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「今週のバカ」という『週刊文春』のコラムの紹介である。
4月17日発売の『週刊文春』4月24日号に掲載された内容なので“週回遅れ”になってしまったが転載させていただく。
適菜収氏については、ニーチェの『反キリスト者』を訳した『キリスト教は邪教です!』を読んだことはある(面白い)。それ以外は、阿修羅でも頻繁に用いられているB層という概念を広めた人物で、保守的な価値観の持ち主という認識しかない。
適菜収氏はさすがというか、「反日安倍政権の暴走もここに極まったようだ。人口を増やしたいなら、子育てをする専業主婦の控除枠を拡大し、「社会進出」を止めるべきではないか」、「まあ、安倍の場合は確信犯でしょう。頭の悪い自称「保守」向けのパフォーマンスには長けているが、本人はもちろん保守ではない」、「「これから日本の伝統的な社会を破壊します。街には移民が溢れ、治安は悪化します。教育は完全に崩壊します。でも、人材派遣会社をはじめとする私のお友達に便宜を図るためには仕方がないんです」とでも言えばまだ正直だが、国内では愛国者面をしているからタチが悪い」と安倍氏と安倍政権の政策を評価している。
適菜氏のように個々の政策だけで決めつけるのではなく、全体の政策で判断しなければならないが、安倍首相が、“反日”的で保守ではなく、国内では愛国者面をしているからタチが悪いという評価は的を射ている。
阿修羅でも反安倍的人士が、安倍首相を右翼や愛国保守の権化のように取り扱い結果的に安倍首相のサポートにつながる投稿をしばしば行っている。
共産党など、右翼反動があって初めて存在意義があるという政治勢力はそれでもかまわない。
しかし、安倍的政治を終わらせたいと考えるのなら、安倍首相を右翼・保守主義・愛国主義といった言葉で形容する愚はやめたほうがいい。
安倍氏の人気は、小沢シンパや共産党と似た立場と評価されてしまえば一気に凋落する。小沢シンパやリベラル勢力に嫌われていることが、安倍氏が保守的気分の国民から強い支持を受けるバックボーンになっている。
左翼やリベラルといった政治潮流は、気分は平等主義で気ままが大好きである国民多数派の支持を失い絶滅の危機に瀕している。
安倍首相は、左翼やリベラルに嫌われる右翼・保守主義・愛国主義の政治家と見られることでなんとか人気を維持している。(むろん、世論調査で示される数字は捏造だが、国民の大半は無関心で小選挙区制度だから30%の支持があれば十分)
これまでも何度か書いてきたが、非力すぎる反安倍陣営が安倍首相を追い詰める手法は、安倍氏を、彼が演じているままの右翼や愛国保守の対外強硬派として非難するのではなく、対米従属のリベラルチックな安っぽい政治家でしかないことを事あるごとに拡散すること以外にない。
「愛国保守」や右翼の発露と思われている軍事的強圧的諸政策は、ただたんに対米従属の現れであり、それを対米従属と思われないよう愛国保守性の強調でごまかしているのである。
また、自由主義経済を標榜しながら、企業に対する賃上げ要請や夫婦共稼ぎ環境の良化などリベラルチックな政策を推進している。
(NTTドコモが、他社からの乗り換えを促進するマーケティングを修正し長期契約者を優遇するマーケティングに切り替える方針への転換を表明したのも、安倍政権からの“指導”を受けてのもの)
適菜氏の文章のなかに、「成長戦略として「女性の活用」を掲げる総理の安倍晋三は、先日行われた経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議の場で、配偶者控除の縮小・廃止を検討するよう指示したという」という内容があるが、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議の場で指示したのは、“配偶者控除の見直し”であり、“配偶者控除の縮小・廃止”ではない。(これについて、後日詳しく説明したい)
「財務相の麻生太郎は「うかつなことはやれない」」も、公約違反であること共に、15年10月の消費税再増税を控え家計可処分所得が減少してしまうような“うかつなこと”はやれないという趣旨の発言である。
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『週刊文春』4月24日号
P.49
『「今週のバカ」うかつにもほどがある「女性の活用」の愚 適菜 収
成長戦略として「女性の活用」を掲げる総理の安倍晋三は、先日〔1〕行われた経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議の場で、配偶者控除の縮小・廃止を検討するよう指示したという。
専業主婦のいる世帯を狙い撃ちにした事実上の増税により、家庭から女性を引き剥がし、安価な労働力として使おうという話のようだ。
内閣府特命担当大臣の森まさこは、「女性の活躍推進は、成長戦略の中核です」〔2〕と安倍に追従。「社会のあらゆる分野において指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに少なくとも三〇%程度とする」〔3〕のが政府目標だという。法律で義務付けるのではないと弁解していたものの、いつから、わが国は全体主義国家になったのか。
そもそも配偶者控除の廃止は公約違反だし、それ以前に、戦後の自民党のマシな部分を根こそぎひっくり返すような暴挙だろう。財務相の麻生太郎は「うかつなことはやれない」〔4〕と述べていたが、そのとおり。結局、うかつなんだよ。
さらに意味がわからないのが、「女性の社会進出」を加速させるためとして、移民を大量に受けいれ、家事・育児をさせようとしていることだ。現在の法律では、外国人の単純労働は認められていないが、このまま進めば家庭内に外国人が入ってくることになる。
また、内閣府は「毎年二十万人(の移民)を受け入れることで、合計特殊出生率が人口を姓持できる二・〇七に回復すれば、今後百年問は人口の大幅減を避けられる」〔5〕と試算したという。
反日安倍政権の暴走もここに極まったようだ。人口を増やしたいなら、子育てをする専業主婦の控除枠を拡大し、「社会進出」を止めるべきではないか。
まあ、安倍の場合は確信犯でしょう。頭の悪い自称「保守」向けのパフォーマンスには長けているが、本人はもちろん保守ではない。「これから日本の伝統的な社会を破壊します。街には移民が溢れ、治安は悪化します。教育は完全に崩壊します。でも、人材派遣会社をはじめとする私のお友達に便宜を図るためには仕方がないんです」とでも言えばまだ正直だが、国内では愛国者面をしているからタチが悪い。
昨年安倍はシンガポールで「(日本は)シンガポールに追いつき、できれば追い越したい」〔6〕と発音した。これは海外投資家向けのリップ・サービスではない。経済最優先で外国人に子育てをさせるシンガポールのような国に日本を変えるという明確な意思表示だ。
女性の一番の仕事は家庭で子供をきちんと育てることです。こういうと「子供がいない女性に失礼だ」とか「共働きをするしか生活できない家庭もある」などと批判をしてくる人もいますが、全部が全部そうだと言っているわけではない。
「母親は家で子育てすべきというのは保守的な意見」というのもアホ丸出し。
子育てに保守も左翼もあるわけがない。人類の歴史上、数百万年以上にわたり、母親は自分の子供を育ててきたのである。まともな日本人は、「反安倍政権」を旗印に結集すべきでしょう。
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〔1〕三月十九日発音。昨年の参院選で自民党は「配偶者控除推持」を公約した。
〔2〕三月十一日、参院内閣委員会での発音。
〔3〕二〇一三年三月二十一日、参院内閣委員会での発音。
〔4〕一月二十一日、記者会見での発音。
〔5〕『産経新聞』三月十四日。
〔6〕二〇一三年七月二十六日。シンガポールのリッツ・カールトンで行われた第三十三回「シンガポール・レクチャー」における「日本とASEAN・Always in tandem―『三本の矢』で一層のWin-Win関係へ」と題された講演。
てきな・おさむ/作家。哲学者。1975年、山梨県生まれ。事書に『日本をダメにしたB層の研究』『日本を救うC層の研究』(いずれも講談社)など多数。』
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