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TPPはやっぱ合意してた+国民を犠牲にしても、中国打倒&超保守の国づくりを目指す安倍(日本がアブナイ!)
http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/135.html
投稿者 笑坊 日時 2014 年 5 月 04 日 21:34:13: EaaOcpw/cGfrA
 

http://mewrun7.exblog.jp/21960155/
2014年 05月 04日

 たまには、経済系(?)の記事も・・・。<mewは自由&自営業+プチ投資家だし〜?^^;>

 安倍首相&超保守仲間たちの最大の目標の一つは、日本が富国強兵策を進めて、天敵の中国に経済的にも軍事的にも打ち勝ってアジアTOPの国&世界のリーダーになることであるという話は、前政権の時から、皆さんが見飽きるほど書いているのだけど・・・。

 もう少し言えば、安倍首相が株価を含め、経済的な数字を伸ばすことに懸命になっているのは、軍事費用を増加したり、安定政権を築いて、も〜っと大きな目標である憲法改正(新憲法制定)や教育再生などの「美しい国づくり」「戦後レジームからの脱却」を実現させたいからにほかならない。(~_~;)

<日本の軍事予算は、GDPの1%程度というのがひとつ目安になっているので。GDPがアップすると、軍事費用を増加させやすい。
 また、後述するように株価や経済的な数字が上がると、大企業はその恩恵を受けて、安倍政権の支持を継続するし。一般国民にアベノミクス効果によって、景気が向上しているかのように錯覚を与えて、安定政権を築きやすいから。^^;>

* * * * *
 
 安倍首相が、TPP参加に意欲を示したのも、同じような理由からだ。(・・)

 TPPは、自由主義圏の国々を対象に行なう経済連携協定で、天敵・中国はその対象にはいっていない。
<それで、安倍首相は、TPPの話をするたびに、「自由と民主主義、市場主義経済という共通の価値を有している国々が・・・」と強調して、暗に中国は価値観が異なる国であり、自分たちの仲間ではないということをアピールしているんだよね。^^;>

 もし日本がTPPに参加すれば、最近、中国との経済関係を重視している米国に、日本の存在をアピールして同盟関係を強化するのにも役立つし。また、<中国をカヤの外に置く形で>、TPPに参加している他の国々と中国包囲網を築くための要素にもなる。
 さらに日本の大企業にとっても、TPP参加は大きなプラスになるので、安倍政権への支持を強化して、安定政権につなげることもできるからだ。(・・)

 もちろん、TPPに参加すれば、農業を中心に一次産業は打撃を受けるし。その他に医療保険分野、法律分野などにおいて、関係者や国民が損害を被るおそれが大きいのだけど。
 安倍首相は、中国に勝つためには、また自分が安定政権を築き、日本を超保守思想に基づく正しい道をくためには、そのような犠牲は止むを得ないと考えているのだろう。(~_~;)
 
* * * * *
 
 そのTPPに関して、先月、オバマ大統領が来日した際に、日米間の交渉が実際にはまとまったのか否か、大きな注目を浴びていたのであるが・・・。

 先月26日に 『TPP、実質合意があったとの報道も〜日米とも合意内容や数字を出したくない事情ありhttp://mewrun7.exblog.jp/21930468/』(以下、前回の記事)にも書いたように、やはり大筋で(重要項目の数字に関して)合意していたことがわかったという。(@@)

 先月24日、安倍首相がオバマ大統領会と首脳会談を行なった後の共同記者会見では、2人はTPPに関して、ほとんど言及せず。その後、日米担当閣僚による協議が続けられたものの、翌日になってから発表された共同声明でも、「合意」という言葉は用いられず。
 大手メディアの多くは、「TPP合意ならず」と報じ、甘利担当大臣も「まだ8合目だ」と合意には距離があるかのような説明を行なっていた。^^;

 しかし、読売新聞とTBSだけは、日米間では合意がほぼ調っていると報道。それを受けて、このブログでも、上の記事を書いたのだけど・・・。
 5月2日になって、その読売新聞とTBSが、(さらには時事通信など他のいくつかのメディアも)改めて日米間の交渉がほぼまとまっていたことを、具体的な数字を挙げて報道していたのである。(**)

* * * * *

 報道によれば、農業分野の重要5項目に関しては、全ての項目に関する関税引き下げの数字は合意しており、あとは付帯する細かい部分を詰めるだけの状態になっているとのこと。^^;
 また、自動車に関しても、最ももめていた安全&環境基準の緩和に関して、両者が譲歩する形で合意が整ったという。(・・)

<まあ、確かに細かい部分が残っていることを重視すれば、「合意したとは言えない」と発表しても完全にウソではないのだろうけど。かなりウソつきっぽい感じはあるよね。(-"-)>
 
 ただ、前回の記事にも書いたように、日本側としては、焦点となっていた豚肉や牛肉で大幅の関税引き下げを行なうことに決めたため、27日の衆院補選(鹿児島2区)への影響などを懸念して、数字の公表を控えたかったし。
 他方、米国側は、議会や農業団体から、「XX年後に関税ゼロ」の合意を取り付けるように強く要求されていたことから、(それで、最後まで粘っていたようなのだが)「関税ゼロ」を明記していないことへの批判を避けるために、数字を公表しないことに同意したのではないかと察する。(~_~;)

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

『環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る日米協議は、4月23〜25日のオバマ米大統領来日時の交渉で実質的に基本合意に達し、最大の難関をくぐり抜けた。
 わが国にとって対外経済連携でも農政でも「大転換」となるTPP交渉の内幕を追った。

 4月25日昼前。安倍首相は日米共同声明の発表を受け、記者団に胸を張った。
 「TPP交渉全体にとってキー・マイルストーン(重要な一里塚)となる大きな成果を上げることができた」
 だが、25日夕刊の報道ぶりは分かれた。読売が「実質的に基本合意」と報じたのに対し、他紙は「合意至らず」「合意先送り」と報じた。「TPPと安保取引」の見出しを載せた新聞もあった。

 オバマ大統領は24日の記者会見で、尖閣諸島への日米安保条約適用を大統領として初めて明言し、共同声明にもそのことが明記された。だが、共同声明は大統領が来日した23日夜の時点で、TPP以外の文案はすべて完成していた。声明案に目を通した政府筋は証言する。

 「23日夜に見たバージョンで『Pマーク』(Pending=保留)がついて空欄だったのは、TPPの部分だけだった」
 安保取引説が正しければ尖閣部分にもPマークがついていなければおかしい。取引説は成り立たない。
 ただ、Pマークだったのは共同声明の表現ぶりで、農業分野「重要5項目」の中身は、甘利TPP相とフロマン米通商代表部(USTR)代表による第3回会談が行われた24日夕までに決着していた。(読売新聞14年5月2日)』

* * * * *
 
『オバマ大統領来日時に決着したTPP=環太平洋パートナーシップ協定をめぐる日米両政府間の基本合意の全容が、JNNの取材で明らかになりました。焦点だった「豚肉」の関税を現在の最大482円から「50円」に、「牛肉」の税率を「9%」に引き下げるなど、全ての項目で合意しています。

 TPPの交渉をめぐっては日米双方とも「重要な進展があった」としているものの、合意したことや内容については明らかにしていません。しかし、焦点となっていた農産品5項目全てと自動車について日米が具体的に合意していたことが、JNNの日米関係筋への取材で明らかになりました。

 まず、豚肉は安い豚肉により高い関税をかける「差額関税制度」を維持する一方、現在1キロあたり最大482円の税率を15年程度かけて「50円」に下げることで合意。また、牛肉は現在38.5%の関税を10年程度かけて「9%」にします。
 コメ、麦、乳製品については、関税を維持する代わりに特別な輸入枠を拡大したり、新たに設定し、国会が求める「関税維持」に沿った合意内容となりました。

 唯一、調整が残っているのは、豚肉の輸入が急増した場合に関税を復活させる「セーフガード」の発動条件についてですが、これによって他の合意内容が変わることはないということです。
 さらに、自動車分野も、関税に加えて市場へのアクセス・安全基準といった非関税分野でも対立していたすべての課題で具体的な合意に至りました。

 日米両政府は今回、抵抗が予想される生産者団体や議会関係者らへの説得に十分な時間をかけたいという思惑で一致し、基本合意に達した事実を公表していません。
 しかし、実際には細かい点まで具体的に合意できたことで、日米双方で慎重に国内調整を進める一方、TPP全体交渉の早期妥結を目指し、取り組むことになります。(JNN14年5月2日)』

〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜

 しかも、今、欧州外遊中の安倍首相は、ヨーロッパ連合との経済連携協定(EPA)に関しても、来年中の交渉妥結に意欲を示したという。^^;

 安倍首相は、英キャメロン首相との首脳会談で、来年中にEPA交渉を妥結することで一致。

『日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)については、2015年中の実質合意を目指すことで一致。日EUのEPA交渉で妥結目標が示されるのは初めてとなる。(Sankei Biz14年5月2日)』

 さらにロンドンのシティー(NYのウォール街みたいなとこ)で講演を行なった際にも、EPAの来年度妥結を提唱すると共に、アベノミクスの一環として、法人税引き下げや戦略特区構想、そしてGPIF改革などをアピールして、投資呼び込みの営業トークを展開したという。^^;

『ロンドンを訪問中の安倍総理は、金融街シティーで講演し、日本とEU=ヨーロッパ連合とのEPA=経済連携協定について来年中の交渉の妥結に強い意欲を示しました。

 「TPPそして日・EUのEPA。自由と民主主義、法の支配とルールの順守を旨とする国々の連携によって初めて生まれる枠組みです」(安倍首相)

 講演で安倍総理はこのように述べたうえで、日本とEUのEPA交渉を「来年中に妥結させるという目標を掲げよう」と訴えました。また、経済の成長戦略について国家戦略特区など規制改革への取り組みを紹介し、「ドリルの刃は最大速度で回転している」と述べて、日本への投資を呼びかけました。そして、法人税減税を進める考えも強調しました。(JNN14年5月2日)』

<ここでもしっかりと、「自由と民主主義と法の支配とルールの順守を旨とする国々の連携によって初めて生まれる枠組み」であることを強調して、(そうではない?)中国との差別化をはかろうとしている感じが。^^;
 mewから見ると、安倍政権になってから、日本は精神の自由と民主主義と法の支配の面が、どんどん抑制されて、低下しているように思うんだけどな〜。(-_-)>

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

『安倍晋三首相は1日夜(日本時間2日未明)、ロンドンの金融街シティーで経済政策に関して講演した。貿易で発展した英国を教訓に「オープンにすることで強くなる」と強調。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)について「来年中に妥結させる目標をともに掲げよう」と呼びかけ「国を開き伸びていきたい」と訴えた。

 4月に日豪EPAで大筋合意したことを紹介。環太平洋経済連携協定(TPP)に関して「オバマ米大統領と日米が力を合わせ、交渉参加12カ国全体の妥結に向け、交渉を急がせるよう約束し合った」と4月下旬の日米首脳会談で大きく前進したとの認識を表明した。TPPと日EU・EPAの実現で「世界中を裨益(ひえき)させる自由貿易の枠組みが生まれる」と指摘した。

 「アベノミクスは前進中だ」と強調。法人実効税率の大幅な引き下げを念頭に「法人税の改革を一層進める」と述べた。
 4月の消費増税については「消費を冷え込ませる恐れは、まだ注意が必要だが、心配したほどではないのではないか。楽観論をとる人たちが増えている」との見方を示した。

 地域限定で規制を緩める国家戦略特区は「実施に段階を移した」と説明。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用改革を進めていることも訴え、岩盤規制の打破へ向け「ドリルの刃は最大速度で回転している」と力説した。(日本経済新聞14年5月2日)』

<尚『岸田文雄外相は2日午前(日本時間同日午後)、訪問先のデンマークのコペンハーゲンでイェンセン貿易・開発協力相と会談した。欧州連合(EU)と日本の経済連携協定(EPA)交渉の早期決着を目指す方針で一致する見通しだ』という。(同上)>

〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜

 安倍首相が、海外への投資が盛んなロンドンで、懸命に営業活動を展開した大きな理由の一つには、何とか日本への株式への投資をもう一度呼び込んで、日経平均を高いレベルで維持したいという思いがある。^^; 
 
 というのも、安倍首相が、経済面で最もおそれていること。それは株価(特に日経平均)の下落だからだ。(@@)

 正直なところ、一般国民の多くは、経済系の難しいor細かい数字はわからない。<もしかしたら、安倍くんもかな?>
 しかし、日経平均は毎日、どのニュースでも扱うし。日経平均が上がっていれば、安倍首相自身も、何かのたびに「安倍政権になってから、株価がこんなに上がりました!」と自慢するネタとして使いやすいし。
 一般国民も、(自分の生活や収入はともかく?)何だかアベノミクスがうまく効果を発揮していて、景気がよくなっているような錯覚を受けやすいため、内閣支持率をキープしやすい。(~_~;)

* * * * *
http://mewrun7.exblog.jp/21529492/
 実は、安倍首相は、昨年末に東証の大納会で、日経平均が年初来高値レベルの1万6千円台で引けた時には、かなりご機嫌だったようで。「この取引所の最高の『おもてなし』でした。来年もアベノミクスは買いです」とPRしていたのだが。
 他方で、「うまの尻下がり(うま年は株価が下がる)」という言い伝えがあるのを気にしていたようで。「午年については、ここではいろんなジンクスがあるそうでして、『うまの尻下がり』とか言う人がいますが、そんなことは皆さん、忘れて下さい。来年は皆さん、『うま』くいきます」と言って、14年も株価のアップが続くように願っていたとのこと。(~_~;)

<関連記事・『ブリンカー状態の安倍、靖国参拝で日本包囲網が&07年の小沢戦略で、野党の追い込みを』>

 でも、上のリンク記事でもちらっと触れたのだが。mewは、昨年から今年にかけての株価+αの動きを見ていると、07年の夏にピークを迎えて急降下した時の流れにかなり近いものを感じているし。
 実際、今年にはいってから、外国人投資家がアベノミクスに見切りをつけ始め、買いが激減。それに伴い、株価もまさに下がり気味&上値が重い状況にあるわけで。このままだと、本当にズルズルと午の尻下がりになってしまう可能性が大きい。^^;

* * * * *

 そこで、安倍首相&周辺は、何とか投資をもう一度呼び込まなければと、外国人投資家が評価しそうな法人税減税や規制緩和などをアピールすることに。(法人税減税は、財務省や自民党の一部がまだ反対しているんだけどね。^^;>
 しかも、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金を日本株の購入に当てることを示唆し始めたのである。(~_~;)

 GPIFは、厚生年金と国民年金を合わせて約130兆円もの資金を管理運用している基金で。今はそのうちの17%程度を日本株への投資によって運用している。
 その日本株への運用枠を拡大すれば、公的資金を使う形で、(=ある意味では、自分の手で)株価を買い支えて、大きな下落を防ぐことができるし。海外からの投資をもう一度誘い込むきっかけにもなると考えたのではないかな〜と察する。(>_<)

 それを実行に移すために、先月22日には、10人のGPIFの運用委員のうち任期満了を迎える委員を刷新。(信任6人、再任1人)。GPIF改革の一環として、国債に偏った運用を見直すよう求める報告書をまとめた有識者会議のメンバーを新たな委員に起用し、巨額資産の「脱国債」に向け舵を切るつもりでいるという。^^;(*1 NHKの経営委員の選び方に近いものが。^^;)

 とはいえ、この時期の株式投資はリスクも大きいだけに、厚労省や見識のある委員が大幅な投資シフトに賛同するのかはビミョ〜なところだと思うのだけど。
 
 TPPもそうなのだが。安倍首相らは、GPIFにしても、アレコレと裏技を使ってでも、また下手すれば、国民の年金を利用してでも(しかも、下手すれば、国民の年金が犠牲になるおそれがあっても)、自分たちの超保守思想に基づく戦前志向のアブナイ国づくりのために、安定政権を維持しようとしているわけで。
 早く多くの国民に、安倍政権の経済政策の面でのアブナさにも気づいて欲しいな〜と、日々願っているmewなのだった。(@@)
                      THANKS

 

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コメント
 
01. 2014年5月05日 13:31:30 : UWrKWaMtZ4
「私たちはなぜTPPに反対するのか」 TPP阻止国民会議(2014年4月21日発刊 単行本)

本書は、孫崎さんや山田正彦さんらを始めTPP阻止国民会議のメンバーの方々が各自の専門分野からTPPが網羅する29分野(貿易は5の分野に過ぎない)に関して執筆された最新の国内外のTPPの批判的研究の集成である。米議会のTPA(貿易促進法)のオバマへの授権無しにはTPPは頓挫するが、事前協議などとメディアが曖昧に呼称している並行協議で、其の内容自体は実現できることがパッケージ合意方式のために確定している。

現在、米帝は台湾でTPPの宣伝を大々的に展開し、中台サービス協定(中台FTAの一部)が、TPPへの入場料ではないなどという洗脳キャンペーンを行い、中国危機論を今度は利用して、TPPの内容と問題点を全く知らされていない台湾人民を騙している。関税の撤廃だけが、二国間FTAやTPPの問題の核心ではないのだが、大衆はミスリードされている。貿易協定といいつつも、TPPにしても貿易は五項目しかない。非貿易関税の領域こそが本丸なのである。だから、貿易協定という名称自体が本書でも疑問視され論議される。実際、ECFAも他のFTA同様に、欧米の主として米国の多国籍企業が、中国や台湾の身分を利用して暴利を貪れる構図であり、米帝としてはECFAが実は便利であるが、先の学生運動の影響で、それが頓挫しても、逆に中国脅威論を煽って、米台FTAとTPPを鵜呑みにさせようと画策している。これが、本書でもカバーされていない隣国の最新のTPP情勢である。日本と共通するのは、日本でも中国脅威論がTPP推進のプロパガンダに悪用されている。つまり、ナショナリズムでTPPに無知なままの国民を騙し、経済的な利益は無きに等しいどころかマイナスであるのに、日米友好という空言を「 国益 」 として喧伝し、TPPを鵜呑みにさせようとしている。このTPP宣伝の手口は、本書で指摘されている通りである。

Trans-Pasificとは、米帝にとって太平洋を跨ぐこと、太平洋を越えてアジアにキャッシュ・カウを確保し、アメリカの企業本位の制度改革を全面的に行うという事である。TPPは、米帝によるアジア太平洋地域の管理貿易政策であり、名称の自由貿易協定などではない。

さらに、其の反面、FTAやTPPもアメリカの国内法では実は無効であり、地方自治体にも適用されていないし、アメリカ自体の産業保護政策は維持されたままである。ISD条項の訴訟も、本書では、1994年のNAFTA以降、45件が記録されていることが判明し、アメリカ企業は2014年現在まで全勝であり、不敗体制が立証されている。ちなみに、ISD条項は世界2807の投資協定において、309の自由貿易協定に採用され、1989年から1999年の間で、1500近くに増え、激増し、2011年末で450件もISD訴訟があり、日本の30の協定にもISD条項は入っている。しかし、問題は、先進国同士の史上初の自由貿易協定であるNAFTAと米韓FTAのケースであり、TPPはまさにその発展形である。ここで、先進国同士に於けるISD条項の既成の訴訟事件との峻別は不可欠である。

TPPの始まりは、1985年の新自由主義政権中曽根とレーガンのMOSS協議(市場分野別個別協議)であり、対日経済構造への米帝の干渉である。次は、1989年の日米構造協議、2001年からの「成長の為の日米経済パートナーシップ」に基づく、米通商代表部の対日年次改革要望書であり、TPPは其の内容を全て実現するためのものである。例えば、郵政改革も、労働派遣法改正も、全ては日本の貯蓄資産と賃金を米国債購入や株式配当へ転化させる為というのが米帝ご要望の構造改革の黒い本質である。

TPPの問題となる各分野の標的:公立学校、学校給食、軽自動車、診療、公立病院、インターネットアクセスの自由、食品の成分表示、公共事業、新薬特許、安全審査、禁煙、地方及び中小企業の助成、育成、補助、保護などの業務政策一般、残留農薬規制、食品添加物の規制、エコカー補助金、農地及び自立した食糧生産、SPS(衛生植物検疫)、車検制度、ジェネリック薬品、種子などの特許、臨床データ、(ドイツが訴えられたように)脱原発、最低賃金法、中でも、金融と保険とサービスと映像メディアと通信とインターネット業務は米帝の未来を担う最重要項目(先端産業)である。標的は米帝にとっての衰退産業も先端産業も含む。これらにおける目的をISD訴訟で、NAFTAや米韓FTAでの既成事実の如く、相手国の政府を脅迫して全て受け入れさせるのである。

米帝は、TPP交渉で、多国籍企業の顧問500名程を参加させ、その草稿を作成した上に、さらに希望リストを貿易アドバイザーに登録されている多国籍企業600社以上に作成させビジネス化している。また、TPP交渉で採用されているパッケージ方式は各分野と全体でまず合意されてから、議論を進めていくという不合理な方式である。

TPPの影響評価は、農産物での関税全廃で主要農産物生産が42%衰退させられるが、アメリカの関税率は既に低く(0.5から2.5%)、日本の自動車の生産比率は75%がアメリカ現地での生産販売である。つまり、強欲経団連の自動車分野に於ける狙いは米韓FTAで立証済みのように、第三国への米帝を介した攻勢である。(トヨタは昨年、韓国で米産の輸入車としてカーオブザイヤーを受賞した)日本の対外輸出の品目で、自動車や家電は、GDP比で1.7%過ぎないのに、優遇されるのはおかしい。又、最大の盲点は日本に物品ルール以外に何も要求するものがないという事である。

特筆すべきは、TPPの本丸は知的財産権にあり、特許独占による各分野での覇権体制の確立の為に、米国の多国籍企業が希望リストを米通産省に提出している点である。またそれは、投資、国営企業、CD等の並行輸入禁止、法的損害賠償金、データ保護(医薬品の販売の為の審査に必要な臨床データの排他的独占に依り、ジェネリック開発販売までの特許期間を際限なく延長するため)、診断治療法、においや音への商標権、インターネットでの違反者のネット接続遮断、医療器械使用への特許料の付与など最大多数の項目及び広範囲に及ぶ。特に、米帝の特許ビジネスの覇権確立のために、途上国を含めたジェネリック薬品の恩恵が喪失される。もはや、純粋な貿易の分野を超えて医療の分野に干渉しているのは異常事態である。TPPは、際限のない特許ビジネスの拡大策なのである。それは、必需品から富裕層以外は疎外され、社会権を侵害されてしまう事を意味する。

川島氏は、こう指摘する。「非関税障壁と呼ばれる医療や各種保険、教育、法律等のサービス部門に関する日本の規制を取り除きたいというのが、アメリカの最大の狙いです。」(P.82)

つまり、知的財産権(ジェネリック薬品と医療器具と診療方法等の特許ビジネス上の問題)と混合診療と株式会社経営の病院の問題は全て一体化した事項なのである。ただの、貿易の関税云々の貿易の領域からは甚だしく逸脱している。これも、病院の株式会社化で、利益を金融商品へ転化するためである。米帝は、日本の社会構造を多国籍企業の株式や米国債購入へと傾注させるために全てを再構成しようとしている。

TPP第六条の貿易救済措置では、輸入制限は未来永劫一回しか許可されず、暫定的であり、危機に全く対処できなくなる。そして、スナップバック条項が、日本にも課せられ、米帝とのTPP協定に違反したと見なされたら、重課税による報復がなされる条項もTPPにはある。

又、国営企業の定義の拡大で、株式保有率に関係なく、政府が役員の決定権等を持っていれば、国営企業扱いされ、民間企業との待遇の画一化が要求される条項があり、もはや属国の傀儡政権を使って際限のない民営化をさせる手間が省けるのである。

中でも懸念するべきは、透明性に関する章で、海外の多国籍企業を法案可決の過程でコメントさせ、立法行為に干渉させる事を規定した条項があり、各分野に適用される。危険なのは、ISD条項だけではない。

さらに、この条項自体が元々司法権侵害な上に、ISD条項の濫訴防止制度がなく、間接収用や最低待遇基準で提訴可能なまま維持される。司法権の剥奪は、部分的であれ、主権独立の否定である。そして、剥奪された国は独立国でなく、属国へと転落する。TPP、ISD条項が司法権侵害であることは、2012年の政府報告で除去されたが、反対派はこれを強調せねばならない。

幾つかの最重要ポイントをここで纏めると、1)米帝はEUとのTTIP(大西洋経済連携協定)では、秘密主義ではなく、情報開示を認めている。TPPのようなブラックボックス協定とは正反対である。2)全米50州の州法や連邦法にFTAなどの国際協定遵守の義務はなく、強制力も効力もないという法的な甚だしい不平等がある。3)米とのFTA締結国は対米赤字が深刻であり、輸出は減少している。4)米国の市場の大部分は、TPPやFTAで除外される防衛分野である。5)NAFTAにしても、最初は貿易協定で、それから投資協定に変質し、最後に安全保障協定に変化した。6)米韓FTAで、韓国側は23:16:18:9の法規法令を変更させられたが、米国はゼロである。7)日本政府は、日米協議に関して多くを国民に知らせていない。例えば、アメ車を各種ごと5000台も簡易通関で輸入枠を投げ与えることを米側に一方的に通告したという。正に、ナショナリズムで偽装した売国行為である。全て不利な条件は、日本が一方的に言い出したと言う形で米側に解釈されている事が判明している。

では、このような米帝による非関税障壁分野から切り込み、最終的に他国の国家制度や慣習までも変更し、市場を完全に掌握しようとする新植民地主義=新自由主義に対して、他の選択肢はあるのか? それに関して、本書で岩崎氏が警句という形で言及されている。「グローバル化に対抗するものは、地域循環型とか地産地消、金融取引税による投機マネーの制限、あるいは社会民主主義、会社から恊働組合経営への転換等が考えられますが、ISDを入れる限りこれは全て吹っ飛んでしまいます。」(P.154)

TPP阻止国民会議の方々に感謝致します。本書は、全日本国民必読の書です。


02. 2014年5月05日 19:55:04 : PHChuNJquw
首相内政懇 TPP「大筋合意にはまだいたっていない」
産経新聞 5月5日(月)15時30分配信

 安倍晋三首相の同行記者団との懇談要旨は次の通り。

 【集団的自衛権】

 安保法制懇の報告書は今月12日の週にも提出してもらう。その上で、内閣法制局を中心に政府として検討を進め、与党と協議しながら進めていく。政府方針では、検討の方向性について政府として考え方を示す。政策的方向性を示すことはなく、検討をお願いすることになる。憲法解釈変更の閣議決定の時期を明示することは控える。時期ありきではなく、与党で議論を進めていく中で一致することが極めて重要だ。場合によっては時間を要することもあるのだろうと思っている。

 【対北朝鮮】

 拉致問題は日本自身の手で解決していかなければいけない。国際社会の求める方向に向け、北朝鮮が政策を変えていくように強くメッセージを出し続けることが必要だ。日本も国際社会と協調しながら圧力をかけている。解決に向け、チャンスがあればしっかりと捉まえていく必要がある。そのために必要な対話を行っていきたい。

 【TPP】

 4月のオバマ米大統領との会談で大きな前進があったと考えている。重要な転換点になり得る。しかし、言葉の定義はどうあれ、大筋合意にはまだいたっていない。詰めていかなければならない項目はある。

 【内閣改造】

 内閣としてまず、国会における責任を果たしていくことに集中したい。人事は時期を含めてまったく白紙だ。

 【法人税減税】

 企業が海外との競争に打ち勝っていく必要がある。同時に、財政再建という観点も合わせ、自民党税制調査会で議論してもらう。法人税の実効税率、課税ベースなどを議論してもらうことになると思うが、成長志向に重点を置いた税制改革を行っていく。(リスボン 桑原雄尚)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140505-00000541-san-pol


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