困」を特集して、洋服や食事を満足に与えられない子どもたちの姿を報道していた。
NHKスペシャル「調査報告 女性の貧困 〜”新たな連鎖”の衝撃〜」(4月27日放送)でもネットカフェ暮らしをする母親と娘たちを登場させて、社会に広がる貧困の深刻さを問題提起したばかりだ。
それなのにニュースでは…!
これはNHKに限らないけれど、昨今のテレビ記者たちは「上から目線」で、当事者の痛みを知らないケースが目につく。私の知っている限りで、大震災後の被災地に平気でハイヒールをはいて行くような女性記者も存在する。ふだん自分からそうした社会的弱者がいるようなところに顔を出そうとはしないで、「手を汚さない仕事」をしたがる傾向がある。
そうした記者たちがデパートなどの企業情報だけでなく、実際に生活に困っている人たちを探し出してニュースにするようになると報道は充実するのだが・・・。
デパートの取材などは企業の広報に電話で頼めば数時間で済む。
他方で、生活困窮する人たちの生活ぶりの取材は事前の交渉から数えるとものすごく時間がかかる。
安直に取材ができて、上から目線で自分たちのいる階層の感覚だけで取材を済ませられるなら、こんなに楽な仕事はない。
でもそれってテレビ記者の仕事なのだろうか、と消費増税のニュースを振り返って改めて気になった次第。
水島宏明
法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
1957年生まれ。東大卒。札幌テレビで生活保護の矛盾を突くドキュメンタリー 『母さんが死んだ』や准看護婦制度の問題点を問う『天使の矛盾』を制作。ロン ドン、ベルリン特派員を歴任。日本テレビで「NNNドキュメント」ディレク ターと「ズームイン!」解説キャスターを兼務。『ネットカフェ難民』の名づけ 親として貧困問題や環境・原子力のドキュメンタリーを制作。芸術選奨・文部科 学大臣賞受賞。2012年から法政大学社会学部教授。
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