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「冷戦」が抜けない安倍首相の時代錯誤 【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
http://gendai.net/articles/view/news/149756
2014年4月25日 日刊ゲンダイ
中国との緊張高める
「日米同盟は力強く復活した」
日米首脳会談後の共同記者会見で、安倍首相は「成果」を強調していた。親密な関係を内外にアピールするためだろう。オバマ米大統領をファーストネームで呼び、「バラクと私で、これまでで一番良好な日米関係を築いていきたい」とも訴えている。
「復活」と言うからには、壊れていたのだろう。実際、日米関係は戦後で最も冷え込んでいると指摘されてきた。最低から「一番」になるのは簡単ではない。じっくりと時間をかけて理解を深めることが重要だ。有名店で一緒にすしをつまんだぐらいで、鼻歌を歌いながら肩を組んで歩く関係になれるわけではない。
信頼を失わせたのは安倍首相である。米国は、近隣諸国との緊張を高める靖国神社参拝は控えるように進言していた。それを聞き入れられなかったため、「失望した」とのコメントを発表。「戦後レジームからの脱却」といったフレーズに対しても、大戦後の国際秩序に異を唱えるものだとして不快感を持っているらしい。安倍政権への不信は根強いのだ。2泊3日の国賓待遇で払拭されるとも思えない。ましてや、「一番」になるのは不可能だろう。
安倍首相の頭の中は、冷戦時代から変わっていない。米国と手を結ぶのは、中国に対抗するためという発想だ。米国の力を利用して、アジアでの存在感を維持し、影響力を行使し続ける。そのために米軍基地も沖縄に残さなければならない。憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使も可能にする。そんな考えなのだろうが、ここまでくると冷戦ではなく戦前だ。いずれにしろ時代を錯誤している。
米国は違う。対日外交の課題はTPP交渉の進展だ。中国を刺激するために共同歩調を取ろうとは思っていない。むしろ日本には、中国との緊張を和らげるように求めている。徒党を組んで社会主義陣営とにらみ合う時代は終わったという認識。必要なのは地域の安定で、韓国との関係に対しても修復を望み、3カ国による首脳会談までお膳立てしている。もはや冷戦時代の感覚はない。
昔に向かう日本と前に進む米国。安倍首相は「アジア重視のリバランス(再均衡)政策を強く支持し、歓迎したい」とオバマ大統領におべっかを使っていたが、その狙いや意味を本当に分かっているのだろうか。唐突に「バラク」「シンゾウ」と呼び合ったところで、理解が深まることはないだろう。
【高橋乗宣】
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