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2014年04月29日
共同通信によると、ヘーゲル米国防長官とショイグ露国防相が電話会談を行い、ショイグ国防相は、ロシア軍をウクライナに侵入させないと表明した、と米国務省が発表した。アメリカ側だけの情報なので、ショイグ国防相が、オバマ同様、幾つかの条件が満たされればとの前提を付していることは容易に想像できるが、その点には触れていない。おそらく、ウクライナへの連邦制導入と右派セクターの完全排除が前提ではないかと思われる。新たな情報に基づき、ウクライナ情勢は別途。
本日は、“改心?変節?”した一人のジャーナリストと“頑固に変わらない”一人のジャーナリストのコラムを紹介して、拙コラムとさせて頂く。前者の主張は、最近当たり前になってしまった、日米の政府に寄り添う人間であれば、誰でも口にしそうな話を、長々と言い訳を書き集めて語っている。あまりにも、日米関係が永久不滅の関係であると云う前提に立ちすぎた、極論コラムで、哲学や歴史的眺望の視点が欠如している長谷川幸洋氏のコラムだ。あまりにも低俗なものなので、前文だけ掲載、あとは省略したが、前文を読みたい方はURLも記しておくので、そちらを参考願おう。
≪ TPP協議は継続だが、アジア太平洋全体の連携強化を鮮明にした日米共同声明を評価する
日米首脳会談の共同声明がようやく発表された。主役である安倍晋三首相とオバマ米大統領の会談が終わった後、脇役にすぎない両国の閣僚が環太平洋連携協定(TPP)をめぐって夜を徹した交渉を続けた末、声明発表にこぎつけるという異例の展開である。
■TPP交渉決着へ一歩前進
これを見ただけでも、両国がいかにTPPをまとめたいかがよく分かる。首脳会談の「陰の主役」である中国をけん制するために、日米としては、なんとしても強固な絆でアジア太平洋地域の連帯感をアピールしたかったのだ。
これまで何度も書いてきたように(たとえば、2013年8月23日公開コラム)、TPPは貿易自由化と中国をにらんだ安保防衛という2つの側面がある。ロシアによるクリミア侵攻という「あからさまな力による現状変更」の試みが中国を一層、刺激しかねない局面で、日米関係を軸にしたTPPは一段と重要になっていた。
結末は協議継続という形になったが、声明は「TPPに関する2国間の重要な課題について前進する道筋を特定した」と述べている。一歩前進であるのは間違い ない。最終合意までには曲折があるだろうが、これで基本路線ははっきりした。日米両国はなんとしても交渉をまとめる方向だ。
声明は尖閣諸島の防衛について、あらためて大統領によるコミットメントを明確にした。さらに日本の集団的自衛権の行使をめぐる検討についても「歓迎し支持する」と書き込んだ。これらはもちろん、日本にとって大きな成果である。・・・・・・ *注、長々と続くが以下省略 ≫(現代ビジネス:ニュースの深層:長谷川幸洋) http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39112
*この長谷川のコラムを読んで、改めて思ったことだが、TPPも日米軍事同盟も、対中国を意識し、牽制する意味合いが大きく、その点で大成功風に書いている。また、ロシアのクリミア編入における経緯を「クリミア侵攻」と云う言葉を使い、猛烈な印象操作をしている。その上で、ロシアは「あからさまな力による現状変更」をしたと断じている。百田尚樹とほぼ変わらない精神の持ち主のようだ(笑)。日本の多くの中立的顔をした善良なジャーナリスト紛いの典型とも目される長谷川にして、これである。
この長谷川のコラムで理解できた一番は、「中国の抬頭は確実で、その力は脅威になる」と認めている点だ。ある意味で、単なる決めつけなのだが、そのような前提に立たないと、論が進まないわけだ。おそらく、日米の多くの人間が、現在のプレゼンスから一歩も退きたくない願望が根底にあるのだろうが、既に日米や西側諸国のプレゼンス、存在感は根本的に落ち目なわけで、それこそ「普遍的価値」衰退であり、彼らが死んでも離したくない「普遍的価値」のパラダイムシフトも考えないし、不都合な現実や事実に目を瞑って生きていこうと考えているのが、何とも悲しく愚かだ。
お口直しではないが、多少爽やかなコラムを読んで、気分を一新しよう。以下は、少々気弱さもあるが、正直なジャーナリスト魚住昭氏のコラムを読んでもらう。
≪ 第七十七回 もはや、戦後ではない、かも?
おととい、娘(7歳)のクラスメートのIちゃんが家に遊びにきた。私はいなかったが、妻の話では、庭でしばらく遊んだ後、近くの小さな公園に行ったそうだ。 その公園には満開の桜の木が2本あって、薄桃色の花びらがひらひら宙に舞っていた。 Iちゃんと娘はそれを手でキャッチしようと夢中で追い駆けた。でも、なかなかつかめない。
ふたりは一計を案じ、自転車で桜の下をぐるぐる走った。車輪を回せば風が巻き起こって花びらがもっと散ると考えたからである。 でも、風は吹かない。それがわかったので、今度は着ているパーカーを脱ぎ、頭上の桜の枝に向けてパタパタ扇いだ。が、風はそよともしない。とうとうふたりは大声でワーッと叫びだした。どうやら声が風になって桜の枝を揺らしてくれると考えたらしい。 「もう、大騒ぎ。子供って次から次へといろんなことを思いつくのよね。ああ、楽しかった」
夕方、帰宅するなり、妻は晴れやかな笑顔で言った。その顔を見て私も幸せな気分になった。心配事はたくさんあるが、とりあえずいま、わが家は平和である。 と思いつつ夕刊を開くと「武器輸出新三原則を閣議決定」という見出しが目に入った。政府が原則禁止していた武器輸出を事実上解禁するという。
東京新聞は「日本の武器を世界に売り込む考えだが、憲法九条の『戦争の放棄』の理念は崩れ、戦後積み上げてきた平和主義の信頼感に基づく外交力を失うことになりかねない」と批判していた。
そう。平和主義の崩壊と言っていい。でも、輸出解禁の狙いは単に国産武器を外国に売りつけることだけだろうか。引っかかりを感じたので元航空幕僚長の田母神俊雄さんの本を取り出した。
安倍首相の真意を知るにはタモちゃん本を読むのが一番だ。ふたりの考え方は、歴史認識から核武装に至るまで双子のように似ている。しかも田母神さんは首相の本音を明け透けに語ってくれる。
まず昨夏発売の『安倍晋三論』(ワニブックス刊)である。田母神さんによれば、自衛隊は防御に偏り、攻撃力が極端に低い。なぜなら自衛隊は専守防衛で、日本が攻撃されたら米国に反撃してもらうことになっているからだ。 米国に守ってもらっていれば、最終的には米国の言いなりになり「国策の自由が奪われた」国に住み続けなければならない。
その米国の狙いは日本の弱体化だ。20年前、日本の国民1人当たり名目GDPは米国を抜いて世界一になろうとしていたのに、今ではずいぶん落ちこんでいる。 これは米国の圧力に屈して「改革」「自由化」を進めた結果、終身雇用や年功序列の「日本式経営システム」が機能しなくなったからだ(この辺りはあくまで経済の専門家ではない田母神さんの自説である。念のため)。
この状態から抜け出すには軍事的に自立するしかない。では、そのために何をしなければならぬのか。そう問いかけたうえで、彼はちょっと意外な結論を導き出す。
「憲法改正? いや、違う。憲法改正ができればそれに越したことはないが、今すぐにでもできることがある。それは『武器輸出解禁』である」 なぜかというと日本では、武器は自衛隊にしか売れない。逆に言うと、企業は自衛隊の発注なしに作れない。だから企業は武器開発に先行投資しない。将来自衛隊が買ってくれる保証がないからだ。
だが、と彼は言う。もし外国に武器が売れるなら先行投資ができ、もっと高性能の武器を大量生産できるようになる。「お下がり」のような米国製戦闘機を言い値で買わされることもなくなり、国産に換えられる。 軍艦、ミサイルなども国産化すれば大きな公共事業になり、数多の企業を潤す。戦闘機の開発生産だけで6000社以上の会社の参画が見込まれ、早ければ10年後に自衛隊はほとんど国産装備の軍≠ノ生まれ変われるという。
彼は『日本核武装計画』(祥伝社刊)にもこう書いている。
何しろ戦闘機や護衛艦など主力兵器は単価がバカ高い。それを作ったら売れるぞとなったら、三菱重工や川崎重工、富士重工だけでなく、東芝やNECなどの電機・IT機器メーカー、機体や船体の素材や部品の製造技術を持つメーカーも色めき立つ。
「各社は競って先行投資をし、同時に営業マンを海外出張させるだろう。もともと70年前にゼロファイター(零戦)で世界を驚嘆させた日本の技術力である。(中略)世界が驚くような凄いものを短期間でつくってみせるはずだ」 つまり、武器輸出解禁で自衛隊の装備は米国製から純国産化の方向に転換し、従来よりはるかに巨大で裾野が広い軍需産業が日本に出現するというのである。 田母神さんによれば、もうひとつ、武器輸出には大きな利点がある。輸出相手国への影響力の拡大だ。ある国が武器を買えば、部品の供給や技術支援に武器生産国の協力が必要になる。だから武器生産国は相手国の軍事能力・国策に影響力を行使できるようになる。
現状だと日本は絶対に米国と喧嘩できない。米国の技術支援がないと戦闘機を飛ばせないからである。武器を売った米国は日本から万が一にも攻撃されず、しかも日本に対し絶対的優位に立てる。 「このように国産の武器を海外に売ることは自主防衛への道であると同時に、国は安全になり、外交交渉でも有利になり、おまけに儲かる。いいこと尽くめ」なのだと田母神さんは説いている。
安倍政権の狙いもたぶん同じだろう。武器輸出で日本は再び軍事国家になり、将来的には米国の手を借りずとも国際的な「富と資源の分捕り合戦=v (『安倍晋三論』)に自力で参加できるようになる。集団的自衛権の行使という免罪符さえあれば、いつでもどこでも戦争ができる国になる。
何とも勇ましくおぞましい話である。彼らの眼中には先の戦争で死んだ人々の無念と、残された家族の悲しみはまったくないらしい。あるのは、他国に舐められてたまるかといった夜郎自大な国家意識だ。この分だと核開発に踏み切る時期もそう遠くないだろう。
田母神さんや安倍首相の言動を見るにつけ、私はハーメルンの笛吹き男の伝承を思い浮かべる。13世紀ドイツの街ハーメルンに現れた男が子供らを笛の音で誘い、何処かへと連れ去った事件である。
一説には、130人の子が男について洞窟に入り、戻らなかったという話の起源は、子供らが戦争に駆り出された辛い記憶だという。 同じような未来が子供たちを待っているのかもしれない。もう戦後ではなく戦前だ。これから動乱の時代が始まると思う。私が子供にしてやれるのは、いまの平和を存分に楽しませてやることぐらいしかないのだろうか。わが身の非力さに歯噛みする思いだ。 ≫(現代ビジネス:メディアと教養:魚住昭 『週刊現代』2014年4月26日号より)
田母神氏が前述コラムの通りの人であることは、筆者も同意する。田母神俊雄が言う通り、都知事選では、舛添など応援せずに、田母神俊雄を推薦支持するのが筋だと思っていた。ただ、田母神氏の心意気は本物だが、安倍晋三の思いは、田母神俊雄のような世界になる事を望んでいるわけではなく、それらしく振舞いたい衝動であり、決して本気で、その方向を目指すと云う本物ではない点が、酷く異なる。日本独自で、軍事的に強くなる必要もなく、軍産複合体で経済を牽引しようと云う試みも、所詮は時代の流れに呑み込まれてしまうわけで、何となく世界全体に漂う、20世紀の奔流の水量が涸れかけていることは、誰の目から見ても歴然だ。
今を生きると云う現実論にだけ立脚しても、世界が混沌や苦境から脱することはない。これらの混沌を導き出した立役者は何人でもいるわけだが、筆者は必ずしも、彼らがメインプレヤーだったとは思わない。やはり、メインプレヤーは歴史の流れであり、その時代に生きている人々全体にある、何となくの認知だ。その空気は、漂うように穏やかで、動きは緩慢だが、どのような他力を持ってしても動かしがたいパワーを秘めているので、核爆弾を何発撃ち込んでも破壊不可能だし、権謀術策で生き延びようとしても、意味のない足掻きだ。筆者も断定は出来ないが、次の世界への展望がぼんやりとでも見えていれば、ここまでの混沌からは抜け出せるだろうが、そのボンヤリすら見えない間は、混沌が加速度的に進んで行くのだろう。
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