http://www.asyura2.com/14/senkyo164/msg/807.html
Tweet |
「第1次安倍政権失敗の原因は何か」(EJ第3782号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/395881672.html
2014年05月01日 Electronic Journal
安倍首相が消費税増税に不安を持っていたことは確かです。な
ぜなら、安倍政権が現在高支持率を保っているのは、経済の好調
さにあることを安倍首相自身がよくわかっているからです。
もしそれまでの経済指標に少しでも問題があれば、増税延期も
あったと思いますが、いずれも大きな問題点はなく、これではや
らざるを得ないなと考えた矢先、財務省の策略でメディアが先行
報道をしたのです。2013年10月1日の安倍首相の増税決断
の発表について、倉山満氏は次のように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
凄惨な光景でした。平成25年10月1日、安倍晋三総理は、
「予定どおりの消費増税」を発表しました。よりによって午後
6時、マスコミが連日「この日、この時間に発表する」と既成
事実として垂れ流した時間に発表しました。安倍総理の顔面は
蒼白。原稿は棒読みで、自分の言葉になっておらず、自信なげ
に何度もトチっていました。デフレを脱する前に大増税などす
れば景気は悪くなる。そんなことは子どもでもわかる経済学以
前の知見です。総理記者会見の直後、株価は大幅に下落しまし
た。「ナイアガラ」と呼ばれる現象です。市場は正直に増税へ
の不安を示しました。 ──倉山満著
『増税と政局・暗闘50年史』より/イースト新書027刊
―――――――――――――――――――――――――――――
安倍首相がこれまでのところ順調に政権を運営できているのは
2回目の首相であるからです。それも1回目は失敗の連続で1年
で政権を降りていますので、2回目はその反省に立ってやってい
るのです。それに安倍氏は強運にも恵まれています。
安倍首相が財務省の策略による先行報道になぜ怒りをあらわに
したのかというと、第1次安倍内閣は財務省によって潰されたと
思っているからです。
第1次安倍内閣の組閣のさい、安倍首相は井上義行氏というノ
ンキャリア官僚を公務員制度改革担当の総理秘書官に任命したの
です。井上氏は現在みんなの党の参院議員ですが、特異な経歴の
持ち主です。井上氏は日大経済学部通信教育課程を卒業するなど
苦学して旧国鉄に就職し、ブルートレインの運転手をしていたこ
とがあるのです。
国鉄民営化に伴い総理府(後の内閣府)に移籍しますが、就任
早々上司から「国鉄の人間に行政なんかできるか」と罵倒された
といわれます。しかし、井上氏は、官邸整備などの仕事に地道に
取り組んで実績を上げていったのです。
なぜ、安倍氏が井上氏を総理秘書官にしたかというと、彼が独
学でマスターしたという朝鮮語が非常に堪能であったからです。
その語学力が買われて、彼は小泉訪朝のさい、通訳として活躍し
たのです。2003年に内閣参事官補佐・主査時代に拉致問題で
北朝鮮に単身で乗り込み、拉致被害者の子供達の帰国について詰
めの交渉をし、第2次小泉訪朝により子供の帰国を実現させると
いう功績を果しています。
この仕事ぶりを買って安倍氏は、第1次安倍内閣のとき、井上
氏を総理秘書官に抜擢したのです。これを見ると、安倍氏は一応
人を見る目を持っている政治家であるといえます。
しかし、この人事は東大出のキャリア官僚にとって大不評だっ
たのです。これは、今や名実ともに世界の一流指揮者になった小
沢征爾氏を若いころ東京芸大出身ではないとして馬鹿にし、N響
が小沢氏をボイコットした構図と全く同じです。このせいか、今
でも小沢征爾氏がN響と共演することはないのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
なんで俺があいつに頭を下げなきゃいけないんだ!
──倉山満著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
愚かなことですが、これがキャリア官僚の考え方なのです。同
じ官僚でも、キャリアとノンキャリアのアパルトヘイトは厳然と
存在するのです。つまり、この井上総理秘書官人事はアパルトヘ
イト下で黒人が白人の上司になったようなものです。
これによって第1次政権での安倍首相は、全霞が関のキャリア
官僚の敵になったのです。こうなると、キャリア官僚は総力を上
げて内閣の足を引っ張ります。
まず、槍玉に上がったのは、佐田玄一郎行政改革担当相の事務
所費問題です。キャリア官僚はこういう情報を多く握っており、
これを野党議員に流して辞任を迫るのです。この佐田氏の後任が
渡辺喜美氏です。
渡辺氏は独立行政法人の改革と天下りの根絶を宣言し、それに
加えてキャリア官僚制廃止を主張したのです。その志はよいので
すが、これは明治維新をもう一回やるほどのエネルギーが必要な
のです。この大改革をやるには、首相として地位を固め、まさに
政治家として剛腕でなければできません。安倍晋三氏や渡辺喜美
氏クラスの政治家ではとても無理です。
もし、これをやれるとしたら、小沢一郎氏を首相にするしかな
いと思います。民主党が天下を取って、その一歩手前まで行った
ので、官僚機構が検察まで使って小沢氏を潰したのです。彼らは
今でも小沢氏への警戒を解いていないのです。
第1次政権の安倍首相に対し、官僚機構は国民投票法を通した
ことでマスコミと手を握り、「消えた年金問題」で安倍政権を追
及したのです。本来この問題は、民主党の支持母体である自治労
が過失責任を負うべきですが、マスコミはそんなことにおかまい
なしに安倍政権を攻撃したのです。
さらに外交面では、米国のブッシュ大統領が中間選挙で負けて
レイムダック化したこともあり、これもうまくいかなかったので
す。ついていなかったといっても過言ではないのです。
これに懲りたのか、第2次安倍政権では、官僚機構を刺激せず
マスコミとも提携するなどの気配りをして、経済回復を目標に掲
げて政権を運営しています。財務省と対立しないためには、増税
決断が必要だったのです。 ──[消費税増税を考える/80]
≪画像および関連情報≫
●アベノミクスに生きている第1次安倍政権の失敗
―――――――――――――――――――――――――――
安倍総理がたかじんのそこまで言って委員会のなかで移民政
策を明確に否定したことがネットで話題になっている。この
ブログでもそれは誤解だと何度も書いたが、もちろん何の影
響力もなかった。こういう誤解を解くには、ご本人がテレビ
で明言するに限る。もっとも、この事実を知って少し安心し
た人もいるだろうが、安倍総理は新自由主義者、グローバリ
ストと信じ込んでいる人は心配の種は尽きることはないだろ
う。不安を煽られ「外国人」という言葉に過敏に反応するよ
うになっている人に、いくら事実を説明しても耳に入らない
のではないか。ところで、番組の中で印象に残ったのが、安
倍総理自身が小泉政権・第1次安倍政権時に企業の業績は向
上したのに賃金が上がらなかったと述べたことだ。そして、
その原因としてデフレから抜け出せていなかったことを挙げ
ている。そのあたりの発言について、ぼやきくっくりさんが
書き起こしてくださっているのでそこから引用させていただ
く。尚、ぼやきくっくりさんはいつものように、安倍総理の
発言全部も含め、番組の内容を詳しくまとめてくださってい
る。(引用ここから)「小泉政権、安倍政権において経済は
だんだん、実質成長率は上がってくるんですが、デフレから
脱却できなかったし、給料も上がらなかったんですね。企業
は収益をすごく上げたんですが、デフレから脱却できなかっ
た。そこで何をすべきか。これはやはり金融政策に課題とい
うか問題があったと。今までの伝統的な金融政策では上手く
いかなかったことが明らかになったんですが、伝統的な政策
を変えていくのはそう簡単なことではないんですが、むしろ
我々、野党になって、与党に戻るというこの時が最大のチャ
ンスだというふうに考えてました」。
http://amba.to/1pF5jUO
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK164掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。