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田原総一朗:オバマ来日、「頑張ることに意義があった」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140501-00000000-fukkou-bus_all
nikkei BPnet 5月1日(木)1時2分配信
米国のオバマ大統領が4月23日に来日し、日米首脳会談が24日に行われた。それに合わせて、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉をめぐる関税協議でギリギリまで調整が続き、大きな話題になった。
■ギリギリまで粘って見せたTPPの閣僚協議
メディアの報道を見ると、「合意近し」と「交渉は長期化する」という二つのニュアンスに分かれたが、このTTP交渉問題を含め今回の日米首脳会談の成果についてどう見たらよいだろうか。
オバマ大統領は23日夜に羽田空港に到着し、その夜、安倍晋三首相と銀座のすし店で会食した。これに先立ち、その日の昼過ぎから甘利明経済財政・再生相とフロマン米通商代表部(USTR)代表は4時間半にわたって閣僚協議を行っていた。
すし店で会食した際、オバマ大統領は「アマリとフロマンにもう少しやらせよう」と安倍首相に提案し、両首脳の指示により甘利-フロマン閣僚協議は23日夜遅くから再び始まった。協議は24日の午前3時過ぎまで続いた。
二人の閣僚協議は、4月に入ってから東京とワシントンで計40時間ほど行われてきた。日米の関税協議の大筋合意をめざして閣僚同士の協議をギリギリまで継続したのである。
■オバマ大統領は日本の熱望に100%回答
翌24日の午前10時半過ぎから、安倍首相とオバマ大統領による日米首脳会談が行われた。その後の共同記者会見でオバマ大統領は、尖閣諸島は「日米安全保障条約第5条の適用対象になる」と述べ、米国の大統領として初めて尖閣諸島を守ると明言した。
日米安保条約第5条とは、「米軍による日本防衛義務」について定めたもので、「(日米両国は)日本国の施設の下にある領域でのいずれか一方への武力攻撃が、自国の平和・安全を危うくすると認め、憲法上の規定、手続きに従って共通の危険に対処する」としている。
「尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用対象」は、これまでヒラリー・クリントン国務長官が2010年9月に日本側に確約するなど何人かが発言しているが、大統領の明言は日本側が熱望していたことであり、オバマ大統領は今回それに100%応えたのである。
一方のTPPについては、首脳会談でも結論が出ず、両首脳の共同記者会見後の午後3時過ぎから、3度目の甘利-フロマン閣僚協議が行われた。協議は午後5時半ごろ終わり、甘利大臣は「かなり前進はあったが、まだ課題は遺されている」「もう一回この担当大臣をやりたいかといわれれば、やりたくない」と記者に語っている。
■自動車で米国の要求は無理筋
日米の関税協議で焦点になっているのは、日本が守りたいコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖などの重要5項目である。今回、日米間で特にもめたのは豚肉と自動車と報じられた。
豚肉については、安い輸入肉ほど高い関税をかける日本の「差額関税制度」対して、米国は関税をゼロにすることを要求している。日本は安い豚肉の関税を下げることを検討したが、米国と折り合いがついていない。
自動車については、日本の安全・環境基準に適合しない米国車に一定台数の枠を設け、基準に適合していなくても日本に輸入できるように米国が求めた。しかし、この米国の主張は無理筋というものではないか。
2013年度の輸入車台数は全体で約30万台。その多くをドイツ車が占め、米国車の輸入台数は約1万5000台に過ぎない。ドイツ車に比べて販売店の数が圧倒的に少ないことが要因の一つと考えられる。
米国は日本が米国車を輸入する際、改めて安全・環境に関する検査をするのは意味がないと主張するが、実は米国側も無理筋であることをわかっている。しかし、全米自動車労働組合などへの手前、そう主張しなければならないのだ。
■「日米ともに頑張ることに意義があった」
私が政府筋から得た情報によると、今回の会談は「日米ともに頑張ることに意義があった」という。ここで合意するには、日米のどちらかが妥協をしなければならないからだ。閣僚協議で何十時間も論議を重ねて、しかも結論が出ないということに意義があったというのである。
25日夜、甘利大臣はTPP交渉について「実質合意も大筋合意もないが、収れんに向かって的確な前進をした」と述べている。
政府筋によると、次の節目は5月中旬にベトナムで予定されるTPP首席交渉官会合だという。その直後にTPP参加12カ国の閣僚会合がシンガポールで開催される予定で、それまでに何らかの合意が得られれば、6月のブリュッセルで開かれるG7(主要7カ国首脳会議)を迎えることができる。
米国では11月に中間選挙があるため、オバマ大統領としてはそれまでにTPP交渉を仕上げられれば、米国民に向かってTPPで雇用を増やせるなどアピールすることができるのだ。
オバマ大統領は日本から韓国に向かう大統領専用機の中で、表情はわりと明るかったとされる。TPP交渉で日米がどちらも譲らないというパフォーマンスとその後の展開を考えて、ある程度の満足感があったのではないか。
■オバマ氏来日に合わせたかのような商船三井の貨物船問題
そして、まるでオバマ大統領の来日に合わせるかのように、中国の上海海事法院(裁判所)が商船三井の貨物船を差し押さえていた問題で、商船三井側が中国当局に約40億円の和解金を支払っていたことを、同海事法院が24日に明らかにした。
この問題は、中国企業が1936年に船舶2隻を商船三井の前身である大同海運に貸し出す契約を結んだものの、船舶はその後旧日本海軍に徴用され、44年までに2隻が沈没、その損害賠償を求めて中国企業が提訴していたものである。上海海事法院は2010年12月に29億円の支払いを命じていたが、商船三井側は中国企業に示談を働きかけていたため、商船三井の貨物船が差し押さえられたという。
菅義偉官房長官は当初(21日)、「日中国交正常化の精神を根底から揺るがしかねない」と述べ、中国側の対応を批判した。これに対して中国側は、戦時中の問題ではない、と応じた。船舶貸し出しの契約が締結された1936年は日中戦争が起こる前年のことだったからだ。
このところ韓国が戦争中に強制連行で徴用された元労働者の賠償金を請求し、中国も同様の賠償請求を行おうとする動きがあった。このため商船三井の件も、その一連の問題と捉えられ、日本では非常に反発が強かった。
■「これは特別のケースである」
しかしその後、商戦三井の貨物船差し押さえは、戦争中の問題ではなく、戦争前に起きた問題に関するものであり、さらに企業間取引の問題だということがわかってきた。
それでも供託金を支払うべきではないという意見もあったが、商船三井は上海海事法院の判決に基づいて、金利分を加えた約40億円を支払ったという。
私は外務省筋にこの問題について確認してみた。「これは特別のケースである」と外務省筋は説明し、「他の訴訟問題には拡大しない」「商船三井の対応は適切だった」という見方を示した。
オバマ大統領の来日中に日中関係がより悪化するのを防ぐことができたという意味では、商船三井の対応はホッとするものだったといえる。
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