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2014年4月23日
米国のオバマ大統領がアジア諸国を歴訪する。
訪問国は日本、韓国、マレーシア、フィリピンである。
オバマ大統領は昨年10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席および東南アジア諸国歴訪の予定を土壇場でキャンセルした。
米国内の財政政策協議が難航し、政府機関閉鎖の危機が迫ったためである。
今回の歴訪は、米国のアジア重視の姿勢を改めて示すためのものである。
訪日日程は当初1泊2日であったが、安倍政権が強く求めて、2泊3日の日程に変更された。
日本側はオバマ大統領を国賓として迎えたいとして、24日は宮中晩さん会も開催されることになった。
しかし、オバマ大統領は迎賓館には宿泊せず、ホテルオークラに滞在する。
また、ミシェル夫人は今回のオバマ大統領歴訪に同行しない。
日本サイドが国賓での訪日を要請したのに対して、オバマ大統領サイドは極めて冷淡な対応を示していることが分かる。
23日には安倍首相が主宰する夕食会が東京銀座の「すきやばし次郎」で開催される。
オバマ大統領の到着は午後7時ころと見込まれ、到着後、会食場に直行するのではないかと思われる。
オバマ大統領訪日日程が民間施設利用を中心としたものになるため、市中の警戒態勢が強化され、市民生活には大きな混乱が生じることになる。
首脳会談は24日午前に開かれ、24日午後には日本未来科学館と明治神宮を訪問することが予定されている。
国賓としてオバマ大統領を迎えるのに、歓迎式典における儀仗隊の栄誉礼と両国国歌演奏もないのは異例である。
焦点はTPP、集団的自衛権、日韓・日中関係改善などである。
日本政府はTPP大筋合意成立を目指すが、安易な譲歩は国益の損失を意味する。
安倍自民党は選挙で6項目の公約を明示している。
メディア報道は最近、「5項目」の表現を使うことが多いが、これもまたペテン的な手法である。
「5項目」は従来の「6項目」のなかのひとつに過ぎない「関税聖域5品目」のことを表現するもので、6項目のうちの5項目が雲散霧消というか隠蔽されているのである。
国民を欺いて、国民に不利益を与えるTPP参加に前のめりの姿勢は、主権者に対する背信行為でしかない。
集団的自衛権では、安倍首相が集団的自衛権行使に前のめりになり、米国がこれを牽制するという、いびつな構図になっている。
日本国憲法は第9条で、
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
ことを明記しており、国際紛争を解決するために武力行使することを意味する集団的自衛権行使は、憲法で明確に禁止されている。
国連憲章は自衛権を定めており、日本は自衛権を有すると理解されているが、集団的自衛権の行使については、日本国憲法がこれを禁止していると理解されているのである。
つまり、集団的自衛権を行使するためには、憲法改定が必要になるのであり、憲法を改定しないままでの集団的自衛権行使は憲法違反行為になる。
安倍氏は、この憲法違反に突き進む姿勢を示しているわけで、他国の大統領から、あなたの提案はあなたの国の憲法に反しますよと指摘されるのは、極めて恥ずかしいことである。
オバマ大統領夫人のミシェル・オバマ氏は3月20日から1週間の日程で、中国に滞在した。
ミシェル夫人、二人の令嬢、ミシェル氏の母親の合計4人で中国に1週間滞在したのだ。
中国では、習近平夫人の彭麗媛氏が接待役になってミシェル夫人らが故宮などを見学したことが伝えられている。
ハーグで開かれた核・セキュリティーサミットに向けて出発する直前に、習近平主席本人が現れて「中国主席と米ファーストレディの会見」が行われた。
また、昨年6月7、8日に、中国の習近平国家主席が訪米した際、習近平氏は米国西海岸カリフォルニア州パームスプリングス郊外のサニーランズでバラク・オバマ大統領と合計8時間におよぶ会談を行った。
昨年2月に安倍晋三首相が訪米した際、オバマ大統領が安倍首相のために割いた時間は2月22日のわずかに1時間半だけだった。
安倍氏の訪米に対して、米国は空港への出迎えもなく、夕食会もなく、勝首脳会談後の共同記者会見もなかった。
私はこれを、
「オバマ大統領が安倍首相に贈った「三本のイヤ」」
と表現したが、米国の安倍政権に対する姿勢は極めて冷淡なのである。
今回の訪日では、夫人同伴イヤ、迎賓館宿泊イヤ、歓迎式典イヤ、ということであり、これを
オバマ大統領「新・三本のイヤ」
と表現しておこう。
最大の背景に、オバマ大統領が安倍晋三氏の歴史修正主義に強い警戒感と嫌悪感を有していることがあると見られる。
それもそうだろう。
安倍首相は米国の制止を振り払って靖国参拝を実行した。
これを「失望」と表現した米国に、衛藤晟一首相補佐官が「失望しているのは日本の方だ」とやり返した。
萩生田光一自民党総裁特別補佐は、「オバマだからこういうことになる」とオバマ政権の対応を批判した。
さらに安倍晋三氏が肝煎りで起用したNHK経営委員の百田某は、「南京大虐殺は米国が米国の戦争犯罪を隠蔽するために捏造したもの」という主旨の発言を示した。
これまた安倍晋三氏が肝煎りで起用したNHK会長の籾井勝人氏は、「従軍慰安婦は日本だけのものでない。オランダにはいまも飾り窓がある」と就任記者会見で発言した。
オバマ大統領が安倍政権を嫌悪するのは無理もないことである。
米国の軍産複合体は東アジア情勢の不安定化を希望しているが、オバマ大統領自身は東アジアの平和と安定を希求しているのだと考えられる。
安倍政権の嫌中・嫌韓姿勢は日本国民に利益をもたらすものでない。
このうえで、安倍首相がオバマ大統領に取り入るために、日本の主権者の利益を無視したTPP大幅譲歩の提案をするなら、日本の主権者の利益はさらに損なわれることになる。
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