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2014年4月28日
衆院の鹿児島2区補選で自民党公認候補の金子万寿夫氏が当選した。
開票結果は以下の通り。
◇鹿児島2区補選確定得票
当 66,360 金子万寿夫 自 新
推(公)
◎ 46,021 打越 明司 無 元
推(民・維・結・生)
5,858 有川 美子 諸 新
5,507 三島 照 共 新
1,283 松沢 力 諸 新
1,152 碩 利昭 無 新
事前の予想通り、自民党候補者が当選した。
消費税増税が断行され、今後、TPP参加、集団的自衛権行使容認、原発再稼働、沖縄米軍基地建設強行、などの政治暴走が予想されている。
権力の暴走を食い止めるには、選挙で民意を示すことがもっとも有効である。
自民党国会議員が政治資金規正法違反に連座して議員辞職して実施された補欠選挙であるから、野党が勝利しなければならない選挙だった。
しかし、結果は自民党の勝利に終わった。
政治の流れを転換させる契機を、私たちはまだ獲得できていない。
もとより、自民党の地盤が盤石な保守王国であるから、自民党候補者の当選は当たり前のことといえば当たり前のことかも知れぬ。
しかし、この風潮が日本全体に広がれば、日本政治刷新の気運は完全に削がれてしまうことになる。
現実をよく見極め、基本戦略を再構築しなければならない。
この選挙の最大の特徴は投票率が記録的に低かったことだ。
確定投票率は45.99%で、同選挙区では過去最低値となった。
「政治とカネ」の問題で現職議員が辞職に追い込まれ、また、消費税大増税実施という、巨悪のイベントが生じた直後の選挙であるから、投票率は本来、過去最高を記録するべき選挙だった。
それが、過去最低を記録したのである。
当選した金子氏と時点の打越氏の得票数の差は2万票だった。
保守地盤が極めて強い選挙区としては、次点候補者の得票は、自民党候補の金子氏にかなり迫ったと言える。
政権批判が強まり、投票率が大幅上昇していれば、あるいは結果が逆転した可能性もある。
この点を考慮すると、安倍政権がTPP交渉で、米国に妥協を強要され、ほぼ全面的に米国の要求を呑む方向に動いたと考えられるなかで、TPP交渉の日米大筋合意を無理に追求しなかったのは、この補欠選挙への影響を考慮したからだと思われる。
豚肉の関税大幅引き下げは、鹿児島県で総スカンを喰う原因になる。
姑息な対応であると言わざるを得ない。
投票率が大幅に低下したことは、実は、民意を吸収する有力な候補者が出馬しなかったことに原因があると考えられる。
打越氏は民主、維新、結い、生活の相乗り推薦を受けた。
自民が一強を形成しているから、対立野党が連携しなければ勝算を得ないとの理屈は分からないでもない。
しかし、維新、結いが示す政治の方向は、自民党よりも右に偏ったものでもある。
集団的自衛権行使に前のめりであり、日本国憲法の平和主義とは相容れぬ方向が示されている。
他方、同じ4月27日に投開票が行われた沖縄県沖縄市長選では、自民、公明推薦の桑江朝千夫氏が僅差で勝利した。
開票結果は以下の通り。
当 29,968 桑江朝千夫 無 新
推 自 公
支持 そうぞう 民主 維新
◎ 27,779 島袋芳敬 無 新
推 社民 共 社大 生活
2000票差で保守系候補が勝利した。投票率は57.73%だった。
ここでは、民主党が自公と相乗りして、野党候補を支持しなかった。
民主党が島袋氏を支持していれば、勝敗は逆転したと考えられる。
こうした選挙結果のなかに、明日への示唆が含まれている。
鵺(ぬえ)のような存在の民主党が日本政治を破壊している。
民主党は既得権益の側に立つ政治を目指すのか、主権者の側に軸足を定める政治を目指すのか、旗幟(きし)を鮮明にするべきだ。
この民主党の二重性、ダブル・スタンダードが日本政治を破壊したのである。
いま私たちの目の前には、
原発・憲法(集団的自衛権)・TPP・消費税・沖縄
という、日本の命運を分かつと言っても過言ではない、重大問題が立ちはだかっている。
安倍政権はこれらを推進する方向に明確に舵を定めている。
この方針に対峙する政治勢力が毅然として大同団結することが求められている。
それが、主権者の意思を吸い上げる政治行動である。
民主党の既得権益派、維新、みんな、結いは、基本的に自民党と政策方針が変わらない。第二自民党と表現してもよいだろう。
日本政治が自民党と第二自民党の二大政党制に移行するなら、日本の政治刷新は永遠に不可能になるだろう。
これを回避するには、自民党に対峙する、主権者の側に軸足を置く政治勢力が大同団結することが必要なのである。
沖縄市長選では、主権者勢力が大同団結していれば、主権者勢力が勝利を収めたはずだ。
政界再編=主権者政治勢力の結集が求められているのである。
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