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露骨な大企業優遇 安倍政権が画策する「中小企業課税強化」
http://gendai.net/articles/view/newsx/149854
2014年4月30日 日刊ゲンダイ
政府税制調査会 大田弘子座長/(C)日刊ゲンダイ
消費税増税で青息吐息の中小企業に追い打ちだ。政府内で恐ろしい中小いじめプランが検討されている。大企業優遇のために、赤字に苦しむ中小企業への課税を強化するというのだ。
ターゲットになっているのは、04年に導入された「外形標準課税」。現在は資本金1億円超の大企業が対象で、14年度予算では6600億円の税収を見込んでいる。
「外形標準課税は、従業員への給料や資本金などの額に応じて税金を支払う仕組み。この対象を資本金1億円以下の中小企業にも広げることが検討されています。狙いは、大企業の法人税を減税するための財源づくりです。仮に法人事業税全体を外形標準課税に置き換えれば、実効税率は5%近く下がる計算です」(自民党税調関係者)
問題は、現行の法人税は赤字なら払わなくていいが、外形標準課税は赤字企業でも払う必要があることだ。現在、法人税を払っている企業は、全体の3割程度。儲かっている3割の黒字企業の負担軽減のために、赤字企業から取り立てるなんてメチャクチャな話だが、与党税調はこの法人税改革案を5月中に取りまとめ、6月に政府の「骨太の方針」に反映させる予定だという。ただでさえ、消費税アップで大打撃の中小企業にトドメを刺すような仕打ちだ。安倍政権は中小企業を潰すつもりなのか。
■財政制度等審議会の試算は“脅し文句”だらけ
「弱い立場から巻き上げて、グローバル大企業を優遇し、国際競争力を高める。これが今の政権の方針です。TPPもそうですが、大企業の利益のためなら、中小企業がバタバタ潰れようと知ったことじゃない。韓国のように、上位10社でGDPの大半を占めるような経済体制に変えたいのでしょう。雇用の8割を占める中小企業が消滅すれば、大企業にも悪影響が出てきて、長い目で見れば日本経済にとってマイナスなのですが、政府も、大企業も、目先の儲けのことしか考えていない。もっとも、外形標準課税の拡大はブラフの可能性があります。法人税減税分の財源は結局、消費税に付け替えられることになるのではないか。庶民から取れるだけ取ろうとしているのが安倍政権だからです」(ジャーナリスト・斎藤貴男氏)
気になるのは、外形標準課税の議論と時を同じくして、財務相の諮問機関である財政制度等審議会の試算が公表されたことだ。そこには、「2020年度に基礎的財政収支を黒字化することができなかった場合、2060年度の借金はおよそ1京1400兆円に達する」とか「消費税増税による歳入増で達成しようとすると、消費税率を30%近くまで引き上げなければならない」などと書かれている。“脅し”以外の何物でもないが、どれだけ庶民から搾り取れば気が済むのか。
黙っていたら、本当に中小企業は潰され、庶民生活は破綻してしまう。
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