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2014-04-22 09:25:19
安倍政権は、あけすけに言えば、「女性に対し、数値目標を決めて、子どもを産ませる」政策を取るのだそうです。
政府は昨日4月21日に、「少子化危機突破タスクフォース」とかいう有識者会議を開きました。そのなかで、「少子化対策の成果目標」を支持する意見が相次いだ、と朝日新聞の本日朝刊が2面の「時時刻刻」で伝えました。
もちろん、「産む、産まないは強制されるものではない」という意見も出されました。しかし、本音は、「なんとか数値目標を決めて、政策の優先順位を明らかにし、具体的に取り組む」というところにあります。
数値目標は、1人の女性が生涯に産むと想定される子どもの数、つまり「合計特殊出生率」を、人口が維持できる2.07にすることを理想とするようです。現在の合計特殊出生率は多少持ち直し気味とはいえ1.41で、はるかに低い。このままでは日本の人口はどんどん減り続け、それほど遠くない将来に1億人を切ることが確実視され、「危機突破」の会議となりました。
この会議には伏線があり、それは先月3月に開かれた政府の経済財政諮問会議で少子化対策として「目標がいる」という提言がされたのです。
それを受けた今回の議論の結果は、6月に発表される「骨太の方針」や成長戦略に盛り込まれます。
安倍政権の底流ある思想は、戦前、戦時中の「産めよ、増やせよ」と、ほとんど変わることがありません。つまり、女性を「産む機械」視しているのです。鶏舎で卵を産ませるニワトリと変ることがない、ように見ているといえるのです。
人口を回復するためには、女性が自ら「子ども産み、育てたい」と思うようになる環境作りが先決のはずです。それには、子どもをちゃんと育てることができるための、保育施設の充実であり、その前にはちゃんと結婚が出来る収入です。夫にしろ、妻にしろ、低賃金、長時間労働では、結婚もできないし、子どもの将来を考えれば、出産を控えます。
先進国の中で出生率を見事に回復させたフランスやスウェーデンでは、子育て世帯の手当てや減税策を充実、両親が事実婚でも法律婚でも子の相続や養育権を平等に扱う制度を作りました。
日本ではどうか。
「女性たちの叫び〜新たな貧困」が今週の27日、日曜日にNHK総合で夜9時から放映されます。おそらくその中で、女性たちの立場が良くなるどころか、悪くなり、若い女性の多くが「新たな貧困」と呼ばれる状態に陥っていることがリポートされるはずです。
そのような立場に追い込んでいるのは、ほかならぬ安倍政権です。女性に子どもを産むように迫る「危機突破会議」を開く安倍政権そのものの政治です。市場原理主義にもとづき、働く立場の人間より、儲け主義の経営者を優遇する政策です。
安倍政権は、いわば”狂って”います。日本国民の多数を不幸に追いやり、少数の”支配層”のための政治に力を尽くしています。方向が反対です。しかし、そうした政権をつくったもともとの責任は、選挙でそんな人間たち、つまり自民党公認の候補者に投票した有権者です。
「女性を子どもを産む機械」として政治を進める政権が、大手を振って白昼、闊歩している。それが日本の現実です。
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