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オバマ大統領と握手する安倍総理(「首相官邸 HP」より)
集団的自衛権行使容認議論、消費増税による景気後退で一気に潰れる可能性も?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140426-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 4月26日(土)3時0分配信
4月24日の日米首脳会談で、オバマ米大統領が安倍政権が進めている集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈見直しについて、歓迎し支持する意向を表明したのを受け、安倍晋三首相はゴールデンウィーク明けから検討作業を本格化させる。その帰趨と合わせて、朝日新聞・毎日新聞vs.読売新聞・産経新聞バトルの行方にも注目すると興味深い。
国家の自衛権は、個人に置き換えると、正当防衛に相当する。正当防衛にも危害の対象が自分だけでなく他人に対しても認められているように、自衛権にも個別的自衛権と集団的自衛権がある。
集団的自衛権は国際法で認められている権利で、自国が直接攻撃されていなくても、自国と密接な関係にある外国への武力攻撃を阻止するために武力を用いることだ。
日本もその例外ではなく、集団的自衛権を持っている。しかし、憲法第9条で許容される自衛権の行使は、「我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきで、集団的自衛権の行使はその範囲を超えており、憲法上許されない」というのが、これまでの憲法解釈だ。
この解釈を見直し、集団的自衛権を容認する道筋をつけるため、安倍晋三首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が、連休明けにも有識者懇談会の報告書を提出する。
報告書では、自衛隊による国連平和維持活動(PKO)への参加拡大や平和維持軍(PKF)などでの武器使用制限の緩和、「国際紛争」の解釈変更などと合わせて憲法解釈上認められている「自衛のための必要最小限度の実力行使」に集団的自衛権も部分的に含まれるとの見解を打ち出す見通しだ。
安倍首相は、報告書を受け取った後に国家安全保障局で「政府方針」を作成・発表して、与党の自民、公明両党内の調整を加速させる意向だ。両党の了承を取り付けたうえで、夏に憲法解釈の変更を閣議決定し、秋の臨時国会で集団的自衛権の行使を想定した自衛隊法改正案などの関連法案を成立させるというシナリオを描いている。
●大手新聞各紙の反応
実は、与党内の調整は首相の指示で4月初めから自民党の高村正彦副総裁が動き出し、“解釈改憲”に慎重な公明党首脳らと会談している。日米安保条約と在日米軍の合憲性が争われた1959年の砂川事件の最高裁判所判決が日本の存立に必要な自衛の措置を認めたことを根拠に、高村副総裁は「判決の必要最小限の自衛権の範囲には集団的自衛権も含まれるものがある」とし、限定的な行使の容認を認めるよう働きかけている。
これに対し、公明党の山口那津男代表らは「砂川判決は個別的自衛権を認めたものと理解してきた。集団的自衛権の行使容認を視野に入れたものではない」との認識を示し、「個別的自衛権で対応できないか、まず検討すべきだ」と主張、慎重姿勢を崩さず、引き続き協議を続けることになっている。
この砂川判決を根拠にした「限定容認論」に対して、朝日、毎日、読売、産経の全国紙4紙は、“解釈改憲”賛成派と反対派に二分した。
読売は4月4日付社説『限定容認論で合意形成を図れ』で高村副総裁の提案を支持、「全面容認」を求める産経も4月6日付社説『危うさはらむ限定容認論』で、「公明党の理解を得るための『次善の策』の面が大きい。(略)政治的妥協が必要なことは否定しない」と、条件付きながら支持を表明した。
これらに対して、朝日は4月6日付社説『砂川判決のご都合解釈』で「砂川判決が集団的自衛権を認めているならば、その後に確立されていった内閣の憲法解釈にも反映されて当然なのに、そうはなっていない」と批判、毎日も4月11日付社説『限定容認論のまやかし』で、公明党の主張に同調している。
夏場に向けて、このバトルもさらに白熱しそうだが、朝日・毎日に分が悪いのははっきりしている。それでも、「結論先送り」という逆転劇のチャンスがゼロなわけではない。
●多数の論理で解釈改憲を推進か
一強多弱という政治状況に加え、多弱のうち解釈変更に絶対反対なのは共産党と社民党だけといってもいい。みんなの党と維新の会は限定容認を支持しており、一応、反対の立場の民主党も一枚岩ではないようだ。与党の公明党が慎重でも、多数の論理を貫徹すれば、局面は憲法解釈の変更に流れていくと見るのが自然だろう。
消費税増税前の駆け込みなどの反動が経済指標として現れるのはこれからだが、想定以上の落ち込みになれば、安倍政権への支持率が急落する公算は大きい。支持率を決める最大の要因は、その時々の“経済状況”といっていいからだ。
もし、夏場に支持率急落という状況になれば、公明党は勢いを増すし、自民党内のリベラル派も反旗を翻す可能性が出てくる。今は強気の安倍首相も慎重にならざるを得ない。いずれにせよ、反対派は粘り強く“遠吠え”を続けつつ、他力本願で逆転のチャンスは待つほかないだろう。
民主党政権時代、新聞各紙は一致して“決められない政治”を攻撃、“決められる政治”の実現を期待する国民のムードづくりに大きな役割を果たした。その結果、一強多弱の政治が実現した。しかし、民主主義を政治体制の基本に据える以上、“決められない政治”に陥りがちになるのは当然で、民主主義体制を堅持するには、国民がそれを甘受する気持ちを持ち続けることが不可欠だ。
今、反対派の朝日・毎日は“決められる政治”の実現を求めた過去の主張のしっぺ返しを食らっているともいえる。そのことに気づいても、もはや後の祭りだ。改めて「民主主義とはなんなのか」と問い直すとともに、しっかりした思想軸を持たずに安易に展開した「批判のための批判」を猛省する契機にすべきなのだ。
大塚将司/作家・経済評論家
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