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集団的自衛権見直しは「原理主義者」山口公明党代表の説得がカギ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39023
2014年04月21日(月) 田崎 史郎「ニュースの深層」 現代ビジネス
「公明党で山口那津男代表はとにかく固い。副代表の北側一雄さんは強硬だが、落としどころも探っている。自身のメールマガジンで安倍晋三首相を批判したことがある漆原良夫国対委員長は案外柔軟だ」
首相官邸で集団的自衛権の見直しを進めている政府関係者は、公明党幹部の態様をこのように語る。衆参ねじれが解消し、自民、公明党両党の「巨大与党」が衆参両院で過半数を得て、日本維新の会やみんなの党が理解を示す中で、事の成否を決めるのは公明党の動向だ。とりわけ、山口がカギを握っているが、まだ打開の糸口がつかめていない。
■「なぜ変えるのか、どう変えるのか」と詰め寄る
集団的自衛権の見直しについてまず、首相・安倍晋三の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が5月連休明けに報告書を提出。これを受けて、政府が集団的自衛権の見直しに関する方針を示す。
安保法制懇の報告書とは別に、政府の考え方を示すのがミソだ。安保法制懇が集団的自衛権容認の幅をかなり広く取ったにしても、安倍内閣の判断として限定的に行う余地をあらかじめつくっているわけだ。
政府はこの方針を自民、公明両党に提示。内閣法制局も、集団的自衛権を行使できないとしてきた憲法解釈の変更を進める。自公両党の合意、内閣法制局の見解の修正が終わった後に、政府は閣議決定を行う。その時期については6月22日で会期切れを迎える今国会中、遅くとも7月までと考えている。
時期を区切っているのは、日米間で年末までに日米防衛協力のための指針(ガイドライン)再改定を行うことになっており、かつ、秋の臨時国会に法案の一部を提出するには法案化作業に2、3カ月はかかると見込んでいるからだ。
自民党幹事長・石破茂は11月の沖縄知事選、来年4月の統一地方選への悪影響を懸念して、一時、来年への先送りや、自民党が選挙公約に掲げてきた安全保障基本法案の成立を求めた。
しかし、今月2日夜、首相公邸で行われた安倍、官房長官・菅、党副総裁・高村正彦、石破の4者会談で安倍の意向を踏まえ、@今国会中の閣議決定を目指すA閣議決定後、今秋から来年の通常国会にかけて、個別案件ごとに法案を提出する──ことで合意した。石破は自分の主張はするものの、最終的に安倍の意向を尊重する。幹事長は総裁に従うという組織原理に極めて忠実なのだ。
翌3日、自民党の高村、石破、特命担当副幹事長・中谷元と、公明党の山口、北側、幹事長・井上義久が東京・六本木の全日空ホテルで会談した。この会談は初めてと報じられたが、同じメンバーが3月6日にも会っている。
高村らは2日の安倍との協議を踏まえ、政府・自民党の方針を伝えるとともに、1959年の砂川事件を巡る最高裁判決を引き、「集団的自衛権の行使は必要最小限度の範囲内で行うことを考えている」と説明し、理解を求めた。
しかし、公明党側は主に山口が語り、その内容は前回と「ほとんど同じ」(会談出席者)。山口は、集団的自衛権の行使は憲法上禁止されているという内閣法制局の見解を強く主張し「なぜ変える必要があるのか、どう変えるのか」と詰め寄り、砂川判決についても「集団的自衛権が問題になった判決ではない」と反論した。進展はまったくなかった。
■「水戸の三ぽい」を受け継ぐ?山口の性格
山口がなぜ、こんなに頑ななのか。政府・自民党内には不満が渦巻き、山口を「原理主義者」と呼ぶ人もいる。
創価学会が反対だから、という説明がよくなされるが、官邸側が学会に当たると、それほど強硬ではない。山口と歴代法制局長官との交流を上げる人もいる。山口が衆院小選挙区で自民党の平沢勝栄と戦って敗れ、その過程で自民党から激しく攻撃された怨念があると見る向きもある。
私は山口の性格なのではないかと思う。弁護士時代から知る議員は「弁護士には判決を求めるタイプと和解を目指す人と二通りあるが、山口さんは判決を求め、すっきりとした結論を得たがった」と言う。
また、山口は茨城県ひたちなか市の出身。茨城には「水戸の三ぽい」という言葉がある。「怒りっぽい、理屈っぽい、飽きっぽい」の三つだ。少なくとも「理屈っぽい」というのは山口にピタリと当てはまる。ただ、山口には連立政権を離脱する考えはまったくない。
集団的自衛権は今年の政治で最重要課題と言えるだろう。その可否は「山口越え」ができるかどうかにかかっている。
(敬称略)
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