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<“政高党低”の安倍政権>アメリカとのTPP交渉は「7、8合目くらい9合目未満」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140429-00010001-jindepth-pol
Japan In-Depth 4月29日(火)14時0分配信
「どうなっているんだ」
自民党の農水族衆院議員が声を荒げた。読売新聞が2014年4月25日、東京夕刊最終版(4版)の1面トップで「日米TPP実質合意」との見出しで他紙を抜いた。この日の他紙夕刊は「実質合意に至らず」との見出しだった。
読売の報道によれば、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)において両国は、牛肉の関税(38.5%)を20年程度で段階的に9%以上の水準に引き下げる一方、豚肉は基準価格より安い輸入豚肉ほど関税が高くなる「差額関税制度」は維持しつつも、基準価格自体を大幅に引き下げるというもので概ね合意したというのだ。
その後、政府関係者の話などによると、大筋合意に至らなかったが、実際の交渉では日米間の歩み寄りはかなり進んだというのが真相らしい。現在、牛肉や豚肉などの農産物が大きく注目されているが、自動車の規制緩和の方が難問として立ちはだかっているようだ。
甘利明TPP担当相は民放の取材に対し、フロマン米通商代表部(USTR)代表との交渉について「7、8合目くらいかな。9合目まではいかないという感じ」と、微妙なニュアンスを口にした。
その背景について政治ジャーナリストはこう読む。
「米国議会はオバマ大統領に通商交渉の一括権限を与えておらず、議会を通らない可能性がある。ここで実質合意を明らかにするのは、オバマ大統領にとっても得策ではない」(政治ジャーナリスト)
フロマン代表は今後、米国で「日本からこれだけの譲歩を引き出した」と説明するなどの地ならしをした上で、夏ごろには議会の承認を得ていくだろうという。
「反対の声を上げてもどうにもならない。いまの安倍政権は完全な“政高党低”。交渉事だから、何も分からないまま、結局、決まったことに対して従うしかない」(自民党・農水族衆院議員)
冒頭の族議員は、自嘲気味にこう語った。
山田厚俊(ジャーナリスト)
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